今回は、2000年代のイギリス陸軍空挺迷彩スモックを分析します。
迷彩はDPMの後継モデルであるMTP!
でもデザインは伝統的な空挺スモックそのものでした。
中古品で残念ポイントもありますが、程度は良好ですよ!
目次
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1 イギリス陸軍空挺迷彩スモック(MTP)とは?
1940年代に開発されたデニソンスモックを祖とするイギリス陸軍空挺部隊の迷彩スモック。
2010年代(諸説あり)には、迷彩生地がとうとうMTP(マルチテラインパターン)に変更されましたね。
これにより、それまでの空挺スモックと使い勝手は変わらず、しかも最新の効果的な迷彩を入手して、大幅なアップデートに成功しました!
…と説明したいところですが、DPMマニアとしては少々納得がいきませんね。
やはり砂漠以外で最も効果がある迷彩は、現在でもDPMだと思うのですが?
それはともかく、今回の空挺スモックもイギリス軍採用の製品だけあって、とても品質が高いですね。
でも少々疑問点もありましたよ!
さてさて、それはどんな空挺迷彩スモックなのでしょうか?
今回は、イギリス軍装備マニアのみならず、野外で効果のある(…とされる)迷彩服をお探しのあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 迷彩スモックの全体及び細部写真
前面
DPMモデルより前見頃のジッパーが目立ちますね。
背面
前面裏側
内ポケットも健在です。
背面裏側
襟周りレイアウト
襟はジッパーで立てることができます。
襟の裏には専用のフードを取り付けるためのボタンがあります。
タグの痕
最初からありませんでした。😞
エポレット
僅かにテーパーの付いたラウンドタイプです。
胸ポケット
角度が付いていますね。
ダットファスナーで開閉
やはりポケット口には折り返しが。
腰ポケット
胸ポケットとは逆に角度が付いています。
その他は胸ポケットと同じですね。
袖
強いテーパーが付いています。
袖ニット
ODで筒縫いではなく長方形のニットを縫い合わせています。
材質は、もしかしたらポリエステルかも?
(もしそうなら、調達し易くなりました。)
左袖ポケット
こちらはボタンで開閉
2つのコンパートメント
右袖ポケット
何故か背面(後ろ)側にあります。
こちらはダットファスナーで開閉。
内ポケット
左右にあります。
テイルピース用 ダットファスナー
伝統の6個ですね。
背面のテイルピース固定用のダットファスナー
その左右には大型のポケットあり。
ウエストのドローコード
イギリス軍独特の方式ですね。
裾にもドローコードが。
肩の内側には補強生地が。
これも伝統ですね。
ボタンはODのプラスティック製なのですが、日射でダークグリーンに褪色(左側)するようです。
でも、このボタンはイギリス軍官給品では見掛けないタイプですね?
テイルピース
普段は背面の ダットファスナーで固定されていますが、空挺降下時には股間に通して前面裏側に留めます。
これで裾が捲れ上がるのを防ぎます。
ジッパーは無刻印でした。
…ということは?
迷彩パターン
背面を撮影しましたが、迷彩の繰り返しが長く全体を撮影できませんでした。
優れた迷彩ですね。
着用例1
着用例2
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3 その特徴とは?
迷彩は、ベージュ(または生成り?)の生地に、ライトカーキ、ライトブラウン、グリーン、ブラウン、マホガニーブラウンで雲型を描きつつ、 所々にグリーンとブラウンでグラデーションをつけてあります。
とても微妙で繊細な迷彩ですね。
一見、アメリカ軍が採用してるマルチカムに似ていますが、別物です。
(どちらかというと、DPMから進化(?)した印象があります。)
DPMと MTPの迷彩比較
今回のモデル
DPMモデル(MTPに変更される直前のモデル。)
生地はコットンとポリエステルの混紡で、サテンに似たもので、防風性能が高いです。
(肌触りも良いですね。)
デザインは、伝統的な空挺スモックを踏襲していますよ。
構成は、エポレット付き、胸ポケット×2、腰ポケット×2、袖ポケット×2、内ポケット×2、背面裏側裾の大型ポケット×2で、袖にはニットを配置。
勿論テイルピース(ビーバーテイル)も健在です。
全体的な縫製は、丁寧かつ正確で、いつものイギリス軍スタンダードな仕立てです。
ただし、ボタンとジッパーには少々疑問点があって、多兵科のMTPスモックとは違ったものが使用されています。
(もしかしたら、PX品でしょうか?)
タグが剥がされていたので詳細は不明ですが、要注意点ですね。
4 製造とサイズのデータです!
製造・契約年度 2010年代
製造場所 イギリス
契約会社 イギリス
製造会社 〃
材 質 コットン
ポリエステル
表記サイズ 不明
推定:170/96
(日本人のL〜XL)
各部のサイズ(平置)
着丈 約80cm
肩幅 約51cm
身幅 約63cm
袖丈 約62cm
状 態 中古良品
官民区分 官給品?
入手場所 大阪の専門店
入手難易度 3(困難)
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5 まとめ
MTPは世界中のあらゆる所で効果を発揮するよう計算された迷彩ですが、中緯度の温帯地域(例えば日本)では、圧倒的にDPMの方が効果がありそうな気がしますね。
中国共産党の人民解放軍もMTPをコピーして使用していますが、あくまで限定的な使用にとどめているようです。
一方、今回のモデルの迷彩に似ているアメリカ軍のマルチカムは、熱帯用にグリーンの多いタイプが出現していますね。
(トロピカルマルチカム?軍採用は不明ですが…。)
とするなら、そのまま以前のDPMでも良かったような気がしますが?
ぜひイギリス軍には再考して欲しいものです。
それはともかく、イギリス軍の空挺スモックは、その絶対数が少ないことから、なかなか市場に放出されませんね。
そのためDPMモデルとはいえ慢性的な品薄状態が続いています。
ましてや最新のMTPモデルは、 殆ど見かけることはありません。
今回のモデルも、偶然発見(遭遇?)して奇跡的に入手できました。
今後も入手難な状態が続くかもしれませんね。
とはいえ、伝統的なイギリス陸軍空挺部隊の伝統ある迷彩スモックなので、イギリス軍マニアでなくてもコレクションに加えたいところですね。
やはり大阪の「C店」をはじめとする有名ミリタリーショップやオークションなどで入手できる可能性があります。
諦めず探してみましょう。
私も何着かサンプルを入手して、疑問点を調査してみたいと思います。
今回は、最新のイギリス軍空挺迷彩スモックを分析しました。
いやー軍装品って、本当に素晴らしいですね!
それでは、また次回をお楽しみに!
(20240729更新)
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参考:デニソンスモックから続くイギリス陸軍空挺迷彩スモック関連の記事はこちらです。⬇︎
他のイギリス軍装備に関する記事はこちらです。⬇︎
各国軍の迷彩服に関する記事はこちらです。⬇︎
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読んでいただき、ありがとうございました。
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