今回は、1980年代のフランス陸軍防寒コマンドセーターを分析します。
コマンドセーターといえば、イギリス発祥で有名ですよね。
勿論フランス軍も採用していますが、そのままのデザインでないところが、いかにもフランス軍らしいです。
中古ですが程度は極上ですよ！
目次
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１ フランス陸軍防寒コマンドセーター（1980年代）とは？
「フランスとイギリスは仲が悪い！」
これは何百年にもわたる世界の常識ですね。
近年のミリタリーに関連する状況をみても、フランスとドイツ、イギリスとドイツという組み合わせはありますが、フランスとイギリスという組み合わせは、あまり聞いたことがありません。
（例えば戦闘機や戦車の共同開発とか…😓）
共通する敵に対して協働した時期もあったりしましたが、相変わらず「犬猿の仲」は続いているようです。
そんなフランス軍の個人装備は、一部でイギリス軍型が存在しましたが、多くはアメリカ軍型、もしくはその改良型が多いですね。
イギリスから供与された迷彩服は、仕立て直して使用されたりしていましたよ！
インドシナ戦争当時のフランス軍ジャケット
（イギリス軍の迷彩服が原型です。）
今回のコマンドセーターに関しても、大まかなデザインはイギリスを参考にしながらも、材質からデザインまで全てが変えられていますよ。
しかも、イギリス軍コマンドセーターとは違った「カッコ良さ」もありますね。
さてさて、それはどんなコマンドセーターなのでしょうか？
今回は、フランス軍装備マニアのみならず、安価で暖かく個性的なセーターをお探しのあなたと一緒に、確認していきましょう！
２ 全体及び細部写真です！
前面
背面
前面裏側
背面裏側
タグ
1988年度契約品です。
襟周りレイアウト
エポレットはテーパーなしのクサビ型
ボタンで開閉
補強生地は独特の裁断ですね。
右胸のネイムタグ用マジックテープ
予め縫い付けられています。
袖
内側に折り返して縫い付けられています。
肘の補強生地
裾
内側に折り返して縫い付けられています。
各パーツは別に編まれて、後に縫い付けられています。
軍物セーターでは一般的な仕立てですね。
袖と裾裏側
いずれも予め折り返して縫い付けられているのが新しいです。
でも、サイズの微調整はできません。
エポレット のボタン
ODのプラスティック製
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３ その特徴とは？
ウール（羊毛）は、OD（オリーブドラブ）に染められ、細かい目の織り方になっています。
（イギリス軍のような太いリブ編みではありません。）
そのため表面に段差がないのが特徴です。
デザインは、エポレット以外は、袖ポケットもありません。
肩、肘に補強生地があるのは、今回のモデルも同じですが、生地の材質や裁断はイギリス軍系と大きく違っていますよ。
（これはこれでカッコ良いですね。）
また袖も着用者が任意に折り返すイギリス軍タイプではなく、予め裏側に折り返して縫い付けられているという独特のデザインです。
全体的な縫製は、とても丁寧かつ正確で、高い技術で仕立てられています。
あくまでフランス軍独自の路線を進む…そんな強い意志を感じるセーターですよ。
４ 製造とサイズのデータです！
製造・契約年度 1988年
製造場所 フランス
契約会社 フランス
製造会社 〃
材 質 ウール
ポリ塩化ビニール
表記サイズ 104
（日本人のL）
各部のサイズ（平置）
着丈 約63cm
肩幅 約47cm
身幅 約54cm
袖丈 約59cm
状 態 中古極上品
官民区分 官給品
入手場所 東京の専門店
入手難易度 3（困難）
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５ まとめ
イギリス風のデザインに、あえて反旗を翻したフランス軍。
でも、かなりまとまっていて優れたデザインのセーターですね。
編目が小さく、表面の凸凹がないために、引っ掛かりにくいのが良いですね。
このセーターもかなり暖かいですね。
袖の折り返しがない分、サイズ調整は難しいですが、よりシンプルなのも好感が持てますね。
イギリス軍コマンドセーターと比較しても、甲乙つけ難いセーターと言えます。
しかし今回のモデルに関しては、市販品やモデル品は一切なく、カラーもODしか確認されていません。
そのためイギリス軍セーターのように、多くのシチュエーションに合わせてセーターをコーディネートすることは難しいですね。
それでも「使えるカッコイイセーター」に変わりはありません。
これがフランス軍としての回答なのですね。
嬉しいことに、今回のモデルは大手通販サイトでも取り扱われていて、いつでも誰でも入手可能です。
さらにデッドストックも販売されていてますよ！
価格も中古品・デッドストックともども、イギリス軍セーターより、やや「お安い」場合が多いですね。
（やはりフランス軍ものは、コスト・パフォーマンスの高い衣類が多いようですね。）
この冬着用するセーターとしておすすめです！
今回は、あくまでイギリス軍型を採用しないフランス陸軍の防寒コマンドセーターを分析しました。
いやー軍装品って、本当に素晴らしいですね！
それではまた、次回をお楽しみに！
（20231030更新）
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参考：各国のセーターに関する記事はこちらです。⬇︎
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読んでいただき、ありがとうございました。
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