今回は、1960年代のアメリカ軍トロピカルコンバットジャケットを分析します。
以前分析したアメリカの軍トロピカルコンバットジャケット（ジャングルファーティーグ・4th）とよく似たデザインですが、生地が違っていますね。
他にも大きな違いがありました！
それはともかく、まさかのデッドストックですよ！
目次
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１ アメリカ軍トロピカルコンバットジャケット（TCU・ジャングルファーティーグ・3rd・ノンリップ）とは？
最早、ミリタリーブランドのみならず、国内外のファッションブランドでもサンプリングされているトロピカルコンバットユニフォーム（最近ではTCUと略されていますね。）。
夏季用の衣類として、いかに優れたデザインであったかが、今まさに証明されつつあるようです。
そのトロピカルコンバットユニフォームのうち、ジャケットには大きく4つの型に分かれているというのは、有名なお話でしたね。
これまで当ブログでも、1stモデルと4thモデルを分析しました。
順不同になりますが、今回はいよいよ3rd…それも前期型の登場です。
でも、一般的な製品とは大きく違った箇所がありました。
最初は「モデル品かな？」とも思いましたが、どうやら官給品のようです。
さてさて、それはどんなトロピカルコンバットジャケットなのでしょうか？
今回は、アメリカ軍ベトナム戦争装備マニアのあなたと一緒に、確認していきましょう！
２ 全体及び細部写真です！
前面
デッドストックなのですが、すでに違和感がありますね。
背面
前面裏側
ガスフラップはありません。
背面裏側
襟周りレイアウト
うなじにループがあるのが3rd前期型の特徴です。
前合わせはボタンのみ。
なんと、うなじのタグはなくスタンプでした！
これは珍しいですね。
1967年度契約品です。
右裾裏側にあるタグ
背面上部の縫製が通常の4thと違っていますね。
背面がダブルステッチというのも3rdの特徴です。
背面胸部裏側
ポケット内の長方形ステッチに注意。
胸ポケット
ボタンで開閉。
ポケットフラップ裏側の生地は色調が違っていますね。
後のBDUのようにポケットに水抜き穴はありません。
胸ポケットのプリーツ部分も色調の違う生地が使用されていました。
ポケットフラップにはスリットが。
ポケット内にはペンポケットがありました。
（左右にあります。）
腰ポケット
こちらもボタンで開閉
腰ポケットのプリーツ部分は同じ生地色でした。
袖
強いテーパー付き。
袖口はボタンで開閉・調整
ボタン
肉厚ODのプラスティック製。
（艶なし）
生地に格子模様がないことに注意。
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３ その特徴とは？
記事は、「OG-107」の型式番号が与えられているオリーブグリーンのコットンポプリン製で、軽量で肌触りが良く、通気性もあります。
今回のモデルは「リップストップ（引き裂き防止処理）」ではないので、生地に格子模様はありません。
デザインは、エポレットなし、胸ポケット×2、腰ポケット×2で、このモデルからエポレット、ガスフラップが省略されました。
また、背面には4th同様生地（ヨーク）が追加されていますが、上下のステッチがダブルステッチになっています。
3rdモデル前期型の大きな特徴は、
- 4thと似た外観
- うなじのループあり
ですが、今回のモデルはうなじのタグがなく、その代わりにタグと同じ内容のスタンプが押されていました。
（珍品でしょうか？🤔）
全体的な縫製は、少々雑で不正確ですが、強度は十分…というアメリカ軍スタンダードな仕立てです。
４ 製造とサイズのデータです！
製造・契約年度 1967年
製造場所 アメリカ
契約会社 アメリカ
製造会社 〃
材 質 コットン
表記サイズ MR
（日本人のL）
各部のサイズ（平置）
着丈 約80cm
肩幅 約44cm
身幅 約58cm
袖丈 約60cm
状 態 デッドストック
官民区分 官給品
入手場所 名古屋の専門店
入手難易度 3（困難）
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５ まとめ
背面うなじ付近のスタンプには、通常のタグ＋αの内容が記載されていますね。
やはりレアな個体と言えます。
何故なら、今回のモデルと同時期の製品（3rd）でも、普通にタグが使用されているからです。
（おそらくSPECでは、タグの使用が謳われているのでは？）
メーカーや納入年月で違うのか？
それとも緊急の処置だったのか？
謎が謎を呼び、解決できないままではありますが、今後も調査を「ケイゾク」したいと思います。
ところでタグの有無はともかく3rdモデルに関しては、中古品ならまだ大手通販サイトで入手可能です。
これは嬉しいですね。
（できればフルパッチモデルを購入しておきましょう。）
ただしデッドストックは、もう見掛けなくなりました。
それでも海外のオークションでは、まだ時々出品されているようですよ。
未使用品を着用したいあなたは、ぜひ探してみましょう！
日本の夏にもぴったりの、トロピカルコンバットジャケットを、この夏こそ入手してみてください！
今回は、アメリカ軍がベトナム戦争時代に開発したトロピカルコンバットユニットの3rdモデルを分析しました。
いやー軍装品って、本当に素晴らしいですね！
それではまた、次回をお楽しみに！
（20231127更新）
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参考：他のアメリカ軍トロピカル装備に関する記事はこちらです。⬇︎
www.military-spec-an.comwww.military-spec-an.com
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読んでいただき、ありがとうございました。
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