今回は、陸上自衛隊の空挺隊用作業服(戦闘服)を分析します。
以前迷彩服1型バージョンは分析しましたね。
今回は、OD(オリーブドラブ)単色のモデルになります。
共済組合品(PX品)とは言え、現時点ではとても貴重なものですね。
このアイテムもデッドストックですよ!
目次
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1 陸上自衛隊空挺服(OD・共済組合品)とは?
現在、陸上自衛隊の作業服/戦闘服は、すべて迷彩になっていますが、かつてはOD単色のモデルも存在しました。
(これは何も陸上自衛隊だけではなく、各国でも同じような流れでしたね。)
その陸上自衛隊OD単色作業服/戦闘服には、大きく2つの種類がありました。
ひとつは、一般隊員用。
そして、もうひとつは今回の空挺隊員用です。
両者は一見似ていますが、実は大きな違いがありました。
やはり陸上自衛隊の中でも、精鋭を誇る空挺部隊。
何かと一般隊員との差別化を図って、士気を上げる必要があったのでしょう。
さてさて、それはどんな作業服/戦闘服なのでしょうか?
今回は、自衛隊マニアのみならず、空挺装備コレクターのあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 全体及び細部写真です!
上衣
前面
少し前のモデルなので、着丈が長いですね。
背面
前面裏側
背面裏側
背中には上部に、二枚に分かれたライニングあり。
やはり古いデザインですね。
前合わせはジッパーのみです。
タグ
共済組合品(一種のPX品)
エポレットはテーパー付きのクサビ型です。
胸ポケット
ボタンで開閉
左袖ポケット
ペン用で、上にループあり。
袖
補強生地は表側に縫い付けられていますね。
角が丸いデザインも、古いモデルのようです。
袖口はマチ付きで、 ダットファスナーで開閉
襟には一般兵科用のように、ボタンやボタンホールがありません。
サイズスタンプ
ジッパーは官給品の「YKK」製です。
脇の通気孔は省略されています。
古いモデルってそうでしたっけ?
背中のライニング
珍しいデザインですね。
下衣
前面
背面
前面裏側
スラントポケットの内側生地はホワイトです。
背面裏側
前合わせはボタンのみです。
タグ
スラントポケットの生地に縫い付けられています。
サイズスタンプ
右側面レイアウト
膝ポケット
ダットファスナーで開閉
股間には丸い補強生地が縫い付けられています。
ダットファスナー表面
ブラックに近いOD
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3 その特徴とは?
生地はODのコットンとビニロンのツイルです。
今回のモデルは、ややオリーブ色に近いタイプですね。
(退職してくると、緑味が強まるタイプ)
デザインは、上衣がエポレット付き、胸ポケット×2、袖ポケット(ペンポケット)ですが、ペンポケットにはループが、袖口は ダットファスナーになっています。
下衣は、腰スラントポケット、膝ポケット×2で、膝ポケットはダットファスナーで開閉します。
また、サイズが全体的にタイトです。
見た目を重視する空挺らしいですね。
全体的には、縫製も正確で強度もあります。
今回のモデルは、空挺服でも初期に製造されたものらしく、背中のライニングが2枚になっていますよ。
全体的な縫製は、とても丁寧かつ正確で、さすが日本製です!
4 製造とサイズのデータです!
製造・契約年度 1970年代
製造場所 日本
契約会社 日本
製造会社 〃
材 質 コットン
ビニロン
表記サイズ 1
(日本人のL)
各部のサイズ(平置)
上衣
着丈 約83センチ
肩幅 約42センチ
身幅 約52センチ
袖丈 約60センチ
下衣
着丈 約107センチ
ウエスト 約43センチ
股上 約32センチ
股下 約77センチ
裾幅 約22センチ
状 態 デッドストック
官民区分 民生品
入手場所 ヤフオク
入手難易度 4(極めて困難)
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陸上自衛隊 迷彩服 防衛庁共済組合 昭和 サバゲー 空挺用 3号
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5 まとめ
このブログを始めて、一種殺伐とした迷彩服(自分でコレクションしておいてどうかとも思いますが…)を数多く見てきた現在、何故か新鮮な感覚を憶えました。
空挺服、カッコイイですね。
一般用より使い勝手が良くて、下衣などは単体で使用してもお洒落です。
(空挺隊は、こんなにまで優遇されていたのですね。今更ながら羨ましい!)
現役時代にこそっと買って着ておくべきでした。
ところで、陸上自衛隊のODや迷彩服1型、そして航空自衛隊の作業服などは、いずれもシャツタイプで胸ポケットが2個のシンプルなデザインです。
そのため、4ポケットのジャケットを採用していたアメリカ軍などと比べて、時代遅れとか、匍匐(ほふく)時に泥が下衣に入る…など酷評されていました。
確かに、サスペンダー、ピストルベルト、マガジンパウチなど旧来のウェブ装備では、4ポケットのジャケットタイプが便利かもしれません。
しかし、ボディアーマーやベスト型ウェブを装備する現在、むしろ今回のモデルのようなデザインが、より使いやすいのかもしれませんね。
(陸上自衛隊は、迷彩服2型以降も、航空自衛隊では新型デジタル迷彩では2ポケットシャツタイプを継承していますね。流石です。)
さて、今回のモデルは約30年前に絶版(製造中止)となっています。
入手はまず無理でしょう。
ましてや官給品の入手は、もはや夢のまた夢と言えます。
しかしオークションを主体に網を張って、ぜひ入手してもらいたいですね。
何故なら自衛隊初の空挺専用衣類なのですから。
我々は、文化遺産を後世に残すという大切な使命を自覚して、責任を遂行しましょう!
(いやー、でもどこにもないですね!)
私は、官給品の中古品…できればデッドストックを探してみます!
今回は、古の陸上自衛隊空挺作業服/戦闘服を分析しました。
いやー自衛隊装備品って、本当に素晴らしいですね!
それでは、また次回をお楽しみに!
(20220919更新)
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参考:他の陸上自衛隊空挺装備はこちらです。⬇︎
一般用のOD作業服はこちらです。⬇︎
今回のモデルと同じ頃または後の陸上自衛隊装備品はこちらです。⬇︎
✳︎ ✳︎ ✳︎
本日は75回目の終戦記念日ですね。
8月15日は、いつも祖父を思い出します。
我が町(昔は村)で唯一、二度も戦争に参加して、とうとう帰って来なかった祖父。
(病気を装って、兵役を逃れた者もいるというのに!)
勇気を奮い起こし、国のために二度も戦地に行った祖父は凄いと思います。
私は元自衛官ですが、まだまだ祖父の足元にも及ばない状況です。
できれば、いつか祖父に「よく頑張ったな!」と褒めてもらえるよう、残りの人生を歩んでいきたいですね。
読んでいただき、ありがとうございました。
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