今回は、1990年代のオランダ陸軍迷彩ジャケットを分析します。
「これ、イギリス軍の迷彩服じゃないの?」と思った貴方は、やはりマニアさんですね。
確かに迷彩はそっくりです。
まさかのデッドストックですよ!
目次
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1 オランダ陸軍迷彩ジャケット(DPM)とは?
古今東西の軍隊が使用する兵器や装備は、他国のものにとても似ている場合があります。
モノによっては、そっくりそのままコピーして、知らん顔して採用している場合がありますね。
例えば、第二次大戦中にイギリス陸軍空挺隊が装備した、重力で刃が出る特殊なナイフ。
じつはドイツ空軍降下猟兵が装備した「G(グラビティ)ナイフ」のフルコピーでした。
使い勝手が良いものを採用するのは、世の軍隊の常ですね。
でも上記のナイフは、イギリスがドイツのメーカーの許可を得て製造していたとは到底思えないですね。
こんなふうに、無許可の「モノマネ」や「パクリ」が横行しているのが普通です。
衣料品も同様です。
今回のモデルも、迷彩は超有名なパターンですが、パターン開発国の許可を得て製造したのかどうか不明なものです。
勿論、両国ともヨーロッパを代表する有名な国ですので、何らかの話し合いを経てのことだと考えられますが…。
さてさて、それはどんな迷彩ジャケットなのでしょうか?
今回は、オランダ軍装備マニアのみならず、日本でも効果の高い迷彩服をお探しのあなたと一緒に、確認していきましょう。
2 全体及び細部写真です!
前面
背面
迷彩パターンは、イギリス軍が使用していたDPMと同じです。
前面裏側
背面裏側
迷彩の透けは殆どありません。
前合わせは、ジッパーと ダットファスナーです。
タグ
文字は刺繍です。
KLはオランダを指すイニシャルですが、製造会社はSEYNTEX(ベルギーの会社)になっていますね。
その下にはNATOサイズが刺繍されています。
内容は、適正身長/適正胸囲になります。(160–180/95-100)
襟は自立しません。
各マジックテープやパッチ(ワッペン)の配置に注意
エポレットは長方形。
何故か、一本ループを通して、マジックテープで留められます。
右胸ポケット
ジッパーで開閉
ジッパースライダー
何処かで見た刻印ですね。
左胸ポケット
左右ともジッパーには角度が付いていますね。
ポケット上に生地の縫い目が。
独特の裁断です。
袖ポケット(ペンポケットですね。)
ポケットフラップに国籍パッチ
フラップを失うと一大事!
マジックテープで開閉
袖
リッチに手首からダットファスナーで開閉・調整
左胸ポケット裏側の内ポケット
マジックテープで開閉
縫い付けは上部だけで下部はフリーです。
珍しいですね。
ダットファスナーの裏側
無刻印です。
裾にはタグが挟まっていました。何のタグでしょう?
ダットファスナー表側の防反射処理
不規則な並びです。
お国柄でしょうか?
迷彩生地
うーん、綺麗なDPMですね!
国籍パッチ
ネットショップでは、平気でフランス軍!として販売しているところも。
恥ずかしいですね。
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3 その特徴とは?
まず迷彩生地ですが、パターンは間違いなく(鮮やかな)DPMです。
配色は、タンの生地にブラウン、グリーン、ブラックを用いて刷毛で小さく丸く塗ったようなパターンをプリントしてあります。
いわゆるDPMですが、本家イギリスのDPMのように、所々の「ボカシ」はありません。
生地は、イギリス軍のウインドプルーフ生地でも、ギャバジンでもないですね。
オランダ独特の生地になります。
しかも製造はベルギーですよ。
デザインは、胸ポケット×2と袖ポケットの典型的なシャツタイプですね。
しかし胸ポケットは、ジッパーで開閉し、フラップはありません。
前合わせはリッチにダットファスナーとジッパーの併用です。
変わっているのはエポレットで、一本のループを通してマジックテープで開閉します。
(オランダ軍被服のエポレットは、この形式が多いですね。)
全体的な縫製は、正確かつ丁寧で、ベルギーの高い技術で仕立てられていますよ。
4 製造とサイズのデータです!
製造・契約年度 1990年代
製造場所 ベルギー
契約会社 オランダ
製造会社 ベルギー
材 質 コットン
ポリエステル
表記サイズ 6080/9500
(日本人のL)
各部のサイズ(平置)
着丈 約78センチ
肩幅 約46センチ
身幅 約60センチ
袖丈 約62センチ
状 態 デッドストック
官民区分 官給品
入手場所 兵庫県の専門店
入手難易度 1(容易)
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5 まとめ
今回のモデルを採用する前のオランダ軍は、アメリカ軍のリーフパターン迷彩を濃淡のブラウンのみで構成した迷彩服を採用していました。
しかし、何の前触れもなく1980年代後半にこの迷彩服に変更されましたね。
(世界中のDPMマニアが、大喜びしたことは言うまでもありません。)
オランダに何があったのでしょうか?
同じ時期に、ポルトガル軍も空挺迷彩スモックでDPMを採用していました。
DPMマニアとしては、迷彩効果が各国に認められたのでは?
なんて思ってしまいましたね。
さて、この迷彩服はDPMですので、日本のフィールドでも効果抜群です。
サバイバルゲームから野鳥観察まで幅広く使用できそうです。
またデザインも洗練されているので、シティユースも問題なさそうですよ。
嬉しいことに、現在日本ではデッドストックが安価に入手できます。
購入する場合は、店舗よりネットショップが比較的安価でおすすめですね。
今回は、オランダ陸軍のDPM迷彩ジャケットを分析しました。
いやー軍装品って、本当に素晴らしいですね!
それでは、また次回をお楽しみに!
(20221128更新)
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参考:オランダ軍の他の装備に関する記事はこちらです。⬇︎
オランダ軍が参考にしたイギリス軍のDPM装備関連の記事はこちらです。
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読んでいただき、ありがとうございました。
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