今回は、1940年代の旧アメリカ陸軍航空隊A-2レザーフライトジャケットを分析します。
以前分析したアメリカ陸軍航空隊 A-2レザーフライトジャケット(ラセットブラウン)とは製造メーカーが違っていますね。
そのため各部のパーツも少々違っているようです。
約80年以上前に実際にパイロット?が使用していたもので、破損・補修・欠品がありますがまだ着られますよ!
目次
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1 アメリカ旧陸軍航空隊A-2レザーフライトジャケット(シールブラウン・ラフウェア社製?)とは?
その昔、韓半島を経由して日本に大陸の焼き物(壺・皿・茶碗等々)が輸入されていたことがありました。
その多くは日本では製造していない類のもので、当時としてはとても新鮮かつ斬新であったと聞いています。
でも大陸では「傷が一切なく、形も均等なもの」が好まれる傾向にありましたが、日本では違っていました。
もちろんそういった整ったものも一定の評価がありましたが、日本では失敗作、不揃いそして傷物にも魅力を感じて、高い評価を与えるところがあったようですね。
(窯変した茶碗が国宝になっているのは有名ですね。)
我々日本人は、モノに対する気持ちや考え方が独特で、大陸とは大きく違っていたようです。
でもそれは、なにも焼き物には限られたことではないようです。
今回のモデルは、第二次大戦中にアメリカ陸軍航空隊がパイロットなどの空中勤務員に支給した有名なA-2レザージャケットになります。
約80年前の製品なのですが、当時の製造方法や経年変化から、とても魅力的なレザージャケットに変化しているのが特徴ですね!
(必ずしも整ったものではありませんが、そこに魅力を感じるのは、私が日本人だからでしょうか?)
さてさて、それはどんなA-2レザーフライトジャケットなのでしょうか?
今回は、大戦中のアメリカ陸軍航空隊装備マニアのみならず、レザージャケットファンのあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 全体及び細部写真です!
前面
各部に艶が出てきていますね。
背面
折シワはご愛嬌…ということで。
前面裏側
ライニングは張り替えられているようです。
背面裏側
襟周りレイアウト
襟前部の各パーツ
襟はダットファスナーで固定することができます。
襟もとのフックとダットファスナー凸部
ニップルタイプですね。
ダットファスナー凹部
4本の切り欠きがあり、少し開くタイプ…
襟の肌に接する部分の皮脂汚れはほとんどありませんが、コーティングの剥がれが顕著ですね。
襟裏
襟は背面中方で縫い付けられています。
前見頃レザーの状況
各パーツでレザーの状態が違っていますね。
官給品は使えるレザーは全て使用したので、見てくれは二の次でした。
(ここがモデル品にはない魅力なのですが…。)
前合わせはジッパーと頂部のフックです。
通常ならライニングにタグがあるのですが、このモデルは縫い跡すらありませんでした。
その替わりに薄くスタンプが!
右下の枠内に40という数字が確認できます。
こんな仕様もあったのでしょうか?
それともライニングを張り替えたのちの措置でしょうか?
ジッパースライダー
刻印は「TALON」
ジッパーエンドは生地が傷んでいますが、現時点では開閉可能です。
レザーが縮んでいるのか、ライニングが少々余っていますね。
また縫い糸から、ライニングはずいぶん以前(大戦中?)に張り替えられているようです。
ジッパーエンド裏側
オールド「TALON」製。
腰ニット
やはり傷んでいますね。
(ニットは消耗品!)
こちらはオリジナルのようです。
エポレット
テーパー付き長方形で、両端は縫い付けられています。
腰ポケット
ダットファスナーで開閉。
ポケットフラップの形状がエレガントですね。
ポケット内部のタグは左右ともありませんでした。
胸ポケット下端はスクエア型に近いです。
左胸にはレザー製のネイムタグと部隊パッチ(ワッペン)を縫い付けていた跡あり。
袖
緩やかなテーパー付き。
袖ニット
左右とも破損が著しく一部が手縫いで修理されています。
ニットは随分前(当時?)にオリジナルから別物に交換されていました。
脇の通気孔
金属製ハトメ付きで片側2個。
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3 その特徴とは?
