今回は、1980年代の旧西ドイツ陸軍モールスキンジャケットを分析します。
フレック迷彩以前の装備ですね。
他に類のない独特の生地が特徴です。
中古でかなりの使用感がありますが、まだまだ着られますよ!
目次
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1 旧西ドイツ陸軍モールスキン・ジャケット(中期型)とは?
第二次大戦で敗れたドイツ軍は、戦後否応なくアメリカ軍の兵器を使用することになりましたね。
(イギリス軍兵器でなくてまだ良かった?)
でも個人装備では、ヘルメットの形状以外は、頑なにドイツ流を通していました。
(この辺りは、殆どアメリカ軍式に変更してしまった自衛隊とは対照的ですね。)
当時の軍や政府が、どんな考え方をしていたのかはよくわかりませんが、やはり「反アメリカ」だったのかもしれません。
(逆に1980年代から、そのアメリカ軍が大戦中のドイツ軍に似たデザインの装備を支給し始めたのは面白いですね。)
今回のモデルは、そんなドイツ軍独自の衣類で、陸軍の一般用戦闘ジャケットになります。
…とはいえ、普段の訓練や作業にも使用されたことから、ユーティリティージャケット的な存在だったようですね。
でもこのデザイン、どこかで見たことがありますよ!
さてさて、それはどんなジャケットなのでしょうか?
今回は、戦後のドイツ軍装備マニアのみならず、通年で使用できるジャケットをお探しのあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 全体及び細部写真です!
前面
背面
前面裏側
背面裏側
前合わせはボタンのみです。
うなじのタグ
サイズですね。
タグ
内ポケットの生地内部に縫い付けられています。
1980年度契約品です。
襟周りレイアウト
襟の裏には9本ものステッチが!
エポレット
僅かにテーパーのついたラウンド型です。
ボタンで開閉
胸ポケット
ボタンで開閉
袖
僅かにテーパーが付いています。
袖口はボタンで開閉・調整
ポケット下にはループとボタンが。
用途はなんでしょう?
(ボタンは予備との説がありますね。)
脇の通気口
刺繍タイプで6個
背中は予め絞られています。
裏側
表側
内ポケット
オープンタイプです。
袖の付け根は、別生地で補強されていますね。
ボタン
ドイツ軍特有のODプラスティック製のソロバンの駒型です。
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3 その特徴とは?
生地は、この当時のドイツ軍独特の織り方をしたものですね。
その独特の肌触りや見た目から「モールスキン:モグラの皮」とよばれています。
とても緻密に織られていて、目が細かく防風性能が高いですが、コットン製なので吸湿性もあります。
生地のカラーはOD…というより、オリーブグレイですね。
デザインは、以前分析したドイツ陸軍ウールユニフォームに似ていますよ。
今回のモデル
旧西ドイツ陸軍ウールジャケット
構成は、エポレット付き、胸ポケット×2、内ポケットで、前合わせや袖口はボタンで開閉します。
今回のモデルは、いわゆる初期型で、胸ポケットから裾まで、細長い生地が縫い付けられているのが特徴です。
(後期型では省略されました。)
全体的な縫製は、正確かつ丁寧で、とても頑丈な仕立てです。
4 製造とサイズのデータ
製造・契約年度 1980年
製造場所 ドイツ
契約会社 ドイツ
製造会社 〃
材 質 コットン
表記サイズ 170/180–95
(日本人のM〜L)
各部のサイズ(平置)
着丈 約74cm
肩幅 約42cm
身幅 約55cm
袖丈 約62cm
状 態 中古並品
官民区分 官給品
入手場所 名古屋の専門店
入手難易度 2(やや困難)
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5 まとめ
ベトナム戦争以降、世界各国の戦闘服は4ポケットが主流になりました。
でもドイツはそんな流れには目もくれず、独自の2ポケットを採用、今日に至っています。
より汎用性に富んでいることを、見抜いていたのですね。
まさに先見の明があったと言えるでしょう。
(その証拠に、現在は2ポケットタイプが主流になりつつありますね。)
今回のモデルは、生地が少々厚く日本の真夏には向いていませんが、それ以外の季節では意外に使えるジャケットですね。
注意したいのはその着用方法です。
日本では、ファッションでもコスプレでもいわゆる「ルーズフィット」が基本ですよね。
やや大きいサイズをラフに着こなす…そんな着用方法が多く用いられています。
でも、本場ドイツ軍の…特に当時の写真を見ると、身体にフットした着こなしをしていますね。
むしろタイト気味に着こなしている場合も!
もし、あなたがコスプレなどでドイツ軍の雰囲気を出したいのなら、あくまでタイトフィットにこだわって着用しましょう!
(ただし、軍物ファッションとして使用する場合は、ルーズフィットで構いません。)
さてこのジャケットですが、初期型でもサイズ(主に細いサイズ)によっては、現在でも大手通販サイトでデッドストックが入手可能です。
勿論、中古品も各種ありますので、あなたのご予算や用途に応じて購入しましょう。
当然ですが、購入時は必ず、破損、修理、欠品及び実寸を確認しましょう!
(試着がベストです。)
なおコットン製の特殊な編み方の生地なので、中古品は表記サイズより縮んでいる場合が多いです。
注意しましょう!
私は、初期型、後期型で自分に合うサイズの上下デッドストックを探してみます。
今回は、冷戦時の旧西ドイツ陸軍を代表するモールスキン・ジャケットを分析しました。
いやー軍装品って、本当に素晴らしいですね!
それではまた、次回をお楽しみに!
(20240123更新)
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参考:他の旧西ドイツ陸軍装備に関する記事はこちらです。⬇︎
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読んでいただき、ありがとうございました。
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