今回は、アメリカ海軍のナイロンフライトジャケットJ-WFS(WEP)を分析します。
以前DPSC(ディフェンス・パーソナル・サポート・センター)製と思われるモデルを分析しましたが、今回は有名メーカー品です。
難燃繊維製ジャケットが現れる直前のモデルですね。
でも疑問点がありました。
今回のアイテムも中古品ながら程度は極上ですよ!
目次
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1 アメリカ海軍フライトジャケットJ-WFS(18342C(WEP)・アルファ社製)とは?
アメリカ海軍が1950年代に開発したナイロン製フライトジャケットJ-WFS。
インターミディエイトゾーン(−10℃〜10℃)の温度帯を受け持つ、空軍MA-1と双璧をなすフライトジャケットでした。
公式的には、合計4種類の型が製造されたとされています。
それぞれ、シェルのカラーや袖ニットの形状などが微妙に違っているのが特徴ですね。
今回のモデルは、そのうち4番目の最終モデル…のはずなのですが、少々合点のいかない所がありました。
それは袖ニットの形状です。
資料では、この時期のJ-WFSの袖ニットは、独特の特殊な形状になっていなければいけません。
でも今回のモデルは、袖がMA-1他多くのフライトジャケットに共通する形状なのでした。
何故でしょう?
とても面白いですね。
さてさて、それはどんなフライトジャケットなのでしょうか?
今回は、アメリカ海軍フライトジャケットマニアのあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 全体及び細部写真です!
前面
やはり丈が短いですね。
背面
前面裏側
背面裏側
前合わせはジッパーのみで、ストームフラップはジッパーの内側にあります。
タグ
1974年度規約品です。
サブタイプは「C」で4番目のモデルですね。
襟周りレイアウト
襟はチンストラップで立てることができます。
右胸ポケット
折り返しがあって、ダットファスナーで開閉
右ポケットは向かって左側にペンポケットがあります。
なんかG-1みたいですね。
左袖ポケット
ダットファスナーで開閉
袖
ややテーパー付き?
袖口はニットですが、一般的なタイプです。
裾はゴムを内蔵
背中にはアクションプリーツ付きです。
前身頃のストームフラップ
縦のステッチ
前面と背面にあるボタンホールは、専用のトラウザース用
ライニングはコットンツイルで、使用に伴い穴が空いてくるのが欠点です。
ジッパー刻印は「COMMAR」
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3 その特徴とは?
シェルはオリーブのナイロン製ですが、後期のタイプなのでやや色調が暗いです。
(初期型は、ライムグリーンと表現するマニアもいるくらい、明るいものだったそうですよ。)
コットンのライニングの中にポリエステル製のインナーライニング(中綿)が装備されています。
コットンのライニングは擦り切れに弱く、使用に伴い次第に穴が空いてくるのが特徴ですね。
(現在残っている官給品の多くは、白いインナーライニングが見えているものが多いです。)
デザインは、エポレットなし、胸ポケット×2、袖ポケットで、襟と袖はニットです。
着丈が短く、裾にはゴムを内蔵しています。
面白いのは、前面、背面裏側にはボタンループがあって、専用のトラウザースを連結させられるようになっているところですね。
(このトラウザースが股上が長くて、お腹をカバーしているために、こんな短い着丈でも大丈夫なんですね。)
問題の袖ニットですが、通常後期型は袖口に大きく逆V字型に切り込みがあって、そこを埋めるようにニットが縫い付けられています。
通常の後期型袖口
しかし今回のモデルは、一般的な形状です。
製造誤差でしょうか?
メーカーによる勝手な(?)モデルチェンジでしょうか?
(一般的な形状の方が、より量産向けですし、修理も比較的簡単そうですよね?)
謎です。
あとタグには「1974年度契約品」となっていますが、多くの資料では1973年まで製造されたとされています。
素人考えでは、契約あっての製造だと思うのですが?
(74年度契約品が、それ以前に製造されるということがあったのでしょうか?)
これも謎です。
全体的な縫製は、アメリカには珍しく丁寧で正確、強度も十分ですよ。
4 製造とサイズのデータです!
製造・契約年度 1974年
製造場所 アメリカ
契約会社 アメリカ
製造会社 〃
材 質 ナイロン
コットン
表記サイズ 40R
(日本人のL)
各部のサイズ(平置)
着丈 約60cm
肩幅 約49cm
身幅 約57cm
袖丈 約60cm
状 態 中古極上品
官民区分 官給品
入手場所 名古屋の専門店
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5 まとめ
今回のモデルは、WEP末期の混乱期に製造されたイレギュラー品なのかもしれませんね。
(もしくは、契約が続くものとしてメーカーが製造していたものの残りとか…。)
やはり謎ですね。
(ご存知の方がいらしたら、ご教示願いたいものです。)
さて、謎が謎を呼び解決できないままではありますが、今回のモデルを一着のフライトジャケットとしてみた場合、かなり使えるジャケットと言えます。
着丈が短く軽快で、全てのポケットが前面に付いていて使い勝手が非常に良いですよ。
また、軽量で暖かいのも助かりますね。
特にバイクにはぴったりのジャケットと言えます。
勿論、迷彩スモックと合わせて冬季のサバイバルゲーム、狩猟、野鳥観測にも使えますし、ファッションでも個性を発揮できそうですよ。
惜しむらくはナイロン製ということです。
キャンプなどの火を使用する場面では、焚き火の小さな火の粉でも大穴が空いたりするので要注意ですね。
(難燃繊維製のWEPが欲しい所です。)
さて2020年現在、程度の良い官給品はかなり減ってきています。
…とはいえ、辛うじて入手は可能ですし、忠実なモデル品も多数販売されているので、いつでも誰でも着て楽しむことができますよ。
あと、マニアのあなたはぜひパッチを沢山縫い付けた当時の官給品入手を試みてください。
将来、きっとあなたを助けてくれますよ!
私は、今回のモデルの謎を調査しつつ、4つの型のデッドストックを探していきたいと思います。
今回は、ちょっと謎なアメリカ海軍のフライトジャケットJ-WFSを分析しました。
いやー軍装品って、本当にs馬らしいですね!
それでは、また次回をお楽しみに!
(20231125更新)
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参考:DPSC製のモデル(?)に関する記事はこちらです。⬇︎
その他のアメリカ海軍装備に関する記事はこちらです。⬇︎
✳︎ ✳︎ ✳︎
読んでいただき、ありがとうございました。
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