今回は、1960年代の陸上自衛隊バックパック(背のう)を分析します。
デザイン的には、旧軍から続く伝統的なものですね。
パッキングがとても難しいバックパックでしたよ。
今回は、一部をカスタム化している中古品です。
かなりの使用感や汚れがあり、不快感を感じる場合があります。
閲覧注意でお願いします。
目次
スポンサーリンク
スポンサーリンク
1 陸上自衛隊バックパック(14年式背のう改・タコ足背のう・カスタム)とは?
1981年に陸上自衛隊へ入隊して、さる教育隊で教育を受けた時に、支給されたのがこのバックパック(背のう)でした。
同期は皆初めて見るパックにワクワク顔。
ミリタリープラモデルマニアは、田宮1/35「アメリカ軍歩兵セット(4体版)」のバックパックににそっくり!…と喜んでいました。
でも私は知っていました。
実は祖父の遺品に同じデザインのバックパックがあったのを覚えていたからです。
つまり旧軍が装備していた背のう(14年式背のう)の材質を現代風にしただけのものだと、観た瞬間に理解しました。
「まだ、こんなものを使っていたのか…次も負けるぞ!」
…と、テンションはだだ下がり、モチベーションもなくして、ただただがっかりした思い出があります。
そして使用してみると、さらにがっかりしたことは言うまでもありません。
でも、実はとても重要な意味のある装備だったのですね。
さてさて、それはどんなバックパックなのでしょうか?
今回は、ベトナム戦争マニアのあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 全体及び細部写真です!
前面
パック本体は正方形に近い形ですが、その周囲に紐が沢山縫い付けられているのが特徴です。その様子から、「タコ足背のう」と呼ばれていましたよ。
(旧軍からそう呼ばれていたようです。)
背面
パックの周いには、シェルターハーフ(個人用携帯天幕:テント半分)をロール状にして結びつけたり、イントレンチングルール(携帯スコップ)を結びつけます。
背面アップ
前面ショルダーストラップの状況
開口部
中は2つのコンパートメントに分かれています。
上蓋は二本のストラップで留めます。
上蓋の他に、左右に蓋がありますよ。
タグ
1965年契約品です。
(1963年契約品が欲しいところです。)
陸上自衛隊官給品スタンプ
まるでタコの足のように四方八方にストラップが付いています。
今回のモデルは、下部ショルダーストラップの一部が皮革でカスタム化されていました。
おそらく破損したのでやむを得ず補修したのでは?
ショルダーストラップ上部にも皮革製の横ストラップが追加されています。
縦一本の長いストラップがあります。
これが上蓋と飯ごうを固定します。
これは飯ごうを左右から固定するストラップ
今回は個人用天幕、飯盒、円ぴ(スコップ)はないので、参考にストラップを結んでいるだけです。
左側面
パック本体は薄く、容量は大きくないですね。
背のう作例
昭和の矢野上等兵
— Kouji(コージ)🍊の国から呉へ! (@20290429) 2021年4月29日
タコ足背嚢装備 pic.twitter.com/fJVBsQSuU9
上手に作っているように見えますね。
(初期型の円ぴケースが泣けてきます。)
でも、しばらく歩いてみないと結果は分かりませんでした。
(縛りが不適切なら、緩んで装備が落ちたりしましたよ!)
スポンサーリンク
スポンサーリンク
3 その特徴とは?
パック本体は、ほとんど正方形で、容量はとても少ないですね。
パック本体の周囲に、何本もストラップがあって、種々の荷物を縛り付けることができます。
(通常は、携帯天幕や携帯円ぴ(スコップ)を結びつけます。)
これとは別に縦に長いストラップもあって、上蓋と飯ごうを同時に固定します。
(兵式飯ごうに金属製のループがあるのは、このストラップを通すためです。)
材質は全てODのビニロンで、パック本体はキャンバス状に、ストラップは平たい紐状に折られています。
(旧軍の14年式背のうのコットンストラップより、丈夫ですが締めづらいですね。)
モデルによっては、ストラップがカーキのモデルもあります。
ショルダーストラップも、パック本体と同じくキャンバス生地でバックルが付いています。
しかし、今回のモデルは、下部のストラップが皮革に交換されていました。
と、同時に両ショルダーストラップを胸前で繋げる工夫もしてあって、ストラップの肩への食い込みを防いでいます。
(少し雑ですが、有効なカスタムですね。)
4 製造とサイズのデータ
製造・契約年度 1965年
製造場所 日本
契約会社 日本
製造会社 〃
材 質 ビニロン
サイズ 縦 約30センチ
横 約27センチ
厚さ 約8センチ
状 態 中古並品
官民区分 官給品
入手場所 神奈川のイベント
入手難易度 4(極めて困難)
スポンサーリンク
【ふるさと納税】D20-06 陸上自衛隊規格 戦闘シャベル ~ソロキャンプで活躍するスコップ~
スポンサーリンク
5 まとめ
久しぶりに引っ張りだして撮影しましたが、懐かしさで胸がいっぱいになりました。
(同期の皆さん、お元気ですかね?)
これが本当の骨董品ですね。
この背のうは、一生懸命パッキングしても、長距離を担いで歩いていると次第にストラップが解けてきて、休憩の度に増し締めしなければならなかったのが本当に苦痛でした。
(装具を落とすと、班長からどやされましたし…😓)
でも、本結びの方法とか、定期的な装具のチェックとか、基礎的なことを学ぶことができましたよ。
実は教育隊にこの型の背のうが配備されていたのは、新隊員に基礎的な技術を学ばすのが目的であったようです。
いわば不便さの体験ですね。
実はつい最近、若い現職陸上自衛官の方と話す機会があって、この背嚢の話をしたことがありました。
彼はまだ20代前半だったのですが、なんとこの背のうの存在を知っていました。
しかも、教育隊で使用したとか!
まさに温故知新そのものですね。
(さすがに現在では退役(?)しているようですが…。)
前時代的な装備ですが、これも冷戦時代の日本を守った一つの装備…と考えると、大切にしなければと思いました。
2021年現在、SHOPやネットでも目にする機会は少ないですが、自衛隊装備マニアのあなたには、必ず入手して欲しいアイテムですね。
私は、もっと程度の良い(できればデッドストックで)ノーマルな個体と、携帯天幕や飯盒など、この背のうに装着すべき装備を集めてみたいと思います。
…さて、教育隊を終えて部隊に配属された私は、次の背のうに出会うこととなりました。
でも、その話はまたいつか…。
今回は、旧軍背のうのデザインをそのまま再現した陸上自衛隊の背のうを分析しました。
いやー自衛隊装備品って、素晴らしいですね?
それでは、また次回をお楽しみに!
(20240310更新)
スポンサーリンク
スポンサーリンク
参考:今回の背のうと同じ時期の陸上自衛隊装備に関する記事はこちらです。⬇︎
✳︎ ✳︎ ✳︎
読んでいただき、ありがとうございました。
スポンサーリンク
NEW 陸上自衛隊 戦闘背嚢 大型リュック レプリカ タクティカル リュックサック 陸迷彩 大容量 キャンプ アウトドア
【ふるさと納税】 【自衛隊装備品モデル】(衛生隊員用)メディバッグ 「MIシリーズ」Made in MIZUSAWA&ISAWA 鞄 ミリタリー [AP001]
【ふるさと納税】 【自衛隊装備品モデル】(MCV隊員用)MCVバッグ(可変型)「MIシリーズ」Made in MIZUSAWA&ISAWA 鞄 ミリタリー [AP003]
スポンサーリンク