今回は、1960年代のアメリカ軍迷彩ジャケットを分析します。
一般的には「グリーンリーフ」迷彩と呼ばれているモデルですね。
デザインはOG単色のトロピカルコンバットジャケットが原型です。
残念ポイントがありますが、デッドストックの長期保管品ですよ。
目次
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1 アメリカ軍熱帯用迷彩ジャケット(グリーンリーフ迷彩・ジャングルファーティーグタイプ)とは?
アメリカ軍は第二次大戦中に、独特の「ダックハンター」と呼ばれる迷彩の被服を限定的に支給しました。
ダックハンター迷彩服の記事はこちらです。⬇︎
元々世界最大規模を誇るアメリカ軍は、当時の陸軍でも個人の迷彩化に消極的だったようですね。
(効果も疑問視してましたし、開発や支給にも予算がかかりますしね。)
しかしヨーロッパでドイツ軍と対峙すると、その高いレベルの迷彩装備に強い衝撃を受けました。
何故なら、当時アメリカが開発しようとしていた迷彩(ミッチェルパターン)の、なんと数十年以上先を進むものだったからです。
ドイツ軍迷彩に触発されたアメリカは、戦後本格的に新しい迷彩装備の開発に乗り出します。
ベースになったのは、大戦末期にドイツ軍が装備した「ライバーマスター」迷彩でした。
そしてベトナム戦争中に、満を持して新しい迷彩服が採用、支給されましたよ。
それが今回のモデルです。
いかにもベトナムで効果を発揮しそうな迷彩なのが特徴ですね!
さてさて、それはどんな迷彩ジャケットなのでしょうか?
今回は、アメリカ軍装備マニアのみならず、ベトナム戦争マニアのあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 全体及び細部写真です!
前面
ベースカラーのせいか、グリーンを強く感じますね。
背面
美しい迷彩ですね。
メーカーや製造時期によって若干の色調変化がありますよ。
前面裏側
背面裏側
かなり迷彩が透けています。
サイズタグ
データタグ
胸ポケット
角度とプリーツが付いています。
2個のボタンで開閉
腰ポケット
胸ポケット同様2個のボタンで開閉
左胸ポケット
フラップにはスリットが。
ポケット内にはペンポケットがあります。
袖口
2個のボタンで開閉
デッドストックながら、こんな穴が2個空いていました。😅
残念ですが、安く入手できましたよ。
参考:アメリカ海軍のグリーンリーフ迷彩戦闘服
(ジャングルファーティーグの後継型:LC系)
これは、グリーンリーフの生地を用いて造られた、ベトナム戦争後のジャケットです。
通常、LCリーフ迷彩生地を用いて制作されますが、中には写真のようにグリーンリーフ生地製もありました。
ポケットの角度がなく、ポケットフラップの形が平凡な長方形なのが特徴です。
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3 その特徴とは?
迷彩は、ライトグリーンの生地にグリーン、ブラウン、ブラックグレイで雲形、葉のようなパターンを描いています。
しかも各色の境が、微妙にボカシてありますよ。
手の込んだ迷彩ですね。
「グリーンリーフ」というのは、この迷彩色調からきています。
ブラックグレイのパターンの一部は、ライバーマスター迷彩パターンに酷似していますね。
やはり大きな影響を受けているようです。
また全体的にはコントラストがあって効果的な迷彩ともいえますね。
生地はコットンポプリンのロップストップ(引き裂き防止加工)で、薄いながら丈夫です。
(生地が破れても、それ以上広がらない工夫がなされています。)
デザインは、以前分析したジャングルファーティーグと同じです。
ジャングルファーティーグの記事はこちらです。⬇︎
構成は、エポレットなし、胸ポケット×2、腰ポケット×2で、左胸ポケット内にはペンポケットがあります。
全体的な縫製は、やや雑ですが強度は抜群ですね。
今回のモデルはデッドストックだったのですが、裾に穴が開いていました。
4 製造とサイズのデータです!
製造・契約年度 1969年
製造場所 アメリカ
契約会社 アメリカ
製造会社 〃
材 質 コットン
表記サイズ M-S
各部のサイズ(平置)
着丈 約77cm
肩幅 約45cm
身幅 約59cm
袖丈 約60cm
状 態 中古良品
官民区分 官給品
入手場所 ヤフオク
入手難易度 3(困難)
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5 まとめ
ベトナム戦争中に、この迷彩服を着用したある部隊が、前線でヘリコプターの救助要請をしたそうです。
でも現地に行ったパイロットは、その部隊を発見できなかったとか?
本当ならすごい迷彩ですね。
この迷彩服がアメリカ軍に採用されてから、東南アジアを主体に、同様の迷彩服が採用されていますね。
ベトナム戦争当時には、旧南ベトナム軍が、全く同じ迷彩生地の戦闘服を造ったりしていましたよ。
また、ベトナム戦争末期から戦後暫くにかけては、ベース色をライトブラウンに変更し、ポケットのデザインを一般的な長方形に変え、迷彩各色のボカシを省略した、ブラウンリーフ迷彩服がアメリカ軍に採用されました。
しかし写真でも示した通り、グリーンリーフ迷彩生地を用いたものもあって、若干の混乱が生じていたようです。
(グリーンリーフの迷彩生地が余っていたので、仕方なく作ったのかも。)
先の例もそうですが、グリーンリーフパターンの迷彩は、特に熱帯から亜熱帯の森林では抜群の効果があります。
日本のこれからの季節は、まさにグリーンリーフの独壇場と言っても良いでしょう!
野外でのサバイバルゲームは勿論のこと、野鳥観測、登山、キャンプそしてファッションにも使用可能ですね!
現時点では官給品は流石に減ってきましたが、良い雰囲気のモデル品が発売されているので、誰でも入手することができますよ。
またある映画でしたか、最近サッカー選手と結婚された日本のアイドル女優さんが、グリーンリーフを衣装で着てましたね。
原色のアイテムと合わせていて、いい感じに映えてましたよ。
この迷彩は、女性にもおすすめかもしれませんね。
(現在、生き残っている程度の良い官給品の殆どは、偶然にも小さいサイズが多いですよ。)
今回は、アメリカ軍のグリーンリーフ迷彩服を分析しました。
いやー軍装品って、本当に素晴らしいですね!
それでは、また次回をお楽しみに!
(20240402更新)
参考:今回のモデルと同時期に開発された色違いのリーフ迷彩ユニフォームに関する記事はこちらです。⬇︎
参考:ベトナム戦争後のLCリーフ迷彩装備に関する記事はこちらです。⬇︎
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✳︎ ✳︎ ✳︎
読んでいただき、ありがとうございました。
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