今回は、1940年代のアメリカ軍陸軍の迷彩カバーオール(ワンピース)を分析します。
以前も同じカバーオールを分析しました。
でも、今回のモデルは迷彩色調が違っているモデルになります。
残念ポイントもありますが、程度は良好ですよ!
目次
スポンサーリンク
スポンサーリンク
1 アメリカ陸軍迷彩カバーオール(ダックハンター・カーキタイプ)とは?
第二次大戦中にアメリカ軍が公式的に採用した唯一の迷彩であった、ダックハンターパターン。
(フロッグスキン、レオポルドパターンとも呼ばれています。)
上下セパレートの戦闘服、空挺スモック、ヘルメットカバー、テント、ポンチョ、リュックサック(ジャングルパック)などに使用されました。
(でも殆ど限定使用でしたね。)
そして、今回のモデルのようなカバーオールも存在しましたよ。
元々カバーオールは陸軍の装備でしたが、海兵隊の特殊部隊である「レイダーズ」が使用していたことでも有名ですね。
でもこの迷彩服には、原因は不明ですが色調の違うモデルが存在しています。
今回のモデルは、前回と違ってカーキが目立つのが特徴ですね。
さてさて、それはどんな迷彩カバーオールなのでしょうか?
今回は、第二次大戦中のアメリカ軍装備マニアのあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 全体及び細部写真です!
全体前面
前面上半身
前面は下半身
全体背面
背面上半身
背面下半身
全体前面裏側
前面上半身裏側
前面下半身裏側
全体背面裏側
背面上半身裏側
背面下半身裏側
前合わせはジッパーと頂部のダットファスナー。
襟周りレイアウト
裏側背中にはサイズスタンプが!
(42L?)
前合わせには認識番号?
胸ポケット
ダットファスナーで開閉。
ポケット本体にプリーツ付き。
腰ポケット
こちらもダットファスナーで開閉。
そしてプリーツ付き。
袖
テーパー付き
袖口は、ボタンとストラップで調整可能。
ボタンは1個で、ストラップに2つのボタンホールあり。
裾はストレートで単純な筒です。
背中にはアクションプリーツあり。
インナーサスペンダー背面
背面サスペンダー基部は色調の違う迷彩生地でできていますね。
前面左右にあるサスペンダー基部の迷彩生地の色調は同じですね。
サスペンダーガイド
股間の補強生地
ジッパーは「CONMAR」
スライダーは大戦中のフライトジャケットマニアにはお馴染みのベル型ですね。
袖の金属製ボタン
ダットファスナー
迷彩パターンの一部
HBT生地の様子
スポンサーリンク
スポンサーリンク
3 その特徴とは?
迷彩は、表側がカーキ、濃淡2色のブラウン&グリーンで大小様々な形の斑点を描いています。
(都合、5色迷彩になります。)
一方、裏面はタン、濃淡3色のブラウンで同じような斑点を描いています。
(こちらは4色迷彩ですね。)
一応表面を春夏側、裏面を秋冬側のリバーシブル…と言えなくもないですが、ポケットやジッパーは表側からしか使用できません。
(不完全なリバーシブルと言えそうですね。)
同じモデルの色調違いの例は以下のとおりです。
左:前回のグリーン系モデル
右:今回のカーキ系モデル
色調差が顕著ですね。
(でもパターンは全く同じ…。)
生地は、やや厚手のHBT(ヘリンボーンツイル:杉綾織)で、丈夫ですがやや重く、通気性も悪そうですね。
デザインは、エポレットなし、胸ポケット×2、腰ポケット×2ですが、上述の通り裏側にポケットはありません。
面白いのは、インナーサスペンダー(インターナルサスペンダー)が装備されているところですね。
効果のほどは不明ですが、多くの兵士がこのサスペンダーを切り取って使用していたことを考えると、あまり必要性がなかったのかもしれませんね。
全体的な縫製は、正確で強度も十分です。
4 製造とサイズのデータです!
製造・契約年度 1940年代
製造場所 アメリカ
契約会社 アメリカ
製造会社 〃
材 質 コットン
表記サイズ 42L
(日本人のXXL)
各部のサイズ(平置)
着丈 約168cm
肩幅 約50cm
身幅 約61cm
袖丈 約68cm
ウエスト 約53cm
股下 約83cm
裾幅 約26cm
状 態 中古良品
官民区分 官給品
入手場所 沖縄の専門店
入手難易度 3(困難)
スポンサーリンク
スポンサーリンク
5 まとめ
大戦中のHBT(ヘリンボーンツイル)装備は、表記サイズより2サイズほど大きくデザインされていますが、今回のモデルも42Lとは思えないサイズ感ですね。
さて問題の「同じ迷彩の色調差が顕著」なことですが、当時の写真などを見ても明らかに色調の違うモデルが混在して使用されていることから、どうやら用途や地域に応じて使い分けていたわけではないようです。
また、約30年前に有名なミリタリー研究家のO氏から聞いた話では、
「当時は現在のように厳格なスペック(規格)はなく、染色の技術も確立されていなかったので、製造会社や製造時期によって色調誤差が出たのではないか?」
とのことでした。
確かに迷彩ではない標準的なOD単色装備でも、色調が大きく違うモデルが存在していますね。
さすがのアメリカも、かつてはおおらかだった…ということでしょうか?
(今でも?)
それはともかく、大戦中のアメリカ軍ダックハンター迷彩装備は貴重です。
また、数も減りつつありますね。
同じ時期のドイツやイギリスの迷彩装備と比較すると、まだ安価に購入できるので今のうちに集めて…もとい、保護してあげるのが良いでしょう!
また、近年続々と忠実なモデル品が発売されつつあります。
どうしても実用で着用したいあなたは、モデル品を購入しましょう!
(でも、意外とお高いですよ!)
今回は、大戦中のアメリカ軍迷彩カバーオールでカーキタイプを分析しました。
いやー軍装品って、本当に素晴らしいですね!
それでは、また次回をお楽しみに!
(20231130更新)
スポンサーリンク
スポンサーリンク
参考:他のダックハンター迷彩カバーオールに関する記事はこちらです。⬇︎
アメリカ軍のダックハンター迷彩を参考に開発された装備はこちらです。⬇︎
✳︎ ✳︎ ✳︎
読んでいただき、ありがとうございました。
スポンサーリンク
スポンサーリンク