レザーはホースハイド(馬革)で、やや濃いラセットブラウンに染められています。
(どちらかというと、一般的なシールブラウンとラセットブラウンの中間的な色調です。)
パーツによってレザーの状態(シワ・厚さ)が違っていて素晴らしいですね。
(これが官給品の一大特徴でもあり、魅力でもあります。)
一部擦れる部分に艶が出ていて、独特の「味」が出てきていますよ!
デザインは、エポレット付き、腰ポケット×2で、袖口と裾にはニットを配置。
襟元はフックで詰めることができるとともに、先端をダットファスナーで固定しておくことができ強風でも各部がバタついたりしないようになっています。
裏側のほぼ前面にライトブラウンに染められたコットンポプリンのライニングあり。
今回のモデルは、左胸にレザー製の各種パッチを取り外した跡がありますが、ライニングに縫い付け跡はありません。
ライニングの縫い糸のくたびれ具合から、ライニングはかなり前に交換しているようです。
またタグはありませんが、サイズを示すスタンプが打たれていましたよ。
全体的な縫製は、とても正確かつ丁寧で当時のアメリカ製品の高い品質を物語る仕立てとなっています。
4 製造とサイズのデータです!
製造・契約年度 1940年代
製造場所 アメリカ
契約会社 アメリカ
製造会社 〃
材 質 ホースハイド
(馬革)
表記サイズ 40?
(日本人のM)
各部のサイズ(平置)
肩幅 約46cm
身幅 約55cm
着丈 約61cm
袖丈 約63cm
状 態 中古並品
官民区分 官給品
入手場所 東京の専門店
入手難易度 3(困難)
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5 まとめ
さすがに製造後約80年を経ているので、いわゆる「寄る年並み」感なのは否めません。
それでも、まだ十分に着用可能なのが凄いですし嬉しいですね。
(勿論、さらに程度の良い個体も存在しますが…。)
またこのモデルの醸し出す雰囲気は、国産高級モデル品でも、なかなか再現できそうもありません。
何故なら、レザーの「良い部分」のみを使用したモデル品に比べて、量産を目的とした官給品は、使えるレザーはどの部分でも(どんな状態でも)使用しているからなんですね。
(パーツ毎にレザーの表情が違っています。)
いわば「不揃いで不細工」な製品かもしれません。
でも、だからこそ個性があって魅力的だと思うのですが、いかがでしょうか?
ところで、かつてのバブル期には当時の官給品が数十万円で販売されていましたが、程度の割に高価な印象がありました。
現在では、価格はさらに上がって程度は逆に悪くなっている気がします。
(それどころか各種モデル品までも、軒並み価格が上昇していて、購入に躊躇するくらいですね。)
それでもたまにオークションでは、当時の官給品を見かけることがありますよ。
狙い目は、タグなし、パッチ(ワッペン)なし、ニット破損の個体ですね。
(タグあり、ワッペンあり、ニット破損なしモデルより安価な場合が多いです。そもそもニットは消耗品!)
幸いにも各ニットは大手ミリタリーショップで新品が販売されていて、いつでもどこでも入手可能です。⬇︎
また修理も専門のショップがあって、完全な修理が可能ですよ!⬇︎
程度の良い高価な個体を入手するのも手ですが、そこそこの程度のものを修理して再生するのは意外に面白いかもしれませんね。
(しっかり資金を貯めて、じっくり選んでみましょう。)
あなたのシチュエーションに合わせて、購入・修理を検討してみてくださいね!
私は腰ポケットフラップがダットファスナーではなくボタン留めの初期型を探してみたいと思います!⬇︎
今回は、大戦中の生き残りであるアメリカ陸軍航空隊A-2レザーフライトジャケットを分析しました。
いやー軍装品って、本当に素晴らしいですね!
それではまた、次回をお楽しみに!
(20241130更新)
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参考:同じく官給品のA-2レザージャケットに関する記事はこちらです。⬇︎
他のA-2レザージャケットに関する記事はこちらです。⬇︎
他のフライトジャケットに関する記事はこちらです。⬇︎
各国軍のレザージャケットに関する記事はこちらです。⬇︎
他のアメリカ軍装備に関する記事はこちらです。⬇︎
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読んでいただき、ありがとうございました。
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