今回は、1970年代のアメリカ軍使い捨て腕時計を分析します。
残念ながらベトナム戦争ロットではありませんが、デザインはそのままですね。
現代のような安価で高性能なクォーツ時計がなかった時代の腕時計です。
今回のアイテムも中古極上品ですよ。
目次
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1 アメリカ陸軍使い捨て腕時計(ハミルトン社製)とは?
1800年代末に腕時計が開発されて戦場で使用されるようになると、軍における腕時計の重要性は次第に増していきました。
時間を共有できる…ということは、作戦上思わぬ効果を発揮することがわかってきたからです。
しかし同時に各国の軍隊は、腕時計の支給に頭を悩ませます。
少なくともベトナム戦争くらいまで腕時計は高級品で、おいそれと購入できる代物ではありませんでした。
また運良く購入できたとしても一生もので、修理しながら親から子へ受け継がれる…そんな存在でしたね。
当時の軍事を最優先にしていた国家でさえ、そんな高級な機材を兵士全員に支給する予算はありませんでした。
また時計が故障した場合の修理(当時の時計の耐久性は低いものでした。)にも、膨大な費用と時間がかかりましたね。
そのため兵士個人への支給には、どの国も二の足を踏んでいたのです。
ところがベトナム戦争中のアメリカ軍は、この問題を斬新な方法で解決しました。
それは、時間がわかる程度の必要最小限の時計を兵士に支給するとともに、故障した場合の修理をいっさい行わないようにしたのです。
(つまり使い捨てですね。持てる国…そして柔軟な発想のできるアメリカらしいです。)
今回のモデルは、そんな壊れたら捨てられる運命にあった、使い捨て時計の一種になります。
現存する有名な時計メーカー製ですよ!
さてさて、それはどんな腕時計なのでしょうか?
今回は、ミリタリーウォッチコレクターのみならず、携帯電話があったら時計はいらないと思っている若いミリタリーマニアのあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 全体及び細部写真です!
前面
経年変化で、蛍光塗料が黄ばんでいますね。
裏面
右側面
左側面
裏蓋の刻印
1976年度契約品です。
バネ棒ではなくて、ただのシャフトです。
(勿論嵌め殺しですよ。)
専用バンド
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3 その特徴とは?
ケースはステンレス製で、サンドブラストによる艶消し加工済です。
モデルによってはODのチープなプラスティック製もありました。
(でもステンレス製の方が、高級感があって良いですね。)
風防ガラスはプラスティック製で、傷つきやすい(まるで私のようです😃)ですが、研磨剤で磨けるという利点があります。
文字盤は、多くのミリタリーウォッチやクロックのようにブラックで目盛や数字がホワイトや蛍光塗料で記入されています。
時針、分針、秒針は、同軸の3針式で、日付や曜日の表示はありません。
文字盤内の時針に隠れてよく見えませんが、「H3」というのは、蛍光塗料に用いられているトリチウムの原子記号です。
バネ棒はなくて、ただのシャフトなので取り外しはできません。
専用のバンドは、ODのナイロン生地でバックルがブラックの金属製バックル付きです。
因みに、アメリカ軍の規格(MIL–SPEC)では、日差(24時間後の誤差)が1分以内なら合格品でした。
おおらかな時代でした。
4 製造とサイズのデータです!
製造・契約年度 1976年
製造場所 アメリカ
契約会社 アメリカ
製造会社 〃
各部のサイズ 縦 約39mm
横 約35mm
厚さ 約11mm
バンド幅 約16mm
作 動 手巻き
状 態 中古極上品
官民区分 官給品
入手場所 浜松の専門店
入手難易度 3(困難)
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5 まとめ
やはりこのモデルも、いわゆるボーイズサイズと呼ばれる文字盤が小さく薄いタイプの時計ですね。
日本人ならともかく、欧米人には小さすぎるように思うのですが、ベトナム戦争当時は頑なにこのサイズでした。
逆に、現代のゴツくて分厚い時計に慣れたあなたには、時計をつけているのかいないのかわからない…少々物足りないくらいかもしれませんね。
でも軽さは、ある意味正義かもしれませんね。
(年齢を重ねるとわかりますが、重い時計は意外に疲れますよ!)
勿論手巻きですので、精度はクォーツ時計には敵いませんが、毎日同じ時刻を修正するというのは、何か儀式のようで趣があります。
(これはこれで楽しいですね。)
今回のモデルは、ロレックスやオメガのような高級腕時計ではないですが、シンプルでなかなか素敵な時計ですね。
何より誰も使用していない…もしくは使用している人が極端に少ないのは、個性を発揮できて良いでよ。
問題は、2021年現在数が減って高価になっていることです。
使い捨ての、言わばチープな時計がとんでもない値段で取引されていのは驚きですね。
しかし、ベトナム戦争時代の契約品以外(戦後とか)では、価格が半値になっていたりします。
こだわりがなければ、戦後や最近のモデルを購入するのが良いかもしれませんね。
EMP爆弾(電磁パルス爆弾)の攻撃でも普通に動いている手巻き時計をあなたも入手してみませんか?
今回は、アメリカ軍の古い使い捨てリストウォッチを分析しました。
いやー軍装品って、本当に素晴らしいですね!
それでは、また次回をお楽しみに!
(20231207更新)
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参考:他のミリタリーウォッチ&クロックに関する記事はこちらです。⬇︎
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読んでいただき、ありがとうございました。
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