今回は、1950年代の陸上自衛隊戦車乗組員用カバーオール(つなぎ)を分析します。
セパレートの夏用や、オーバーオールの冬用は、見たことがありますが、今回のモデルは初めて観ました。
何処かで見たデザインですが、これが本来日本軍の伝統的なデザインなのかもしれませんね。
それはともかく、今回のアイテムも中古品ですが程度は極上ですよ!
目次
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1 陸上自衛隊戦車乗組員用カバーオール(昭和30年代)とは?
1950年に北朝鮮の奇襲で勃発した朝鮮戦争。
暴力革命を是とする、共産主義の拡大でした。
それを阻止すべく日本に駐留していたアメリカ軍は、その殆どを朝鮮半島へ出撃しなければなりませんでした。
(朝鮮半島に駐留していたアメリカ軍はごく僅かだったので、アメリカ本土からの応援がくる間は、日本にいたアメリカ軍が出撃したのですね。)
しかし、日本にも中国他のスパイがいて、アメリカ軍不在の間隙をついて日本でも暴力革命を起こそうと虎視眈々と狙っていたのです。
(共産党は今でも暴力革命による政府打倒と日本の社会主義化を企んでいます。…恐ろしいですね。)
そこで急遽、アメリカが自ら作った憲法を自ら逸脱して、日本に警察予備隊という組織を作り、治安の維持を任せました。
(本当に危ないところでした。)
これが自衛隊の前身でしたね。
その後、保安隊→自衛隊と名称が変わっていったのは、周知のとおりです。
そんな黎明期の陸上自衛隊装備は、アメリカ軍供与装備をメインに、一部個人装備などで旧軍関係の物やアメリカ軍装備を元に、新しく製造した物などを使用していました。
例えば戦車乗組員。
ゴーグルは、旧軍の飛行眼鏡(ゴーグル)の生地をODに変更して使用していました。
(帆布でできたODの専用ケースもありましたね。)
そして戦車乗組員用の服は、旧軍の飛行服(セパレートとカバーオールがありました。)の生地をOGのコットンに変更して使用していましたよ。
今回のモデルは、まさにその旧軍の飛行服(つなぎ型)生地を変更した戦車乗組員用の冬用つなぎ(カバーオール)になります。
…でも、最終的には姿を消していきました。
(何故でしょう?)
さてさて、それはどんなカバーオールなのでしょうか?
今回は、陸上自衛隊装備マニアのあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 全体及び細部写真です!
全体前面
前面上半身
前面下半身
全体背面
背面上半身
背面下半身
前面上半身裏側
ほぼ全面にカーキのライニングがあります。
前下半身裏側
背面上半身裏側
背面下半身裏側
前合わせはジッパーのみです。
タグ①
サイズですね。
タグ②
昭和30年度(1955年度)契約品です。
襟はチンストラップで立てることができますが、ゆるゆるです。
右胸ポケット
ジッパーで開閉
左胸ポケット
右ポケットと同様ですが、糸で何かマーキングしてありました。
腰のスラントポケット
後ろにジッパーで開閉するスリットがあります。
裏側からのスリット
膝ポケット
角度とプリーツが付いています。
ボタンで開閉
ボタン
色や材質が違っていますが、デザインは後のモデルに似ています。
裾は僅かですがジッパーで開閉できます。
(マチ付き)
ウエスト左右にはサイズ調整のストラップらしきものが。
本当はバックルがあったのでしょうか?
袖ポケット
ジッパーで開閉
袖は強いテーパー付き
袖口もジッパーで開閉
こちらもマチ付きです。
股間の丸い補強生地
ライニングはカーキのツイルです。
着用例
Twitterより引用
(右の写真です。膝ポケットが特徴的ですね。…でも、これはもしかしたらセパレートタイプなのかもしれません。)
M24軽戦車
— 日本戦車bot (@JP_tanks_bot) 2020年12月31日
米国製の軽戦車。主砲に40口径75mm戦車砲M6を搭載。
昭和27年には警察予備隊に対し238両、昭和29年には陸上自衛隊に対し457両が供与され、各戦車中隊などに配備。
昭和49年に全車退役。 pic.twitter.com/pOPUmz8cuh
JGSDF Tank Crewman
— WarAtLowTemperature (@Canned_Disaster) 2021年7月5日
May 22, 1957 pic.twitter.com/h8WSxt6QRq
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3 その特徴とは?
シェルの生地は、OG(オリーブグリーン)のコットンサテンで重量があり、現時点ではゴワゴワです。
(少々硬いです。ハードコットン?)
一方、ライニングはカーキのツイルで、ほぼ全面にあります。
(セパレートモデルを縫い直してカバーオールにしたものもあるそうですが、今回のモデルはちゃんとライニングがついていて、メインタグは1枚でした。)
デザインは、旧日本軍が使用していた飛行服にそっくりですね。
構成は、胸ポケット×2、腰スラントポケット×2、膝ポケット×2、袖ポケットで、袖口や裾はジッパー付きで、とてもタイトです。
面白いのは左右ウエストに、サイズ調整用と思われるストラップがあるところです。
でもバックルなどはなくて、そのままでは使えませんでした。
(都合もう一着コレクションしていますが、それも同じ造りでしたね。何に使うのでしょう?)
全体的な作りは少々雑ですが強度はありますよ。
サイズ2号は、現在のSくらいに相当します。
かなりタイトなサイズ感ですね。
4 製造とサイズのデータです!
製造・契約年度 1955年
製造場所 日本
契約会社 日本
製造会社 〃
材 質 コットン
表記サイズ 2号
(日本人のL)
各部のサイズ(平置)
着丈 約136cm
肩幅 約44cm
身幅 約51cm
袖丈 約54cm
ウエスト 約44cm
股下 約63cm
裾幅 約12cm
状 態 中古極上品
官民区分 官給品
入手場所 北海道の専門店
入手難易度 4(極めて困難)
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5 まとめ
今回のモデルは、材質はともかくデザインは良くできていると思いますね。
元々飛行服のデザインが基になっているので、使い勝手もなかなかの物です。
しかし、何故廃止…というか使用されなくなってしまったのでしょうか?
これは想像ですが、現在の他国の戦車兵装備を見ると、一つ思い当たることがあります。
それはトイレの問題です。
今回のモデルは、着たままトイレ(大)ができないからではないでしょうか?
(あくまで私の想像ですが…。)
思えば、このモデル以降は、上下セパレートの作業服または戦車兵服をずっと継承していますね。
(セパレートとワンピースは、トイレの手間が何倍も違います。)
でも、本当のところは案外「旧軍の否定」だったのかもしれませんね。
今回のモデルが消えていった背景については、今後も自分なりに調査してみたいと思います。
今回のモデルは大切に保管して、これからの世代に引き継ぎたいですね。
今回は、日本独自デザインの古い陸上自衛隊戦車乗組員用カバーオールを分析しました。
いやー自衛隊装備品て、本当に素晴らしいですね!
それでは、また次回をお楽しみに!
(20221225更新)
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参考:初期の陸上自衛隊(警察予備隊、保安隊を含む)が使用していた装備に関する記事はこちらです。⬇︎
www.military-spec-an.comwww.military-spec-an.com
その後の自衛隊単色装備に関する記事はこちらです。 ⬇︎
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読んでいただき、ありがとうございました。
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