今回は、1980年代のアメリカ軍武器訓練用シートを分析します。
自衛隊にも国産小銃用シートがありましたね。
驚いたのは、M16の分解はここまででOKなんですね?
今回もデッドストックですよ!
目次
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1 アメリカ軍武器分解結合訓練用シート(M16A2小銃用)とは?
どの職業でもそうですが、会社にあるPC、機械、車両、工具などの使用に習熟することが、より良い仕事をする上で欠かせませんね。
軍隊も同様で、個人に与えられた武器の取り扱いに習熟することが戦力に直結し、生き残る要素が増えるとされています。
その第一歩が、武器の分解結合です。
武器…特に小銃を分解、点検、清掃し、再度結合することは、新兵が最初に覚える重要なことですね。
部品名や部品の機能も覚えることができるとともに、実戦や訓練における武器の故障を排除するためには必要不可欠な知識と技術だといえます。
今回のモデルは、アメリカ軍の新兵が武器訓練に使用する専用のシートになります。
小銃を分解する時に、外した部品を所定の場所に置いていき、分解と結合の順番や部品名を覚えるために用いるものですね。
多くの軍隊や警察でも、同様のシートがあります。
さてさて、アメリカ軍のシートはどんな内容なのでしょうか?
今回は、アメリカ軍装備マニアのみならず、かつて64式小銃を取り扱っていたあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 武器分解結合用シートの全体及び細部写真
表面
これがアメリカ軍M16の普通分解なのでしょうか?
(とても簡単そうですね。)
裏面
裏面は印刷されていません。
細部拡大
小銃を分解して、部品毎にシートの上に置いていきます。
分解結合手順、機能、部品名を覚えるのが目的ですね。
実銃より僅かに大きく描いてありますね。
引き金室部の分解はしないようです。
ピストルグリップがM16A1のままのような気がしますが…。
自衛隊のシートは、分解した順に描かれていましたが、これはバラバラですね。
独特のハンドガード(被筒)は、M16A1の特徴では?
材質は粗く織られた生地で、縦糸と横糸の太さが大きく違っていますね。
こんな感じで袋に入っていました。
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3 その特徴とは?
生地は太さの違うポリエステル糸の平織で、目が荒いですね。
でもこれなら通気性ものよく、小銃の潤滑油やグリースで汚れても、すぐにクリーニングできそうですね。
(ソルベントで落ちるかも。)
生地の表面には、15点のM16A2小銃部品が単純な形でプリントされています。
(でも特徴はM16A1ですが…😓)
これが普通分解だとしたら、64式小銃に比べて圧倒的に部品数が少ないですね。
ただしローアーレシーバー内の引き金や撃発に関する箇所はノータッチのようですよ。
M16小銃は、通常の自動小銃のようにガスでピストンを介してボルト(遊底)を動かすシステムではなく、銃身内のガスを直接遊底部に吹き付けるシステムでした。
そのため銃全体の軽量化(ピストンが存在しない分)と構造の単純化が図られていますが、今回の分解図はあまりに簡単すぎますね。
設計者ユージン・ストーナーの天才的設計の賜物と言えそうです。
(ここまでならすぐに覚えることができて、秒で分解できそうですね。)
4 製造とサイズのデータ
・製造又は契約年度 1980年代
・製造場所 アメリカ
・契約会社 アメリカ
・製造会社 〃
・材 質 ポリエステル
ナイロン
・各部のサイズ 縦 約54センチ
横 約39センチ
・状 態 デッドストック
・官民区分 官給品?
・入手場所 沖縄の専門店
・入手難易度 2(やや困難)
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5 まとめ
私が陸上自衛隊へ入隊(1981年:昭和56年)し教育隊で武器教育を受けた時に、担当教官から「64式小銃発射の8行程」を教わったことがあります。
その時の教官が最後に「私もよくわからないので(行程を詳しく)説明できません…。」と締め括りました。
新隊員の同期の多くは、その説明を聞いて「…行程の名称のみ覚えて、その機能他は覚えなくても良い」と脳内変換しました。
今から思えば「ありえない教育」でしたね。
当時は最も大切な武器訓練でさえ、射撃予習と実弾射撃のみで軽く終わってしまったのは、とても残念に思います。
(現在もそうなのでしょうか?)
何故なら、「発射の8行程」を詳細に勉強することで、64式小銃の完全機構の理解促進につながりますし、開発者の苦労を垣間見ることができて、銃を愛する精神にもつながると思うのですが…。
それはともかく、64式小銃の分解結合シートは、ナイロン製で取り外した部品を左から並べるようにプリントされてあるので、そのまま逆に結合していくと結合が完了するという合理的なものでした。
それから比べると今回のモデルは、順不同なので結合する時に少々迷いそうですね。
(それが狙いなのかも?)
ところで、今回のモデルは、アメリカ軍が駐留している地域の専門店では時折見かけることがあるようです。
特に沖縄は、ケースに入った状態で投げ売りされていました。
(1980年代終わり。)
現在でも売れ残っているかもしれません。
探しているあなたは、地方の専門店をあたってみましょう!
私はベトナム戦争中のM14、M16A1用のシートを探してみたいと思います。
今回は、アメリカ軍の新兵が使用していた武器分解結合訓練用のシートを分析しました。
次回は、韓国軍の迷彩服を分析します。
お楽しみに!
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参考:このシートと同時期のアメリカ陸軍装備に関する記事はこちらです。⬇︎
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読んでいただき、ありがとうございました。
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