今回は、1990年代のイギリス陸軍特殊部隊用迷彩スモックを分析します。
ネットオークションで偶然発見しました。
何処かのファッション系ブランドの製品なのでしょうか？
正体は不明ですが、今回のアイテムも極上品ですよ！
目次
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１ イギリス陸軍特殊部隊用迷彩ユニフォーム（DPM・モデル品）とは？
イギリス軍の特殊部隊といえば、何を置いてもSAS（Special Air Service）ですよね。
世界の特殊部隊ネットワークでも、常に指導的立場にあって、多くの紛争や事件にも関与しているのはあなたもご承知のとおりです。
そんなSASの隊員は、特殊部隊の名に相応しい特殊な装備を支給されていますね。
当ブログでは、これまでもSASに支給されたいくつかのアイテムを分析してきました。
今回のモデルは、以前も分析した特殊部隊用迷彩ユニフォームのモデル品になります。
ごく普通の素材で製造されていますが、ある意味官給品より使い易いかもしれません。
さてさて、それはどんな迷彩ユニフォームなのでしょうか？
今回は、官給品を使用するにはちょっと…と躊躇しているイギリス軍特殊部隊装備マニアのあなたと一緒に、確認していきましょう！
２ 全体及び細部写真です！
スモック
前面
意外に写真写りの良いモデル品ですね。
実物は各迷彩色調は官給品と微妙に違っています。
背面
前面裏側ちゃんと内ポケットも再現
背面裏側
背面裾のポケットも再現
前合わせはジッパーとマジックテープです。
少々ジッパーが短い？
胸ポケット
ボタンで開閉
ちゃんとポケット口の折り返しも再現
腰ポケット
こちらも胸ポケットと同様です。
左袖ポケット
ボタンで開閉
コンパートメンもちゃんと２つに分かれていますね。
袖
単純な筒ですが、肘の補強生地は官給品同様にぐるっと一周廻っています。
右袖ポケット
ボタンで開閉
前身頃の階級章取り付け用タブ
逆テーパー付きのクサビ型です。
ここに階級章を付けます。
ボタンは全てカナディアンタイプ
でもテープがやたら長いですね。
フード前面
各種ドローコードはグリーンではなく、ブラックです。
フード側面
うなじのコードも再現
フード背面
内ポケット
官給品同様オープンタイプです。
ウエストのドローコードは、右側のみで調整
タグ
メーカー名やランドリーデーターは一切ありませんでした。
トラウザーズ
前面
左右対称デザインです。
背面
背面も左右対象ですね。
前面裏側
背面裏側
前合わせはボタンのみです。
ボタンはアメリカ軍タイプの肉厚ODプラスティック製
タグ
スモックと同じで、ペアということが分かりますね。
右側面レイアウト
ウエスト左右にはゴムを内蔵
腰スラントポケット
ヒップポケット
２個のボタンで開閉
膝ポケット
１個のボタンで開閉
ポケットフラップの前部は縫い付けられています。
プリーツは3段です。
ボタンはODのプラスティック製でアメリカ軍タイプ
臀部の補強生地
膝裏側にはパットを挿入するスリットあり。
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３ その特徴とは？
迷彩は、DPMですが各色とも微妙にイギリス軍官給品の色調ではありません。
（少々暗いですね。もっとも官給品のDPMも色調はバラバラなのですが…😅）
配色は、タン（ペイルオレンジ？）の生地にグリーン、ブラウン、ブラックを用いて、刷毛で丸く塗ったようなパターンを描いています。
ちゃんと各色には、細かい斑点でボカシを加えたところがありますね。
（オランダ軍より、イギリス軍DPMに忠実です。イギリスのメーカーでしょうか？）
生地は一般的な薄いツイルで、官給品のようにギャバジンではありません。
防風性能は、官給品ほどではないようです。
デザインもよく官給品を再現していますが、スモックには新旧タイプが混在していますね。
胸に垂直ジッパーで開閉するポケットのないタイプですが、ボタンはカナディアンタイプになっていますよ。
構成は、フード付き、エポレットなし、胸ポケット×2、腰ポケット×2、袖ポケット×2、内ポケット、背面裾裏側のポケットで、前身頃には、階級章を取り付けるタブがあります。
残念ながらフード前縁のワイヤーは省略されています。
（でもワイヤー不要論も根強いので、これはこれで一つの形ですね。）
一方トラウザーズは、アメリカ軍BDUのデザインです。
構成は、腰スラントポケット×2、ヒップポケット×2、膝ポケット×2でウエストにはゴムを内蔵。
また、膝にはパットを仕込むスリットがあります。
全体的な縫製は正確ですが、生地共々強度は官給品ほどではないようです。
４ 製造とサイズのデータ
製造・契約年度 不明
製造場所 不明
契約会社 不明
製造会社 〃
材 質 コットン
表記サイズ M
（日本人のＬ）
各部のサイズ（平置）
スモック
着丈 約76cm
肩幅 約52cm
身幅 約60cm
袖丈 約62cm
トラウザース
ウエスト 約40cm
股上 約34cm
股下 約79cm
裾幅 約23cm
着丈 約104cm
状 態 中古極上品
官民区分 民生品
入手場所 ヤフオク
入手難易度 3（困難）
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５ まとめ
今回のモデルを最初に見た時に、何か頼りない印象を持ちました。
おそらくそれは生地の違いからくるものだと思います。
しかし細部を確認すると、とてもよく官給品を再現（トラウザーズ以外は）しているため、かなりの好感を持つことができました。
またトラウザーズは、官給品を無視してアメリカ軍系BDUに合わせているので、逆に使い勝手は良さそうです。
ヒストリカルゲーム以外のサバイバルゲーム、野鳥観測、狩猟など、忠実性を求められないシチュエーションには「これで良いのではないか？」…と感じさせる一品ですね。
惜しむらくは、どこの国のどんなメーカーが製造しているのかを示すものが何もないので、追跡できないことですね。
（唯一残されたサイズタグを見ると、何かファッション関係メーカーのような気もしますが…。）
今回のモデルについては、さらなる調査を「ケイゾク」していこうと思います。
今回は、モデル品ながらよくできたイギリス軍特殊部隊用迷彩スモックを分析しました。
いやー軍装品って、モデル品も本当に素晴らしいですね！
それでは、また次回をお楽しみに！
（20231029更新）
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参考：他のイギリス軍モデル品装備に関する記事はこちらです。⬇︎
官給品の特殊部隊用迷彩スモックはこちらです。⬇︎
＊ ＊ ＊
読んでいただき、ありがとうございました。
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（こちらは官給品です。）
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