今回は、1930年代のアメリカ陸軍デニムジャケットを分析します。
以前にもアメリカ軍のデニムジャケットを分析しましたが、今回は別のバージョンですね。
残念ながらモデル品ですが、よく出来ていますよ!
中古品ですが程度は良好です!
目次
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1 アメリカ陸軍ブルーデニムジャケット(プルオーバータイプ)とは?
途中参戦した第一次大戦で、ヨーロッパの進んだ軍装を目の当たりにしたアメリカ軍。
これではいけないと、第一次大戦終了後は新規装備品の開発と調達を開始します。
そのうち戦闘には、さほど影響のない作業服などは、1906年(!)採用のブラウンデニム作業服の生地を、ブルーデニムに変更したモデルを1919年に支給しました。
(簡単にいうとお茶を濁した形ですね。)
今回のモデル以前に支給されたモデル⬇︎
そして後に僅かながらマイナーチェンジを繰り返し、1937年に採用されたのが今回のモデルになります。
何処かで見た方も多いのではないでしょうか?
今回のモデルは国産の生地でできたものですが、ボタンにもこだわっている優れものですよ。
さてさて、それはどんなジャケットなのでしょうか?
今回は、ミリタリーマニアのみならずファッションにこだわりを持つあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 全体及び細部写真です!
前面
前作と同じプルオーバータイプですね。
背面
特に何もなくてシンプルです。
前面裏側
背面裏側
前合わせはボタンのみです。
胸ポケット
中央上部に開口部があります。
かなりの容量あり。
袖
補強生地などはなくてとてもシンプルです。
袖口
マチはなくてボタンで開閉
タグ
いろいろ買いてありますが、ここは再現していないようですね。
サイズタグ
「F」はフリーという意味でしょうか?
ランドリータグ
ボタンは陸軍ボタンを再現
デニム生地
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3 その特徴とは?
生地のデニムは、リーバイス501などに比べると、やや薄い軽量なタイプですね。
当時の官給品も薄い生地だったので、よく再現していますよ。
今回のモデルは事前に数回ウォッシュさえていて、最初から褪色があり柔らかく肌触りの良いものでした。
やはりブルーデニムは褪色してくると、いわゆる水色ぽくなってきて、野戦向きではないようですね。
デザインは、プルオーバーで左右に長方形の胸ポケットがあります。
このポケットの開口部は、開きっぱなしでボタンとかファスナーはありません。
とてもシンプルなジャケットですね。
全体的な縫製は、さすが日本製で丁寧かつ正確です。
4 製造とサイズのデータです!
製造・契約年度 1990年代
製造場所 日本
契約会社 日本
製造会社 〃
材 質 コットン
表記サイズ F
(日本人のL)
各部のサイズ(平置)
着丈 約75cm
肩幅 約49cm
身幅 約60cm
袖丈 約61cm
状 態 中古上品
官民区分 民生品
入手場所 愛知県の専門店
入手難易度 1(容易)
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5 まとめ
長らくアメリカ陸軍で使用されていたモデルでしたが、第二次大戦直前にはプルオーバーから一般的な前身頃が開放されるデザインに変更されました。
なんでもプルオーバーというデザインが不評だったとか。
(戦場の様式が変わってきたのかもしれませんね。)
でも最終的にはOD(オリーブドラブ)のHBT(ヘリンボーンツイル:杉綾織)のジャケットに置き換えられていきましたよ。
やはりブルーよりもODが戦場でも目立たないようです。
余剰となったブルーデニムのジャケットやトラウザース(パンツ)は、後方に回されたり、後に民間に払い下げられたりしました。
(これがGパン(ガバメントパンツ?)の発祥ですね。)
戦場の第一線からは早々に姿を消した今回のモデルですが、現代では普通にファッションで使用できますね。
生地が薄いので初夏くらいまでは使用できそうですよ。
(まだ朝夕冷える私の地域では、むしろ快適な衣料品と言えます。)
カラーも一般的なので使いやすいですし、ボトムも合わせやすいですね。
(場合によっては上下デニムもアリかもしれませんね。)
面白いアイテムなのではないでしょうか?
今回のモデル品は、国産各社から不定期に製造されているモデルでもあります。
また、当時の官給品を超精密に再現した国産高級モデル品もありますよ。
モデル品の入手は問題なさそうですね。
将来を考えていらっしゃる方は、無理してでも官給品を購入しておいた方が良いですね。
(ただし、当時の官給品は桁が1〜2桁違う高価なものになりますよ。)
その場合は、タグを外してわざとエイジングさせた高級モデル品に注意してくださいね。
そうそう今回のモデルは、家庭の洗濯機でも選択可能ですが、色落ち・色移りするので他の洗濯物と同時に洗う場合は要注意ですよ!
今回は、アメリカ陸軍のブルーデニムジャケットのよくできたモデル品を分析しました。
いやー軍装品って、モデル品も素晴らしいですね!
それでは、また次回をお楽しみに!
(20231104更新)
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参考:今回のモデルの後に採用されたブルーデニムジャケットに関する記事はこちらです。⬇︎
他国のブルーデニム装備に関する記事はこちらです。⬇︎
記事中のODHBT生地でできたジャケットはこちらです。⬇︎
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今朝もウォーキングでブク君(仮名)に会えました。
尻尾を立ててダッシュで来てくれましたよ!💕
何故かお尻を寄せてくる。愛情表現でしょうか?
名前の由来は体型から。
お腹の毛繕い。朝日が眩しいね。
チュール残弾僅か…補給しないと。
読んでいただき、ありがとうございました。
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