今回は、1980年〜1990年代のイギリス軍一般兵科用腕時計を分析します。
とてもシンプルで使える腕時計ですよ。
一部に日本のメーカーが関係していますよ!
今回は、中古品とデッドストックを準備しました!
目次
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1 イギリス陸軍一般兵科用腕時計(G10系4種)とは?
若いあなたはおそらく知らないと思います。
かつて腕時計は、いわゆる機械式(手巻きまたは自動巻)で、とても高価な物でした。
そのため購入したら修理しながら使用するのが普通でしたね。
(一生ものとして大切にされていましたよ。)
しかし1960年代にクォーツ(水晶発振)式腕時計が開発されると、あっという間に普及して、価格も下がりました。
現在では、百円均一店でも入手できるくらいになっていますね。
しかも時計としての精度としては、高級機械式が日差(24時間後の誤差)が1〜2秒(安物は1分以上!)なのに対し、クォーツでは普及品で月差(30日後の誤差)が1〜2秒と、より性能が高いものでした。
普及しない方がおかしいですよね。
各国の軍隊でも、1970年代くらいまでは、機械式(多くは手巻き、一部自動巻)の腕時計を支給していました。
(航空自衛隊でもパイロットには支給していましたね。セイコー5系列とか…。)
でも、クォーツ式時計の急速な普及により、多くの国は腕時計を支給しなくなりましたね。
時代の流れとはいえ、少々寂しいですね。
しかし、アメリカ軍の一部、そしてイギリス軍は、現在でもクォーツ腕時計を支給しているようですよ。
今回のモデルは、そのうちイギリス軍が一般兵科に支給している型式がG10と呼ばれるベーシックなモデルになります。
ミリタリーウォッチ特有の、シンプルかつ視認性抜群のデザインは、ミリタリーシーンのみならず、あらゆる場面で確実に時刻を教えてくれる優れものですよ!
さてさて、それはどんな腕時計なのでしょうか?
今回は、ミリタリーウォッチコレクターのみならず、ファッションリーダーのあなたと一緒に、確認していきましょう!
(おまけもありますよ!)
2 全体及び細部写真です!
⑴ G10 CWC(コンコルド・ウォッチ・カンパニー)社製中古品
前面
風防が局面なので、照明が映り込んでいますね。
(時針、分針はやや黄ばんでいます。)
裏面
NATOバンドの跡がついています。
電池蓋はコインで開けられますよ。
ちゃんとブロードアロー(矢印:イギリス軍官給品の証)もありますね。
右側面
実際に使用されていたの物なので、ケースには傷が多いです。
左側面
⑵ G10 CWC(コンコルド・ウォッチ・カンパニー)社製デッドストック
前面
(リューズを引き出して、時刻を停止させています。)
裏面
右側面
左側面
⑶ G10 セイコー社製パルサー(初期型)中古品
前面
(リューズを引き出して、時刻を停止させています。)
背面
右側面
左側面
⑷ G10 セイコー社製パルサー(後期型)中古品
前面
後期型は、時針、分針とも長さが長くなっていますね。
これで目盛りがより読みやすくなりました。
(リューズを引き出して、時刻を停止させています。)
裏面
裏蓋の形状が初期型と違っていますね。
右側面
左側面
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3 その特徴とは?
