今回は、1980年代のアメリカの海軍デッキジャケットを分析します。
その存在は以前から知られていましたが、あまりのヘビーデューティさゆえに、不人気の可哀想なジャケットですね。
特殊な機能があるようです。
今回もデッドストックですよ!
目次
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1 アメリカ海軍極寒候用デッキジャケットとは?
艦艇に乗り組んでる水兵さんは、敵と戦うだけではなく、吹き荒ぶ風や寒さとも戦わなければなりませんでした。
加えてもう一つ「海」とても恐ろしい存在も無視できませんね。
戦闘中全速力でジグザグ航行している艦艇から海中への落下は、多くの場合死を意味しました。
海に落ちた事がわかっても、北方の海では低い海水温で救助も大変ですね。
そうでなくても防寒着を着込んでいる水兵さんは、海に浸かることで衣類が水を吸って非常に重くなります。
普段なら問題なく何キロも泳げる水兵さんでも、着膨れした状態では100mでも疲れるでしょう。
また、体重が通常より重くなっているわけですから、艦上へ引き上げるのも一苦労ですよね。
そこで、考えられたのが今回のデッキジャケットです。
完全防水で水を吸わず、かつ保温力を確保できる夢のデッキジャケットと言えます。
さてさて、それはどんなジャケットなのでしょうか?
今回はミリタリーマニアのみならず、釣りにも使える高機能ジャケットを探しているあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 全体及び細部写真です!
前面
全体にグリーンのナイロン製ですが、襟はコーデュロイです。
背面
前面裏側
内ポケットはありません。
背面裏側
ほぼ全面にキルティングのライニングがあります。
前合わせは、ジッパーとボタンですが、ボタンはコードのループで留めます。
(アメリカ空軍のN-2やN-3系のようですね。)
タグ
「IMPERMEABLE」とは?
襟
コーデュロイは寒い日に嬉しいですね。
(これで氷点下でも首が冷たくないですよ!)
襟のカラーは、いくつかバリエーションがあります。
ジッパーは高性能の「YKK」です。
腰ポケット
ダットファスナーで開閉
ポケットフラップは、一部が縫い付けられていますね。
袖は二重になっていて、中にはニットが。
水抜き穴が4個も準備されていますよ。
襟の付け根にはチンストラップがあって、襟前面の隙間をなくす事ができます。
シェルは裏はゴムになっています。
なるほど、これは完全防水ですね。
襟の裏には用途不明のストラップが!
ダットファスナーで開閉
うなじのループ
裏側から見た脇
ここだけ薄いナイロン生地で通気性と動作性を確保しています。
ライニングは、ナイロン製のキルティングですが、綿ではなくホワイトの柔らかいスポンジゴムのような材質です。
勿論、シェルと共に完全防水のようですよ。
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3 その特徴とは?
シェル(外皮)のカラーはグリーンです。
何処かで見たなと思ったら、ベトナム戦争当時にアメリカ陸軍や海兵隊に支給された、防水バッグに似ていますね。
シェルの裏にはゴムがコーティングしてありますよ。
これなら劣化しない限り完全防水ですね。
ライニングは、一見キルティングですが、衣類に接しないところは白く柔らかい目の詰まった薄いスポンジゴムのような材質です。
襟はコーデュロイで肌触りも良く、人に優しいデザインですね。
襟以外では、どこも水分を含まない材質でできています。
反面、ゴアテックスのように通気性は殆どないようですよ。
4 製造とサイズのデータです!
製造・契約年度 1988年
製造場所 アメリカ
契約会社 アメリカ
製造会社 〃
材 質 コットン
ナイロン
表記サイズ L
(日本人のL〜XL)
各部のサイズ(平置)
着丈 約77cm
肩幅 約54cm
身幅 約65cm
袖丈 約66cm
状 態 中古上品
官民区分 官給品
入手場所 岐阜の専門店
入手難易度 2(やや困難)
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5 まとめ
タグにある品名で「IMPERMEABLE」とは「浸透しない」などという意味があるようです。
なるほど、襟のコーデュロイ以外は、海水を含みそうもないですね。
袖には水抜き穴もありますので、海に落ちても衣類が重くなることは最小限で済みそうです。
勿論シェルがゴムコーティングのナイロンなので全く風を通しません。
実際に着用してみると、とても暖かいジャケットですよ。
しかし、ライニングがやや硬いため、動作に違和感を感じますね。
また、主な材質がナイロンなので火気には弱そうです。
(昨今の装備で耐火性が無いのは致命的ですね。)
そのせいでしょうか?
最近、日本でもよく出回っていますね。
もしかして本国では廃止されたのかもしれません。
しかし、水兵ではない我々には利用価値があります。
雨具や釣り用のジャケットとして使ってみるのはどうでしょう?
完全防水なので、雨や雪、波しぶきでも安心です。
ただ通気性が殆ど無いので、気温の極端に下がる高地や北日本では注意が必要です。
気温が零度以下なら、シェル内部で結露して凍ってしまい、思わぬ凍傷を負ってしまうかもしれません。
その造りから、寒冷地で動かない活動に向いているジャケットのようです。
さて最新の軍艦は、斜めの平面で構成され、艦上の兵器や構造物を減らしたいわゆるステルス艦が主流となりつつあります。
水兵さんが、デッキで対空砲や魚雷発射管などを操作する時代では無くなってきているようですよ。
今回のモデルも、もうすぐ過去の遺物と呼ばれるかもしれませんね。
今回は、アメリカ海軍の極寒候期用デッキジャケットを分析しました。
いやー軍装品って、本当に素晴らしいですね!
それでは、また次回をお楽しみに!
(20231125更新)
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参考:各国の海軍防寒装備に関する記事はこちらです。⬇︎
追記(20200125)
このジャケット専用のフードを発見(発掘)しました!
右側面
左側面
前面
左右のストラップは
背面
タグ
1980年度契約品です。
フードの内側は毛布生地
ファーはアクリル製です。
(もっと古いモデルには、コヨーテファーもあったような記憶が…。🤔)
前合わせのボタン
コードのループで留めます。
ジッパーも付いていますね。
ジッパーはブラスの「IDEAL」
フード後頭部には金属バックル付きのストラップが。
フードはジャケットに装着するのではなく、事前又はジャケットを着用した後に着用します。
ジャケットとの着用例
(あらかじめフードを着用した後にジャケットを着用した場合です。)
✳︎ ✳︎ ✳︎
読んでいただき、ありがとうございました。
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