今回は、1970年代のアメリカ海軍ナイロンフライトジャケットを分析します。
アメリカの、とあるSF系TV番組である組織の隊員衣装として大量にモデル品が使用されましたね。
独特のデザインは、現代でもある用途に適した造りになっていますね。
中古品ですが、程度は良好ですよ!
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目次
1 アメリカ海軍フライトジャケットJ-WFS(WEP・DPSC品)とは?
アメリカ海軍のフライトジャケットといえば、レザーのG-1、難燃繊維製のCWU-45Pなどが有名ですね。
でも、第二次大戦中はコットン製のフライトジャケットを主に使用していました。
とても暖かいジャケットでしたが、やや重くてかさばるものだったようです。
そして大戦終了後、アメリカ海軍も軽くて強度のある夢の素材「ナイロン」製のフライトジャケット開発に着手します。
そうして完成したのが、今回のモデルです。
空軍のMA-1に相当する、インターミディエイトゾーン(気温−10℃〜10℃)を担当するジャケットでした。
(まだまだこの頃は、陸、海、空、海兵隊共通の装備を開発する…という認識はなかったようですね。)
最終的には、いくつかのマイナーチェンジを繰り返して1950年代から1970年代の長期に渡り使用されました。
今回のモデルは、なかなか支給されない官給品(業者製造品)を補うべく、なんとアメリカ軍内の「DPSC(ディフェンスパーソナルサポートセンター)」と呼ばれる部門で製造された、官給品に準じたモデルになります。
(つまり、アメリカ軍のオリジナル?)
さてさて、それはどんなフライトジャケットなのでしょうか?
今回は、アメリカ海軍WEPマニアのみならず、WEPの存在をご存知のないあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 全体及び細部写真です!
前面
左右の胸ポケットと襟が特徴的ですね。
背面
前面裏側
ほぼ全面にコットン製のライニングがあります。
背面裏側
タグ
襟はニットで、チンストラップにより立てることができます。
右胸ポケット
ダットファスナーで開閉
左胸ポケット
こちらにはペンポケットが設けられています。
袖ポケット
こちらもダットファスナーで開閉
袖のデザインは独特で、ニットの一部がV字型になり手首上部までありますよ。
(初期型は通常の直線袖でした。)
裾はゴムを内蔵しています。
正面のタブは、ジッパーを引き上げる際のサポート用。
内側には、フライングトラウザースと連結させるためのタブがあります。
(ボタンホールあり。)
ジッパーは「SCOVILL」のゴツいタイプ
背中にはアクションプリーツがあり。
アクションプリーツはゴムテープで左右つながっていますね。
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3 その特徴とは?
シェルは、オリーブグリーンのナイロン製で、1960年から1970年代に多用された、ヘルメットバッグの生地に似ていますね。
(時代によって僅かに生地のカラーが違っていて、年代が古いほど暗い色調です。)
ライニングはコットンで、ある程度の吸湿性があります。
(しかし長年の使用で襟周りなどが擦り切れてくる場合が多いですね。)
インターライニング(中綿)は、ポリエステルで、軽量ながら保温力は抜群ですよ。
デザインは、襟、袖がニットですが、MA–1とは違ってチンストラップでスタンドカラーにできますよ。
(MA-1より保温力があるかもしれませんね。)
また、ポケットは前面に胸ポケット×2、左袖ポケットで、操縦桿やスロットルレバーを操作中でも使用しやすい位置にあります。
これは嬉しい配置ですね。
全体的には丈が短く、軽快なジャケットです。
縫製は、少々雑で野暮ったいですが、強度は抜群ですよ。
4 製造とサイズのデータです!
製造・契約年度 1970年代
製造場所 アメリカ
契約会社 アメリカ
製造会社 〃
材 質 ナイロン
コットン
表記サイズ 40R
(日本人のL)
各部のサイズ(平置)
着丈 約60cm
肩幅 約44cm
身幅 約59cm
袖丈 約63cm
状 態 中古極上品
官民区分 官給品?
入手場所 ヤフオク
入手難易度 2(やや困難)
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5 まとめ
実際にこのジャケットを着用してみると、予想以上に着丈が短いのに少々困惑します。
(でもお腹はしっかりカバーされていますよ。)
実はこのジャケットとペアで使用する股上の長いトラウザースがあるので、完全装備では丈の短さはあまり関係がないようですね。
なかなか個性的なジャケットなので、TV番組でユニフォームとして使用されたのもわかる気がしました。
当然ながら、フライトジャケットなので風を通さずとても暖かいですね。
驚いたのは、その使い勝手です。
バイクで使用してみましたが、胸ポケット位置が適切で、とても使い易かったですよ。
(反面、内ポケットが欲しい気もしました。)
胸ポケットは、MA-1のようにハンドウォーマーとしては使えませんが、WEPの場合内容物を落とすことは、まず無いです。
(でも、やや深いポケットなので、小さいものは少々取りづらいです😅)
注意したいのは火気で、ナイロン製なので焚き火の小さな火の粉でも大穴が開きますよ。
ところで、今回のモデルはDPSC製でしたが、勿論官給品も入手可能です。
ただ酷使されているものが多く、どこか傷んでいる場合が多いですね。
また程度の良いものは年々高額になりつつあります。
しかし、安心してください。
コアなマニアのために、国産でとても精密なモデル品が各社から販売されています。
新品で着用目的なら、モデル品がおすすめです!
(勿論サイズも各種あって、女性でも安心です。いつか流行った「モコモコファッション(?)」が可能ですよ!)
将来の事を考えてらっしゃる方は、ぜひフルパッチ(ワッペン)付きの官給極上品を入手するべきですね。
趣味の良いパイロットのパッチ付きジャケットは、思わぬ高値で取引される場合がありますよ。
J-WFS(WEP)の官給品は減ってきています。お早目に!
今回は、アメリカ海軍の伝統的なナイロンフライトジャケットを分析しました。
いやー軍装品って、本当に素晴らしいですね!
それでは、また次回をお楽しみに!
(20221215更新)
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参考:他のアメリカ海軍フライトジャケットに関する記事はこちらです。⬇︎
アメリカ海軍士官候補生用ジャケットに関する記事はこちらです。⬇︎
www.military-spec-an.com ✳︎ ✳︎ ✳︎
読んでいただき、ありがとうございました。
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