こんにちは!
今回は、1980年代のアメリカ軍難燃フライトジャケットの元祖、CWU–45Pを分析します。
以前、CWU–45P(最終型)を分析しましたね。
今回のモデルは、貴重な初期型(CWU–45Pとしては2番目のモデル)になります。
中古品ですが、程度はとても良いですよ!
目次
- 1 アメリカ軍フライトジャケットCWU–45P(初期型・83388B)とは?
- 2 アメリカ軍フライトジャケットCWU–45P(初期型・83388B)の全体及び細部写真
- 3 アメリカ軍フライトジャケットCWU–45P(初期型・83388B)の特徴とは?
- 4 アメリカ軍フライトジャケットCWU–45P(初期型・83388B)の製造とサイズのデータ
- 5 アメリカ軍フライトジャケットCWU–45P(初期型・83388B)まとめ
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1 アメリカ軍フライトジャケットCWU–45P(初期型・83388B)とは?
パイロットの天敵の一つ「機上火災」。
人類が空を自由に飛び始めてから、いつの時代にも必ずついて回りましたね。
現在もなお、航空機の主要燃料は揮発性の高い石油系ですし、各種電子機器も搭載していて、いつ燃え上がってもおかしくない状況ですね。
特に軍用機は、敵機や各種対空火器(高射砲)、対空ミサイルの攻撃を受けることにより簡単に発火するので、事態はより深刻でした。
そのため各国とも「パイロットをどうやって火災から守るか?」という課題に取り組んできました。
その課題に対し、アメリカが出した一つの回答が今回のモデル(CWU–45P)です。
1970年代にアメリカ海軍主体で開発されたこのジャケットは、アラミド繊維と呼ばれる難燃繊維で作られていてます。
アラミド繊維は、炎に晒されてもコットンのように燃え上がることはなく、ナイロンのように高音で溶け落ちて皮膚に張り付くということもないという夢の素材でした。
(全く燃えない訳ではありませんが、燃えても急激に炭化するのが特徴です。)
残念ながら、ベトナム戦争では目立った活躍はできませんでしたが、それ以降はアメリカ海軍と空軍(一部陸軍も。)の標準的なフライトジャケットになりましたね。
そんなCWU–45Pですが、大きく初期型と後期型に分かれていて、外観に顕著な違いがあります。
さてさて、では初期型とはどんな特徴を備えたジャケットなのでしょうか?
今回は、フライトジャケットマニアのあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 アメリカ軍フライトジャケットCWU–45P(初期型・83388B)の全体及び細部写真
前面
背面
両袖の付け根に注意。
アクションプリーツがありますね。
前面裏側
背面裏側
中央のステッチも初期型の特徴ですね。
襟周りのレイアウト
ネイムタグ用マジックテープは標準装備です。
前身頃はジッパーで開閉
ストームフラップの縦ステッチに注意!
ストームフラップ(ウインドシールド)の上端がカットされたのは、このモデルからでした。
タグ①
印字が擦れて読みづらいですが、1980年度契約品です。
タグ②
タギの横にあったナンバリング
生地番号でしょうか?
ネイムタグ用マジックテープ
標準装備で、最初から縫い付けられています。
胸ポケット
折り返しがあって、マジックテープで開閉
何故か、マジックテープの位置がズレていますね?
袖ポケット
お馴染みのデザインですね。
袖
緩やかなテーパー付き
今回のメーカーは袖ニットが長くタイトですね。
(勿論アラミド製ですよ。)
腰ニット
こちらもタイトです。
背中のアクションプリーツ
初期型の特徴ですね。
(後期型(サブタイプC以降)では廃止されました。)
ここは紫外線による褪色度合いを測る箇所なのですが、今回のモデルは色調差が殆どありません。
襟裏のステッチ
メインジッパーは「SCOVILL」
ここも着用頻度を測る目安です。
前合わせのストームフラップ
(ウインドシールドとも言われます。)
シェルの生地
やはり縦線が目立ちますね。
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3 アメリカ軍フライトジャケットCWU–45P(初期型・83388B)の特徴とは?
