こんにちは!
今回は、アメリカ軍のフライトジャケットを分析します。
ある程度の保温力と軽快さを併せ持つ、優秀なジャケットですよ!
目次
- 1 アメリカ空軍フライトジャケットL–2B(1960年代モデル)とは?
- 2 アメリカ空軍フライトジャケットL–2B(1960年代モデル)の全体及び細部写真
- 3 アメリカ空軍フライトジャケットL–2B(1960年代モデル)の特徴とは?
- 4 アメリカ空軍フライトジャケットL–2B(1960年代モデル)の製造とサイズのデータ
- 5 アメリカ空軍フライトジャケットL–2B(1960年代モデル)まとめ
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1 アメリカ空軍フライトジャケットL–2B(1960年代モデル)とは?
第二次大戦前に、日本産の絹が入手困難になったことから、その代替品として開発されたナイロン。
元々は、女性のストッキング用として使われました。
その後衣類にも転用されましたが、本格的に軍装として利用されるようになったのは大戦末期の事です。
最初はフライトジャケットから始りました。
当時は、比較的高い温度層(ライトゾーン)用のジャケットとして、「A–2」という有名なレザージャケットが支給されていました。
しかし、動物の皮革を使用していたため、生産性に問題がありました。
そこで当時のアメリカ陸軍航空隊では、後継モデルを開発計画を進めていました。
そして1945年に、世界で最初のナイロン製フライトジャケットが完成します。
これが有名な「L–2」です。
今回のモデルは、このL–2シリーズの大きく分けて三番目のモデルになります。
小粋で気軽に着用できるこのジャケットは、すぐさまパイロットに人気のジャケットになりました。
さて、どんなジャケットなのでしょうか?
早速、確認していきましょう!
2 アメリカ空軍フライトジャケットL–2B(1960年代モデル)の全体及び細部写真
前面
メインのジッパーは、丈夫なものに交換されています。
背面
腰のニットがとてもタイトです。
前面裏側
ライニングは、インディアンオレンジのレーヨンです。
コーヒー(?)をこぼしてそのままにしていたようですね。😭
背面裏側
ライニングのレーヨンは今もピカピカです。
エポレット
後に廃止されます。
階級章は中尉です。
部隊パッチ(ワッペン)
腰ポケット
ダットファスナーで開閉
この型までは、前面裾に ダットファスナーで開閉する三角形のフラップが存在します。
(後に廃止)
左袖のパッチ(
左袖のシガレットポケット
僅かに角度が付いていますね。
袖のニット
このメーカーが使用するニットはタイトで有名です。
背中上部には2本のステッチが。
タグ
サブタイプはFです。
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3 アメリカ空軍フライトジャケットL–2B(1960年代モデル)の特徴とは?
デザインは、初代「L–2」とほぼ同じで、襟、袖、裾にニット装備で腰にフラップ付きのポケット×2。
エポレット付きで、前面裾に三角フラップが設けられています。
左袖には、他の多くのアメリカ軍フライトジャケット同様、シガレットポケットもあります。
胸にあった酸素マスク用タブは、マスク自体の小型軽量化が進み、このモデルでは廃止されています。
シェルは、オリーブグリーン(又はセージグリーン)のナイロン製で、東南アジア向けとされています。
(ベトナム用?)
ライニングは、レーヨンとウールの混紡で、ツヤがあります。
今回のモデルは、前身頃のジッパーが頑丈な物に交換されていました。
ここは、オリジナルではありません。
今回のモデルを製造したスカイライン・クロージング・コーポレーションは、数あるメーカーの中でもしっかりとした製品を作る事で有名です。
4 アメリカ空軍フライトジャケットL–2B(1960年代モデル)の製造とサイズのデータ
・製造又は契約年度 1960年代
・製造場所 アメリカ
・契約会社 アメリカ
・製造会社 〃
・材質 ナイロン
レーヨン
ウール
・表記サイズ M–R
(日本人のL)
・各部のサイズ(平置)
着丈 約62センチ
肩幅 約46センチ
身幅 約58センチ
袖丈 約60センチ
・状態 中古良品
・官民区分 官給品
・入手場所 大阪の専門店
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5 アメリカ空軍フライトジャケットL–2B(1960年代モデル)まとめ
タグの上から二段目に、ミリタリースペックナンバー(軍規格番号)が記載されています。
そのうち末尾のアルファベットは、サブタイプと言って、細かいバリエーションを示しています。
通常サブタイプ「F」は、エポレットが廃止されているはずなのですが、今回のモデルは残っていますね。
不思議なモデルです。
(製造誤差でしょうか?)
とは言え、このジャケットの持つ軽快さは、些かも変わっていません。
さすがに真冬は、下にセーターなどを着込まないと寒いですが、春、秋、そして暖房のある車や電車、室内などでは、MA–1のようにモコモコで動き難かったり、暑くなったりしません。
また、デザイン的にも、とてもスマートなジャケットですよ。
(しかし裾の三角フラップは、賛否分かれる箇所ですね。)
さて今回のモデルですが、さすがに官給品は数が減って、程度の良いものは高価になりつつあります。
官給品にこだわる方は、今からでも探して購入しておいた方が良さそうです。
一方、とても有名かつ優れたジャケットなので、多くのモデル品が製造されてるモデルでもあります。
中古品に嫌悪感を持たれる方は、モデル品購入をお勧めします。
でも精密なモデル品は、程度の良い中古の官給品より高価な場合があるので要注意です。
(モデル品価格逆転現象)
昔、あるコレクターの先輩から「モデル品を購入する資金があるなら、お金を貯めて当時の官給品を購入しろ!本物を集めた方が、コレクションの質が格段に向上する。」と教わったことがあります。
おそらく先輩は、後日コレクションを手放す事を考えて、そう教えてくれたのでしょう。
でも実用目的なら、モデル品でもよいから新品が着たいこともありますよね。
ただ昨今のモデル品は、過剰に高価格な気がします。
それでいて、官給品ほどの耐久性がない製品が多いですね。
現代のモデル品が、果たして50年後?今回のジャケットのように、ちゃんと残っているのでしょうか?
生きていたら確認したいですね。
今回は、アメリカ空軍の汎用性に優れたフライトジャケットを分析しました。
次回は、空軍つながりで、アメリカ空軍のパイロットスーツを分析します。
お楽しみに!
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参考:アメリカ空軍の各種フライトジャケットはこちらです。⬇︎
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読んでいただき、ありがとうございました。
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