今回は、1970年代と思われるイギリス陸軍空挺迷彩スモックを分析します。
イギリス軍マニアには大人気の迷彩スモックですね。
でも絶対数が少ないので、なかなか入手困難な一品です。
(今回はちょっと前のモデルになりますよ!)
中古品ですが程度は良好です!
目次
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1 イギリス陸軍空挺迷彩スモック(DPM・1970年代)とは?
意外ですが、世界でも一早く空挺部隊の必要性と重要性に気付き、大々的に部隊を編成したのは旧ソ連軍でした。
(1931年)
以降、各国とも空挺部隊の研究を重ね、第二次大戦では多くの国が空挺作戦を立案、部隊を投入しました。
しかし輸送機の不備や部隊運用の失敗などで、犠牲も多かったようですね。
イギリス軍も大戦末期のマーケットガーデン作戦で大きな被害を受けたのは「遠すぎた橋」として映画化され有名ですよね。
そんなイギリス軍ですが、大戦中には画期的な空挺服「デニソンスモック」を開発して運用したことは当ブログでも再三取り上げてきました。
今回のモデルは、そのデニソンスモックの子孫ともいうべきスモックになります。
使用されているマテリアルに変化はあるものの、その伝統は現在までもしっかり受け継がれているようですよ。
さてさて、どんなスモックなのでしょうか?
今回はイギリス軍マニアのみならず、迷彩服コレクション初心者のあなたと一緒に、確認していきましょう!
(アメリカ軍M65フィールドジャケットファンもその違いを確認してくださいね。)
2 全体及び細部写真です!
前面
デニソンスモック譲りのAラインですね。
背面
迷彩はP68スモックと同様のブラウンが明るく、ブラックの面積が少ないタイプです。
全体的に明るい印象ですね。
前面裏側
胸の内ポケット(左右)とウエストのドローコードに注意
背面裏側
ライニングは一部しかありません。
前合わせはジッパーのみです。
タグ
表記方法はP85スモックの形式に似ていますね。
エポレット
テーパー付きのラウンドタイプです。
胸ポケット
角度が付いていてダットファスナーで開閉
腰ポケット
胸ポケットとは逆方向に角度が付いています。
こちらもダットファスナーで開閉
袖口にはニットを装着
左袖ポケット
こちらはボタンで開閉
一般のスモックと同様、2つのコンパートメントに分かれています。
テイルピース用 ダットファスナー
ダットファスナーはデニソンスモックと同じメーカー
胸の内ポケットは縦に長いタイプ
形状はデニソンスモックと同じです。
生地はコットンポプリン。
ウエストのドローコードは左右で結んで調整するタイプです。
袖は肩の部分のみライニングがあります。
これもデニソンスモックと同じデザインですね。
袖はライニングがないので縫い目は剥き出しですね。
迷彩は、ホワイトの生地に全色がプリントされているのが判ります。
背面裾裏側には大型のポケットが左右にあります。
(頭部から見た写真)
ポケットのボタンには黒いガムテープでカバーが。
これは糸のすり減り防止とボタンの反射防止を兼ねたもの。
他のボタンにも貼ってあった痕跡がありました。
イギリスの国籍マーク
あとから手縫いされています。
憲兵隊パッチ(ワッペン)
空挺にも憲兵?
ダットファスナー表側
黒染めが落ちて下地が出てきていますね。
テイルピースも健在
ダットファスナーのタイプ
テイルピースの使い方
日本の褌のように股間を通して使用します。
裾のバタつきを防止します。
迷彩パターン
おまけ
後のモデルの空挺スモック(背面)
迷彩の色調が大きく変更されていますね。
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3 その特徴とは?
迷彩は、ホワイトの生地に、タン、グリーン、ブラウン、ブラックを刷毛で丸く塗ったようなパターンをプリントしています。
このDPMは、1960年代から1970年代に多く見られたもので、後のDPMに比べて、ブラックの面積が少なく、他の色調がやや明るいのが特徴ですね。
生地は一般的なスモックと同じ生地で、サテンにも似た独特の生地です。
(デニソンスモックのようなデニムではありません。)
デザインは、古のデニソンスモックを完璧に踏襲していますね。
構成は、エポレット付き、胸ポケット×2、腰ポケット×2ですが、新たに袖ポケットとウエストのドローコードが追加されていますよ。
勿論テイルピースもしっかり採用されています。
一方、裾左右のサイズ調整タブは省略されていますね。
全体的な放映は、正確かつ丁寧で上質な仕立てと言えます。
表記サイズよりやや大きい造りになっているので、購入時には要注意ですね。
4 製造とサイズのデータです!
製造・契約年度 1970年代
製造場所 イギリス
契約会社 イギリス
製造会社 〃
材 質 コットン
表記サイズ 160/96
(日本人のL)
各部のサイズ(平置)
着丈 約73cm
肩幅 約53cm
身幅 約60cm
袖丈 約52cm
状 態 中古上品
官民区分 官給品
入手場所 ヤフオク
入手難易度 4(極めて困難)
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5 まとめ
結局この空挺スモックは、迷彩がMTPに替わった現在でも製造されているようです。
若干の変更点はあるものの、見方を変えればデニソンスモックが70年以上も使用されていることになるのですね。
さすがイギリスと言わざるを得ません。
古いデザインですが、普段使いには何の問題もありません。
迷彩も効果的なことから、サバイバルゲーム 、狩猟、野鳥観測には問題なく使用できそうですよ。
(ライニングがないので、季節を問わずフレキシブルに使えるのが魅力ですね。)
また、1960年代以降のイギリス軍を再現する上では、必要不可欠なスモックでもありますね。
残念ながら数は少なく、このスモックもなかなか出会えません。
でも新しい時代のものは比較的出回っていますね。
海外のオークションでは、多数出品されているので、費用や予算を考えながら入手するのも重色いかもしれません。
(送料がネックですが…😅)
各時代で製造されているので、全く入手でいない訳ではありません。
購入したい方は、根気よく探してみましょう。
購入する際には、程度や状態に注意するほか、サイズにも注意しましょう。
普段のサイズで購入すると、とても大きいものになってしまいます。
(必ず試着しましょう。)
今回は、イギリス軍の古くて新しい空挺DPMスモックを分析しました。
いやー軍装品って、本当に素晴らしいですね!
それでは、また次回をお楽しみに!
(20240223更新)
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参考:イギリス軍空挺デニソンスモックに関する記事はこちらです。⬇︎
他のイギリス軍の空挺DPMスモック(モデル品を含む)に関する記事はこちらです。⬇︎
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読んでいただき、ありがとうございました。
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