今回は、1970年代の陸上自衛隊戦車乗組員用ヘルメットを分析します。
いわゆる「戦車帽」ですね。
区分がはっきりとしませんが、後期型のようです。
中古品ですが程度は良好ですよ!
(おまけもあります。お楽しみに!)
目次
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1 陸上自衛隊戦車乗組員用ヘルメット(戦車帽・後期型・おまけ付)とは?
近代的な戦車が戦場に登場したのは第一次大戦からですが、当時から戦車乗組員(戦車兵)は、他職域の兵士とは違った装備が支給されますね。
その中で最も違うのは、頭を守るヘルメットです。
一般的な歩兵とは違って、ある程度の装甲板に囲まれた狭い空間で活動する戦車乗組員には、敵弾や砲弾の破片に耐えるほどのヘルメットは必要ありません。
むしろ狭い車内で、戦車内の備品にぶつけて頭を怪我しないようなヘルメットが必要なのですね。
今回のモデルは、陸上自衛隊が戦車(装甲車等も含む)乗組員用に開発した専用のヘルメットです。
そのデザインから、大戦中のアメリカ軍や旧日本軍の戦車帽を参考にしているようですよ。
さてさて、それはどんな戦車乗組員用ヘルメットなのでしょうか?
今回は、陸上自衛隊装備マニアのみならず、自衛隊AFV大好きモデラーのあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 全体及び細部写真です!
全体形
前面
側面
片側3個(合計6個)の通気孔に注意。
背面
上面
底面
内部のサスペンションは2本の紐で調整するタイプ。
シェルの刻印
「HA」とはメーカー名でしょうか?🤔
頭部保護パッド
額部分ですね。
後部パッド
後頭部を保護します。
内部には薄いながらスポンジを内蔵
イヤーカバー
側面のレザー製イヤーカバーは、シェル側面のダットファスナーで跳ね上げさせることができます。
イヤーカバー内側
チンストラップ
両サイドにダットファスナーがあって、どちら側からも外せます。
(初期型は多くのバイク用ヘルメットのように、2枚のDリングで片側からのみ取り外し可能でした。)
一般用の65式ヘルメット専用ライナー付属のチンストラップに似たバックル付き。
背面3本のストラップは、ゴーグル用ストラップを固定しておくためのもの。
チンストラップダットファスナー表と裏
その他のダットファスナー
ヘルメットのサスペンダー取り付け用リベット
ヘルメットの通気孔
着用時の状況
前面
左側面
右側面
背面
上面
イヤーカバーを跳ね上げた状態
おまけ
ヘッドセット(初期型)
(後期型はマイクのブームがプラスティック製に変更されて、アームもなくなりました。)
前面
背面
左側面
右側面
マイク
外側
内側
バイクブーム継手
左イヤーパッド
このままなのか、スポンジや布地のカバー有無は不明
左イヤーパッド
構造的には左右同じですね。
左イヤーパッド外側の検査スタンプとメーカー刻印
内蔵されているイヤーホン
マイク用ブーム取り付け部
黒い強化プラスティック製
コードコネクター表と裏
二種類あります。
(後期型では1個で円柱状のコネクターに変更されましたね。)
コネクター部分は2穴と3穴タイプの2種
コネクターの固定具はなく、どこかに引っ掛けてすぐに外れてしまうのが欠点でしたね。
ヘッドアーム
戦車乗組員用無線スイッチボックスセット(初期型)
全体形前面
ストラップがカーキなのが初期型の特徴で、後期型からは濃いODに変更されました。)
全体形背面
スイッチボックス本体前面
背面
1963年度契約品で有名メーカー製ですね。
スイッチボックス各種文字
スイッチボックス上面
ヘッドホンのコネクターに対応していますね。
後期型では1個の丸いタイプに変更されました。
右側面
左側面
下面
車体側からの電源差し込み口ですね。
これも後期型では丸い円柱のタイプに変更されました。
ストラップ用金具 表と裏
大戦中のアメリカ軍M1ヘルメットのチンストラップ金具に似たデザイン。
サイズ調整用バックル
戦車乗組員用ヘルメット専用迷彩カバー
タグはなく造りも場当たり的であることからローカルメイド品(私物)かも。
迷彩は、官給品の迷彩生地(1型迷彩)です。
ボタンホールのようなスリットが合計9個開いています。
着用例
レシーバーとマイクは後期型ですね。
KKワールドフォトプレス発行 ワイルドムック52 自衛隊1982ユニフォーム・個人装備より抜粋
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3 その特徴とは?