シェルは、セージグリーンのアラミドですが、初期型は後期型に比べてやや色調が暗く、使用とともに縦落ち(次第に縦線が目立ってくる)していくのが特徴です。
参考
シェル及びライニングカラーの比較
今回の初期型
以前分析した最終型
全く色調が違っていますね。
デザインは、ほぼ最終型と同様ですが、
① アクションプリーツがある
② ストームフラップのステッチが縦線
③ 背面のライニング中央(タグ下)にステッチがある。
が大きな違いですね。
構成は、丸襟、胸ポケット×2、袖ポケットで、袖と裾はニット装備です。
ライニイングがありインナーライニング(中綿)も入ってるので、暖かいですね。
(アメリカ軍の使用温度帯区分では、インターミディエイト(中間帯:−10℃〜10℃対応)ゾーンを担当する衣類になります。)
襟が丸く可愛いのは、亜音速や線音速時に射出座席で脱出した時に、襟の振動で顔面を傷つけないようにとの配慮からです。
全体的な縫製は、やはり少々雑ですが、強度は十分ですね。
(私見ですが、初期型は多くの後期型より縫製が優れているような印象がありますよ。)
4 アメリカ軍フライトジャケットCWU–45P(初期型・83388B)の製造とサイズのデータ
・製造又は契約年度 1980年
・製造場所 アメリカ
・契約会社 アメリカ
・製造会社 〃
・材質 アラミド
(難燃ナイロン)
・表記サイズ M
(日本人のL)
・各部のサイズ(平置)
着丈 約62センチ
肩幅 約49センチ
身幅 約58センチ
袖丈 約67センチ
・状態 中古極上品
・官民区分 官給品
・入手場所 愛知県の専門店
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5 アメリカ軍フライトジャケットCWU–45P(初期型・83388B)まとめ
今回のモデルの次のモデルからは、背中のアクションプリーツが廃止されました。
(そういう意味では、今回のモデルが初期型の最後のモデルと言えます。)
何故アクションプリーツが廃止されたのか?
それは機内の各所に引っ掛かって破れるからだとされています。
確かに、航空自衛隊のフライトジャケットも、アクションプリーツの破損が多いですよね。
でもCWU–45Pの適正サイズを着用した場合、 アクションプリーツがあると、背中がスッキリしたように見えますね。
(ファッションに観点を置くなら、この魅力は大きいですよ。)
だからマニアの皆さんの多くは、初期型を探しています。
しかし2021年現在、程度の良い初期型は、かなり減ってきました。
もう絶滅危惧種入りしていると言っても過言ではありません。
それでも国内外のオークションでは、まだ見掛けることがありますので、入手できない訳ではないようです。
ただし、初期型を再現したモデル品もあるので要注意です。
(中にはアラミドではなくナイロン製のそっくりなモデルもありますよ。)
生地の色調や、縦落ちの具合、タグの有無、全体的な程度などを勘案して判断しましょう。
あと官給品は、紫外線に晒されると茶色く褪色(変色)します。
少々見苦しくなっているかもしれませんが、ナイロン製のモデル品ではそこまで顕著に褪色しないので、ここが識別点になると思います。
あなたもぜひ初期型を探してみてください。
(気長に待っていただけるなら、今回のモデルも後日オークションに出品予定です!)
今回は、貴重な初期型のフライトジャケットCWU–45Pを分析しました。
次回は、旧ユーゴスラビアの迷彩服を分析します。
お楽しみに!
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参考:他のアメリカ軍フライトジャケットはこちらです。⬇︎
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Twitterで見つけました💕
5秒でお餅みたいに膨らみます。 pic.twitter.com/kHTwh4ZL2j
— 無重力猫ミルコのお家@ねこ休み展 (@ccchisa76) 2020年12月28日
香箱座り、可愛いですね😍
お餅が食べたくなりました😋
読んでいただき、ありがとうございました。
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