今回は、1960年代のアメリカ軍迷彩ジャケットを分析します。
以前分析したアメリカ軍トロピカルコンバットジャケット(ジャングルファーティーグ・3rd・ノンリップ)のグリーンリーフ迷彩版ですね。
でも一般的に知られているノンリップグリーンリーフ迷彩生地ではありませんでした。
使用感のある中古品ですが、程度は極上ですよ!
目次
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1 アメリカ軍トロピカルコンバットジャケット(ノンリップ・ERDLグリーンリーフ・3RD・DPSC)とは?
意外に知られていませんが(マニアには周知の事実なのですが…。)アメリカ軍の改善意識は物凄いものがありますね。
例えば第二次大戦中に開発したM4戦車。
搭載する戦車砲や機銃の種類と数は当然、車体や砲塔のデザイン、エンジンの種類、サスペンションの種類等々で多数の型式が開発されましたね。
(中には航空機用の星形エンジンを搭載したものも!)
勿論、兵器ばかりではなく、個人装備も同様でしたよ。
今回のモデルは、ベトナム戦争とほぼ同時期に開発・支給されたトロピカルコンバットジャケットのOG生地を迷彩生地に変更したものになります。
良いものはどんどん取り入れて、既存のモデルを改善していくアメリカ軍らしい装備ですね。
迷彩は通称「グリーンリーフ」と呼ばれる、熱帯のジャングルで迷彩効果に特化した迷彩なのですが、よく出回っているノンリップ生地のグリーンリーフ生地とは少々違っていました。
さてさて、それはどんな迷彩ジャケットなのでしょうか?
今回は、コアなアメリカ軍装備マニアのあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 全体及び細部写真です!
前面
相変わらず美しい迷彩ですね!
一見多く出回っているグリーンリーフ迷彩なのですが…
背面
前面裏側
背面裏側
襟周りレイアウト
お気付きになられたでしょうか?
そうです。
生地がリップストップ(引き裂き防止処理)ではありませんでした。
襟には少し汚れあり。
前合わせはボタンのみ。
背面ヨーク部の縫製
2本のステッチに注意!
(3rdの特徴の一つでしたね。)
背面裏側上部のタグ
右裾付近のタグ
1960年代の契約品と思われます。
DPSC(Defence Personal Support Center)製ですね。
右胸ポケット
角度付きで2個のボタンで開閉
ポケット中央にプリーツあり。
左胸ポケット
ポケットフラップ上部にスリット。
ポケット内部にはペン用の小ポケットあり。
ポケットの水抜き穴はありませんでした。
腰ポケット
こちらも2個のボタンで開閉
タグには水抜き孔の表記がありましたが、実際にはありませんでした。
袖
脇に余裕があって、僅かにテーパー付き
袖口
マジックテープで開閉
マチ付きです!
ボタン
ODのプラスティック製
肉厚両面使用タイプですね。
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3 その特徴とは?
迷彩は、ライトグリーンの生地に、ブラウン、グリーン、ブラックで雲や葉のようなパターンを描いています。
また各色の境目は、意図的に暈されていて、輪郭が不明瞭ですね。
迷彩色調及びパターン
色調は通常のグリーンリーフでパターンも同じ。
各色の境目を暈しているのも同じですね。
…でも生地は単なるポプリンで、リップストップではありませんでした!
(リップストップ独特の格子模様がありませんね。)
これ珍しいですよね?
通常リップストップのない生地:ノンリップ生地のグリーンリーフは、このように迷彩各色の境目が暈されていません。
デザインは、エポレットなし、胸ポケット×2、腰ポケット×2で、内ポケットはありません。
背面ヨークのステッチ・袖のマチなどから、やはりシリーズ三番目のモデルのようです。
全体的な縫製は、意外に丁寧かつ正確で、良質な仕立てです。
ただし今回のモデルも各ポケットの水抜き孔はありませんでした。
これはOGまたは迷彩でも3rdによくあるミス(?)ですね。
4 製造とサイズのデータです!
製造・契約年度 1960年代
製造場所 アメリカ
契約会社 アメリカ
製造会社 〃
材 質 コットン
表記サイズ S-R
(日本人のL)
各部のサイズ(平置)
肩幅 約43cm
身幅 約56cm
着丈 約82cm
袖丈 約60cm
状 態 中古極上品
官民区分 官給品
入手場所 名古屋の専門店
入手難易度 4(極めて困難)
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5 まとめ
グリーンリーフ迷彩の初期モデルはリップストップのないノンリップ生地でしたが、迷彩パターンは各色の境目が明瞭でした。
初期ノンリップERDLグリーンリーフパターン
(各色の境目がはっきりしています。)
ERDL 1965 3rd pattern US Army large/long
でも今回のモデルはノンリップ生地でありながら、迷彩各色の境目が暈された後期型グリーンリーフとも言える生地でした。
面白いですね。
これもアメリカ軍の改善意識を具現化させたものなのでしょう。
ただ今回のモデルは、DPSC(Defence Personal Support Center)製なので、もしかしたら余り物で製造された少数生産品なのかもしれません。
…とするなら、意外にレアモデルなのかも?
実際にたくさんのSHOPで「グリーンリーフ迷彩」を観てきましたが、今回のモデルは初めてでしたね。
今回のモデルを購入したのは約30年前ですが、以降同じモデルを目にする機会はありませんでした。
グリーンリーフの殆どがリップストップ生地の4thで、たまにハッキリクッキリな迷彩の初期ノンリップを見掛けるくらいでしたね。
…とはいえDPSC製なら、ある程度の量産はされているはずです。
探しているあなたは、今まで以上に注意して全てのグリーンリーフをチェックしてみましょう!
私は同じく、ノンリップ生地の後期グリーンリーフ迷彩で製造されたトラウザーズやジャングルハットを探してみたいと思います!
(必ず存在すると信じています!)
今回は、とても珍しいトロピカルコンバットジャケット3rdの後期グリーンリーフ迷彩生地モデルを分析しました。
いやー軍装品って、本当に面白いですね!
それではまた、次回をお楽しみに!
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参考:他のアメリカ軍グリーンリーフ迷彩装備に関する記事はこちらです。⬇︎
他のアメリカ軍装備に関する記事はこちらです。⬇︎
各国軍の迷彩装備に関する記事はこちらです。⬇︎
ベトナム戦争期における関係国装備に関する記事はこちらです。⬇︎
✳︎ ✳︎ ✳︎
読んでいただき、ありがとうございました。
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