ケースはいずれもステンレスで、反射防止処理が施されています。
風防は、プラスティック製とガラス製がありますが、一長一短ですね、
特に傷に関しては、プラスティック製は傷が入りやすいですが、磨いて消すことができます。
ガラス製は傷が入りにくいですが、一旦傷がつくと生半可な方法では傷を消すことはできませんね。
文字盤はブラックで数字や目盛りはホワイトで記入。
時、分針、目盛りもホワイトです。
(軍用の時計には、このスタイルが殆どですね。)
ただし、秒のメモリは、針や点ではなく、スクエアと線で表現しています。
針は、時針、分針、秒針の3針タイプで、いずれも右側にあるリューズで時刻を調整します。
セイコー社パルサーは日付表示が標準装備ですね。
(ですのでリューズは2段階になっていますよ。)
バネ棒の部分は、両モデルとも固定してあって棒を抜き取ることができません。
(いわゆるNATOバンド専用の仕様ですね。)
重くなく、でも軽すぎず、使いやすい時計ですね。
おまけ
アナログ時計(またはデジタル3針以上の時計)を用いた方位を知る方法。
アナログの時計を用いて方位を知ることができます。
方法は、
① 時計をなるべく水平に置く。
② 時計の時針(短針)を太陽の位置(方向)に合わせる。
③ 短針の位置を読み取る(下図では8時の位置:赤矢印)。
④ 時針(短針)と12時(緑矢印)との中間時刻を読み取る(下図では10時の位置)。
⑤ 針の中心から10時方向(青矢印)が南になる。
(午後も同じです。因みに南半球では「北」になりますよ。)
太陽の位置が確認できる晴れまたは薄曇りの昼間のみに有効です。
今回はアナログ時計でしたが、デジタル時計でも長針、短針を表示しているものなら同様に使えます。
ぜひ、あなたもやってみてくださいね。
4 製造と各部のサイズデータです!
⑴ G10(CWC社モデル)
製造・契約年度 1989年
製造場所 イギリス
契約会社 イギリス
製造会社 〃
材 質 ステンレス
ムーブメント イギリス製
各部のサイズ 縦 約42mm
横 約35mm
厚さ 約11mm
文字盤大きさ 約28mm
バンド幅 約19mm
風防の材質 プラスティック
状 態 中古品及び
デッドストック
官民区分 官給品
入手場所 沖縄の専門店
入手難易度 3(困難)
⑵ G10パルサー(セイコー社モデル)
製造・契約年度 1990年代
製造場所 イギリス
契約会社 イギリス
製造会社 〃
材 質 ステンレス
ムーブメント 日本製
各部のサイズ 縦 約42mm
横 約39mm
厚さ 約8mm
文字盤大きさ 約29mm
バンド幅 約20mm
風防の材質 ガラス
状 態 中古品
官民区分 官給品
入手場所 東京の専門店
入手難易度 3(困難)
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5 まとめ
ブラックの文字盤、アラビア数字及び各針がホワイトというデザインは、古今東西のミリタリーウォッチの多くに共通するデザインですね。
シンプルで視認性が良く、使っていて気持ち良いですよ。
(市販の時計で、高級品でも宝石だらけで見づらいモデルがありますよね。)
華美な飾りなどは一切なく、シックな外観は、ミリタリーのみならずあらゆるシーンで使用できそうですよ。
(冠婚葬祭、レジャー、ファッション、勤務中等々)
クォーツ式時計は機械式に比べ、精度が良いというのは上述しましたが、特にセイコー社製は他社の製品より優れているようです。
当然ですが、これらのミリタリーウォッチは、一般の時計専門店では、まず販売されていません。
探しているあなたは、実店舗やネットのミリタリー専門店か、ネットのオークション、フリマで探してみましょう。
購入する場合は、例えデッドストックでも、必ず月差を確認しましょう。
(確認できないのなら、購入は諦めて、次を探しましょう。)
中古品は、ケースや風防に打痕や酷い傷がないかなどの確認は当然ながら、実際に動いているのかどうかを確認しましょう。
なお今回のモデルもそうですが、クォーツ時計といえども、何年も使用していると精度が悪化してくる場合があります。
そんな場合はオーバーホールしてあげてくださいね。
今回は、イギリス陸軍の標準的な腕時計を分析しました。
いやー軍装品って、本当に素晴らしいですね!
それでは、また次回をお楽しみに!
(20231007更新)
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参考:今回のモデルと同じ頃のイギリス陸軍装備に関する記事はこちらです。⬇︎
その他のミリタリーウォッチ&クロックはこちらです。⬇︎
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読んでいただき、ありがとうございました。
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