今回は、1990年代のイギリス軍特殊部隊用迷彩スモックを分析します。
迷彩生地がDPMのモデルとしては最終型で、以降はMTPに変更されましたね。
(DPM大好き中年の私としては、一抹…どころかめちゃ寂しかったです。)
1960年代後半に採用され、およそ50年も使用されたDPM。
見事に有終の美を飾ることができた…のでしょうか?
中古品ですが、程度は良好ですよ!
目次
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1 イギリス軍特殊部隊用迷彩スモック(DPM最終型)とは?
第二次大戦中の「軽量スモック」を祖とし、イギリス軍の特殊部隊や海兵隊に優先して支給された「極地用スモック」。
いつの間にか「極地用」という名称が省略されましたが、その品質は他国の迷彩服を凌駕するものでしたよ。
コットンギャバジン製で薄いながらも完全防水加工(時間とともに効果は薄れますが…。)、フード付きでポケットも沢山備え、迷彩が効果的なDPM(分裂模様素材)という、贅沢かつ最強の迷彩服でしたね。
今回のモデルは、それまでの特殊部隊用迷彩スモックを時代にあわせ近代化したものになります。
(この改造後採用された新型のMTPスモックは、また大きな変更点がありましたね。)
さてさて、それはどこが近代化されたのでしょうか?
今回は、迷彩服コレクションベテランのみならず、コアなDPMマニアのあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 全体及び細部写真です!
前面
背面
前面裏側
ライニングは一部(上半身)しかありません。
背面裏側
一つ前のモデルまでは、白い生地に迷彩をプリントしていました。
でもこのモデルからはダークイエローの生地に変更されていますね。
前合わせはジッパーとマジックテープです。
タグ
もう一つタグがありました。
胸ポケット
角度が付いていてボタンで開閉
ポケット口に折り返しあり。
胸の階級章取り付けタブ
胸ポケット横にあるポケット
垂直ジッパーで開閉
中にペンポケットあり。
腰ポケット
こちらもボタンで開閉し折り返しもあります。
ポケットフラップ裏には細いテープ(布製)が縫い付けられていますね。
用途は何でしょう?
小さな左そでポケット
マジックテープで開閉
ポケットフラップに国籍マーク
袖
僅かにテーパーが付いています。
袖口はタブとマジックテープで開閉
補強生地は裏側に縫い付けられていました。
内ポケットは廃止されていますね。
ウエストのドローコードは、左右で調整するタイプです。
裾のドローコードとロック
コードはブラックのゴム紐です。
伝統だった背面裾内側のポケットも廃止されました。
予備ボタン
前身頃裏側の下部に設置
ボタンは全てカナディアンタイプと呼ばれる、糸ではなくて布テープで縫い付けるものに変更されていますね。
ジッパーは、上下から開くダブルジッパーです。
このメーカーは官給品でよく見かけますね。
フード前縁にはワイヤー(やや太い銅線)が内蔵されていて、自立します。
強い風でも、形が崩れることが少ないですね。
フード左右
かなり深いフードです。
国籍マーク
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3 その特徴とは?
迷彩は、上述したとおり、ダークイエロー(またはタン)の生地に、グリーン、ダークブラウン、ブラックを用いて、刷毛で小さく丸く塗ったようなパターンを描いています。
コットン製の時代には、同じDPMでも色調にばらつきがありましたが、何故かこのポリエステル混じりの生地は、ほぼ色調が一定していますね。
(面白い現象です。)
また、種類の多いDPMパターンですが、今回のモデルはP85以降のパターンになっていますよ。
生地は、コットンとポリエステルの混紡で、コットンオンリーの前モデルより、強度が増しているようですね。
火に弱いとの評価から、ずっと化繊を使用しなかったイギリス陸軍装備も、とうとうポリエステルを採用してしまいました。
(伝統を守っていくのも良いですが、新しい技術を取り入れるのも必要ですよね。😃)
デザインは、一つ前のモデルから一部変更されています。
構成は、フード付き、エポレットなし、胸ポケット×4、腰ポケット×2、左袖ポケットです。
前モデルからは、ジッパーで開閉する胸ポケット×2が追加され、内ポケット、右袖ポケット、背面裾大型ポケットが廃止されていますね。
全体的な縫製は、とても正確かつ丁寧で、品質の高さを感じます。
強度も十分ですね。
4 製造とサイズのデータです!
製造・契約年度 1990年代
製造場所 イギリス
契約会社 イギリス
製造会社 〃
材 質 コットン
ポリエステル
表記サイズ 170/104
(日本人のL〜XL)
各部のサイズ(平置)
着丈 約83cm
肩幅 約52cm
身幅 約64cm
袖丈 約61cm
状 態 中古極上品
官民区分 官給品
入手場所 東京の専門店
入手難易度 1(容易)
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5 まとめ
生地の変更により、より軽量化が図られ耐久性も増しました。
(洗濯を繰り返しても、褪色などが遅くなりましたね。)
また内ポケットを廃止して胸ポケットも増やしたことにより、いちいちジッパーを開けて内ポケットを使用すると言う手間も省けましたね。
反面、コットンギャバジン特有の肌触りの良い高品質で柔らかい感じや、見せたくないものを隠せる背面裏側の裾ポケットがなくなったのは、少々勿体ないような気がしました。
またDPMの色調も、やや血色が悪くなった印象で(実戦ではこちらの方が効果的あるとの評価もあり。)私はどうも好きになれないです。
全体的には、最終モデルとはいえ、やや後ろ向きな仕上がり…という印象を受けました。
少々残念なところがありますが、一着の迷彩服として観た場合、やはり傑作と言わざるを得ないですね。
あらゆるシチュエーションで用いることができて、しかも迷彩効果は抜群です。
サバイバルゲーム 、狩猟、野鳥観測、キャンプ、登山などなど、無問題で使用できそうです。
また防風性能の高い生地なので、冬は着込むことによりある程度の防寒性能を発揮しそうですよ。
嬉しいことに軍在庫の多くが民間業者に払い下げられていて、2020年現在でもデッドストックが入手可能です。
また、製造メーカーが同じ製造ラインで、民生品を製造しているとの情報もあります。
(DPMはハンターに根強い人気があるようですね。)
しばらく入手は可能のようです。
(でも念のため早めに購入しておきましょう!)
私は旧型のデッドストックを探すとともに、少数生産のコットンサテンモデルを探してみたいと思います。
今回は、伝統あるイギリス陸軍特殊部隊用DPMスモックの最終型を分析しました。
いやー軍装品って、本当に素晴らしいですね!
それでは、また次回をお楽しみに!
(20240130更新)
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参考:他のイギリス軍特殊部隊用迷彩スモックに関する記事はこちらです。⬇︎
イギリス軍特殊部隊用迷彩スモックのモデル品はこちらです。⬇︎
他のイギリス軍装備に関する記事はこちらです。⬇︎
他国軍の迷彩衣類に関する記事はこちらです。⬇︎
各国軍の防寒装備に関する記事はこちらです。⬇︎
✳︎ ✳︎ ✳︎
Twitterで見つけました。
凄技です!
神田明神にて斬馬刀奉納演武 pic.twitter.com/7NQ76MqVX0
— 佐助 (@sasuke329sinobi) 2020年11月15日
この長い刀をここまで振り回せるようになるには、どんな練習が必要なのでしょうね?
鞘を地面に置き、そこから大きく位置を変えず、演技する…奉納に相応しいです!
私は特に得意なことないので、いつか何か身につけたいですね!
読んでいただき、ありがとうございました。
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