今回は、1970年代のアメリカ軍迷彩ジャケットを分析します。
以前分析した海軍グリーンリーフ迷彩ジャケットと同じ時期の製品ですが、同様に古いモデルの迷彩生地が使用されています。
これは珍品かもしれませんね。
まさかのデッドストックです!
目次
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1 アメリカ軍迷彩ジャケット(LCリーフ・ブラウンリーフ生地・DPSC製)とは?
ベトナム戦争中にアメリカ軍は、ERDL迷彩(通称リーフパターン)生地を用いた2種類の迷彩ユニフォームを開発しました。
いわゆる「トロピカルコンバットユニフォーム」ですね。
その迷彩色調から、大きく「グリーンリーフ」と「ブラウンリーフ」と呼ばれるこの迷彩ユニフォームは、その高い迷彩効果が特徴でした。
そしてベトナム戦争後、迷彩色調と迷彩パターンそしてポケットのデザインを変更した通称「LCデザイン」の熱帯用ユニフォームが採用されました。
ところが、正確な理由は不明ですがベトナム戦争時代のERDL迷彩生地を用いたLCデザインの戦闘服も同時に支給されていました。
今回のモデルはその中でも、少数派と言われる「ブラウンリーフ」パターンの記事で製造されたモデルになります。
製造は「DPSC:Defence Personal Support Center」製ですね。
さてさて、それはどんな迷彩ジャケットなのでしょうか?
今回は、アメリカ軍装備マニアのみならず、日本の夏でも効果を発揮できる迷彩服をお探しのあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 全体及び細部写真です!
前面
後のLCリーフ系とは少々違った迷彩生地ですね。
背面
前面裏側
背面裏側
襟周りレイアウト
前合わせはボタンのみ。
背面裏側上部のタグ
右前見頃裏側のタグ
DPSC製の1978年度契約品です。
右胸ポケット
2個のボタンで開閉
ポケット本体中央にはプリーツ
腰ポケット
こちらもボタンで開閉
左胸ポケット
ポケットフラップ上部にペン用スリットあり。
ポケット内部にはペン用のポケットあり。
今回のモデルは、左胸ポケットのボタン取り付けをミスしていました。
(このままボタンを閉めればポケットがねじれてしまいます。)
袖
立体裁断ですね。
袖口はボタンで開閉・調整
背面上部にはヨークあり。
生地はライトカーキのリップストップ。
ボタン
ODのプラスティック製で肉厚両面使用タイプ。
迷彩
よく見ると各色の境は僅かに暈されていますね。
ベトナム戦争当時に採用されたブラウンリーフ生地(余剰品でしょうか?)が用いられています。
裏側各所には、カッタータグの一部が残されていました。
おまけ
同じDPSC製のブラウンリーフ生地ですが、迷彩の色調が違っているモデル
(デッドストック)
前面
背面
迷彩生地の色調比較
左:おまけのモデル(LCリーフに近い)
右:今回のモデル
僅かながら迷彩色調が違っていますね。
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3 その特徴とは?
迷彩は、ライトカーキの生地にタン、ダークブラウン、ダークグリーン、ブラックを用いて、大小様々な雲型や葉のようなパターンをプリントしてあります。
特に各色の境を意図的に暈しているのが特徴です。
生地はコットンポプリンのリップストップ(引き裂け防止処理)で、通気性が良く軽くて丈夫です。
デザインは、エポレットなし、胸ポケット×2、腰ポケット×2で、内ポケットはありません。
ポケットは長方形で、ベトナム戦争当時に採用されたトロピカルコンバットユニフォームとは違ったデザインなのがLC系の特徴ですね。
左胸ポケット内にはペン用の小さなポケットと、ポケットフラップにはペンが差せるようにスリットがあります。
全体的な縫製は、少々雑ですが強度は抜群のアメリカ軍スタンダード仕立てですね。
4 製造とサイズのデータです!
製造・契約年度 1978年代
製造場所 アメリカ
契約会社 アメリカ
製造会社 〃
材 質 コットン
表記サイズ S-R
(日本人のL)
各部のサイズ(平置)
肩幅 約44cm
着丈 約78cm
身幅 約55cm
袖丈 約60cm
おまけのモデル
肩幅 約44cm
着丈 約77cm
身幅 約58cm
袖丈 約60cm
状 態 デッドストック
官民区分 民生品
入手場所 東京の専門店
入手難易度 2(やや困難)
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5 まとめ
古いモデルの迷彩生地が余剰になったので、新しいモデルに使用する…というのは、一種の廃物利用でアメリカ軍では多いですね。
同じようなLCモデルの中には、ブラウンリーフとグリーンリーフの迷彩生地が一着に混在する「ハイブリットモデル」も存在していますよ。
そこには「迷彩色調が少し変わっていても無問題!」というアメリカ軍の大らかな面が感じられます。
やはり戦争に勝てる国は余裕がありますね。
それはともかく、ブラウンリーフ生地で全部製造された今回のモデルは、稀少品なのかもしれません。
何故なら前のモデルであるトロピカルコンバットユニフォームにおいては、圧倒的にグリーンリーフ生地のモデルが多く、ブラウンリーフ生地は少数派だからです。
またグリーンリーフ生地は民間にも多く払い下げられて、各種ワークウェアとして使用されていますが、ブラウンリーフには現在のところ確認できていませんね。
…とはいえ今回のモデルは、全く入手できないわけでもなさそうです。
現在でも中古品なら大手通販サイトで入手できますよ。
沖縄のミリタリーSHOPなら、探せば安価な中古品が見つかるかもしれませんね。
識別点は
- 全体的に茶色味が強い
- 迷彩パターンが細い
- 各色の境が意図的に暈されている
- ポケットが長方形で中央にプリーツ
という点に着物して探しましょう!
私は同じブラウンリーフ生地のトラウザーズ(デッドストック)を探してみたいと思います。
今回は珍しいブラウンリーフ迷彩生地製のLCデザインのジャケット(デッドストックを分析しました。
いやー軍装品って、本当に素晴らしいですね!
それではまた、次回をお楽しみに!
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参考:今回のモデルと同じ迷彩生地が使用されたトロピカルコンバットユニフォームに関する記事はこちらです。⬇︎
他のアメリカ軍リーフパターン迷彩生地を使用した衣類に関する記事はこちらです。⬇︎
他のアメリカ軍装備に関する記事はこちらです。⬇︎
各国軍の迷彩装備に関する記事はこちらです。⬇︎
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読んでいただき、ありがとうございました。
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