今回は、1950年代のアメリカ陸軍フィールドジャケットを分析します。
有名なM43フィールドジャケットの後継モデルですね。
でも直後にさらに優秀なジャケットが製造されたので短命に終わりました。
残念ポイントもありますが、それ以外は極上品です!
目次
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1 アメリカ陸軍M50フィールドジャケットとは?
第二次大戦で、傑作戦闘服M43フィールドジャケットを開発、支給したアメリカ軍でしたが、大戦終了後すぐさまジャケットの改善に乗り出します。
改善意識が凄いですね。
アメリカ本土での大規模な戦闘はなかったとはいえ、並々ならぬ改善意欲です。
(羨ましいです。)
傑作M43ジャケットに関し、前線の兵士から届けられた意見を元に、改良を始めます。
その内容は
- シェルの材質及びカラーの変更
- サイズの変更
- 専用ライナーの開発とジャケットにライナーを取り付けるための工夫
でした。
M43ジャケットは、当時の贅沢な素材を用いて作られましたが、生地が高級で厚いものであったため、水分を含むと重くなるという欠点がありました。
(コストも掛かったようです。)
また、専用の分厚いライナージャケットを着用し、その上にジャケットを着用したときに適正なサイズになるよう設計されていました。
そのためジャケット単体で使用する場合は、着用感がぶかぶかで、使い辛く見た目も野暮ったいものでしたね。
加えて、ライナーとジャケットを別々に着用するという時間が掛かるシステムであったため、迅速な着脱ができなかったのも大きいですね。
それを改善したのが、今回のM50フィールドジャケットです。
さてさて、前作M43フィールドジャケットからどう変わったのでしょうか?
今回は、アメリカ軍フィールドジャケットコレクターのあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 全体及び細部写真です!
前面
背面
前面裏側
ライナー用のボタンが前身頃と袖口にありますね。
背面裏側
前合わせはM43同様ボタンのみです。
裏側に見えてるボタンは全部ライナー用です。
サイズタグ
表記がインチからSML表記に代わり、適正身長と胸囲が付加されました。
データタグ
袖の裏側
ライナーを取り付けるボタンが装備されています。
ドローコードもM43と同様です。
ドローコードのホールはM43同様ボタンホールタイプ
内側に革製の補強板有り。
胸ポケット
ボタンで開閉
腰ポケット
ボタンで開閉
ジャケットボタンホールには、M43と同様にカーキの生地で補強されています。
襟は、チンストラップで立てることができます。
エポレット
テーパーなしのクサビ型
ボタンで開閉
袖口
ボタンで開閉、二段階に調整
マチ付きです。
チンストラップは、専用のボタンで固定できます。
腰ポケットの中は分厚い白い布です。
これもM43フィールドジャケットと同様ですね。
ジャケット自体は、殆ど使用されてない極上品だったのですが、左裾にはネズミさんの齧り跡が!😭
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3 その特徴とは?
シェルは材質が厚いコットンサテンから、やや薄い生地に変更されました。
これにより、防風性能は若干低下しましたが、大幅な軽量化が可能になりましたよ。
また、同時にシェルのカラーも、若干暗くなりましたね。
(これ以降、アメリカ軍の単色戦闘服は、次第にグリーンが強くなっていきます。)
また、専用のライナーを取り付けるためのボタンが、ジャケットの内側に装備されています。
その他では、タグの表記がが大幅に変更されていますよ。
これは私見ですが、M43から比べると、サイズもやや小さくなっている気がします。
しかし、全般的にはM43のデザインを受け継いでいますね。
でもこれが、後にさらなる改良の原因となるのでした。
4 製造とサイズのデータです!
製造・契約年度 1950年代
製造場所 アメリカ
契約会社 アメリカ
製造会社 〃
材 質 コットン
表記サイズ S–R
各部のサイズ(平置)
着丈 約76cm
肩幅 約48cm
身幅 約57cm
袖丈 約64cm
状 態 中古極上品
(難有り)
官民区分 官給品
入手方法 ヤフオク
入手難易度 3(困難)
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VINTAGE / ヴィンテージ古着 | 1950s | 50s U.S.ARMY アメリカ軍 M-50 パイル ライナー ジャケット | S | ベージュ / カーキ | メンズ
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5 まとめ
新たな改善によって、M43からさらに進化したM50フィールドジャケットですが、過酷な運命がM50フィールドジャケットとアメリカ軍を襲いました。
1950年に始まった朝鮮戦争です。
極寒の朝鮮半島における戦闘は、M50ジャケットの欠点を際立たせ、次期モデルであるM51フィールドジャケットをはじめとする一連のM51装備の開発を促すきっかけとなったのでした。
つまり、M50ジャケットは、M51ジャケット配備までのつなぎのようなモデルになってしまったのです。
この短い期間に、いったい何着のM50ジャケットが製造されたのか?
諸説あり詳細は不明ですが、現在は殆ど残っていないようです。
ましてや、程度の良いものは本当に少ないので、見つけたら万難を排して保護してあげましょう!
オークションでは時々、奇跡的に程度の良い個体が数点出品される場合があります。
注目しておきましょう。
また、入札する場合は、資金と商品の程度をよく見て、しっかり考えて入札しましょう。
因みに、自衛隊の前身である警察予備隊、保安隊そして初期の自衛隊で採用していたM43型の作業服は、このM50ジャケットが原型という説もあります。
なるほど、採用時期、生地やカラーが似ている気がします。
(ライナーは付きませんが)
今回は、アメリカ軍の貴重なM50フィールドジャケットを紹介しました。
いやー軍装品って、本当に素晴らしいですね!
それでは、また次回をお楽しみに!
(20240324更新)
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参考:アメリカ軍各種フィールドジャケットに関する記事はこちらです。⬇︎
他のアメリカ軍装備に関する記事はちらです。⬇︎
各国軍の単色衣類に関する記事はこちらです。⬇︎
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読んでいただき、ありがとうございました。
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