シェルは、65式鉄帽(ヘルメット)の中帽(ライナー)と同じ強化プラスティック製で、内装・耳当て・チンストラップはレザー製、サスペンションはオリーブグリーンのナイロン製ですね。
シェル上部には合計6個の空気孔がありますが、これは第二次大戦中にアメリカ軍が支給した戦車兵用ヘルメットを参考にしているようです。
第二次大戦中のアメリカ軍戦車兵用ヘルメット(モデル品)
でも、全体的なデザインは旧日本軍の戦車帽がベースになっているようですよ!
旧日本軍戦車帽(モデル品)
その構造上、銃弾や砲弾の破片に耐性は殆どありません。
特筆すべきは耳当てで、最も外側の一枚はダットファスナーを使用して跳ね上げさせることができます。
これで無線のレシーバーを無理なく使用することができますね。
チンストラップは、両側にダットファスナーがあって、左右いずれからでも取り外すことができます。
初期型がバイク用ヘルメットのように、2本のDリングとストラップで取り付けるタイプだったので、ずいぶんリファインされていますね。
ヘルメット内部のサスペンションは、2本のコードで制御するタイプです。
全体的な造りは、とても丁寧かつ正確で、日本製ということを痛感します。
ただ、今回のモデルではタグやタグ跡がありませんでした。
もしかしたらPX品なのかもしれません。🤔
4 製造とサイズのデータです。
製造・契約年度 1970年代
製造場所 日本
契約会社 日本
製造会社 〃
材 質 強化プラスティック
レザー
ナイロン
表記サイズ 不明
(日本人のM〜L)
各部のサイズ(平置)
全長 約cm
全幅 約cm
高さ 約cm
状 態 中古良品
官民区分 官給品?
入手場所 東京のイベント
入手難易度 4(極めて困難)
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5 まとめ
私事ですが、かつて上富良野演習場で当時の主力戦車である74式戦車に乗せてもらったことがあります。
いやー狭かったですね。
慣れないと脱出するにも苦労する狭さでした。
内部には装甲板直付けで、ペリスコープ(潜望鏡)などがあって、頭をぶつけそうでしたよ。
ここでは一般的なスチールヘルメットは必要ないな…と思いましたね。
(勿論、車外で戦闘する場合は必要です。)
そういった意味では、今回のモデルは最適なデザインかもしれません。
ただし戦車乗組員…特に戦車長は、敵の狙撃対象なのでもう少し防弾/防破片対策が欲しい気もしますね。
また無線機のレシーバーも最初から装着しておくべきなのでは?…なんて思いました。
でも最新型の戦車帽では、そんな懸念事項は解消されているようです。
新型戦車用ヘルメットを被り、10式戦車に搭乗する岸田総理
新型を間近で見たり触ったことはありませんが、どうやらシェルがライニングと分離できるタイプのようですね。
レシーバーもライナー(?)に直付けできて機能的のようです。
カッコ良いですね!
(いつか入手したいですね。)
ところで今回のモデルですが、当然一般隊員のヘルメットより生産数は少なかったようです。
(空挺ヘルメットとどちらが多かったのでしょうね?🤔)
そのため入手はとても困難ですね。
私もイベントで偶然見つけて購入したに過ぎません。
でもコアな陸上自衛隊マニア以外は、敢えて入手するアイテムではなさそうですね。
探してるあなたは、東京の自衛隊に強いショップを当たってみましょう。
ところで、あなたは今後自転車乗車時にヘルメット着用が必要になってくることをご存知ですか?
現在は努力義務ですけど、そのうち義務になるかもしれませんね。
…今回のモデルは、その時に必要になるかもしれません!
(個性が発揮できそうなヘルメットですね!😃)
今回は、古い陸上自衛隊の戦車乗組員用ヘルメットを分析しました…
いやー自衛隊装備品って、本当に素晴らしいですね!
それではまた、次回をお楽しみに!
(20240213更新)
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参考:このヘルメットと同じ時代の陸上自衛隊装備に関する記事はこちらです。⬇︎
✳︎ ✳︎ ✳︎
読んでいただき、ありがとうございました。
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