今回は、1950年代のアメリカ軍防寒ウールシャツを分析します。
その毛布のような生地から、兵士は「ブランケット(毛布)・シャツ」と呼んでいました。
でも現在は、廃番になっているようですね。
今回のアイテムはデッドストックですよ!
目次
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1 アメリカ陸軍防寒ウールジャケット(OG-108・初期型・10858A)とは?
1950年から始まった朝鮮戦争ですが、国連軍(主にアメリカ軍)を悩ませたものに、朝鮮半島の寒気があります。
アメリカ軍は、第二次大戦のヨーロッパにおけるドイツ軍との闘いで、ベルギーやドイツの寒さは経験していました。
しかし、そんな彼らでも朝鮮半島の寒さは度を超えていたようですね。
それまで保有していた防寒装備は、質、量とも満足のいくものではなく、前線から寄せられるのはクレームと要望の嵐でした。
そんな状況を鑑みて、開発されたのが一蓮のM51シリーズです。
勿論それだけでは万全ではなく、それを補う装備も開発されましたよ。
その一つが今回のシャツです。
無骨な外観に似合わず、とても暖かいのが特徴ですね。
さてさて、それはどんな防寒ウールシャツなのでしょうか?
今回は、ミリタリーマニアのみならず、この冬使える暖かいシャツをお探しのあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 全体及び細部写真です!
前面
毛布みたいな生地…ではなく完全に毛布ですね。
背面
2本のタック(?)が入っています。
これでウエスト付近もスッキリ!
背中上部で生地がX型に交差しているのが初期型の特徴です。
(後期型では廃止されました。)
前面裏側
背面裏側
型の補強生地
右胸ポケット
ボタンで開閉
左胸ポケット
こちらはポケットフラップにスリットがあって、ペンが差せます。
(2本くらい差せそうです。)
ポケットの中にはペンポケットが。
袖口
マチなしでボタンで開閉
プリントされたタグ
一部消失していますが、辛うじて読めますね。
1953年度契約品です。
モデルによっては、赤文字もありますよ。
(暗視装置対策?)
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3 その特徴とは?
生地は、OG(オリーブグリーン)のウール+ナイロン製の厚い生地でできています。
デザインは、当時のアメリカ軍のユーティリティジャケットとよく似ていますね。
エポレットなしの、胸に2ポケットです。
裾はストレートタイプ。
肩の補強生地の裁断が変わっていて、肩をすっぽりと覆うとともに、背中で交差させて縫製されています。
(これが一大特徴的ですね。)
また、前から見ると首辺りから腕の付け根にかけて、斜めのラインが入っているのも特徴です。
全体的な縫製は意外にラフで、襟の形が左右で違う…なんていうのは普通でした。
要は、保温さえできればOKだったのですね。
着用例:朝鮮戦争中に現地へ慰問に行ったマリリン・モンロー
今回のモデルと同じウールシャツの男性用を着ています。
(特徴ある背面肩のステッチで判別できますね。)
パンツは官給品の女性用ウールトラウザースです。
大戦中に採用された、レギンス一体型のサービスシューズを履いていますね。
第二ボタンを外し、小粋に襟を立ててるあたりも素敵です💕
4 製造とサイズのデータです!
製造・契約年度 1953年
製造場所 アメリカ
契約会社 アメリカ
製造会社 〃
材 質 ウール
ナイロン
表記サイズ M
(日本人のL)
各部のサイズ(平置)
着丈 約69cm
肩幅 約47cm
身幅 約57cm
袖丈 約61cm
状 態 デッドストック
官民区分 官給品
入手場所 愛知県の専門店
入手難易度 1(容易)
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実物 USED 米軍 ヴィンテージ ウールシャツ OG-108 前期型 / アメリカ軍 ミリタリージャケット ミリタリーシャツ コリアンウール OG108【クーポン対象外】【I】
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5 まとめ
後にアメリカ軍は、各部の寸法とボタンを変更するとともに、裁断も簡素化された後期型を採用します。
でもこの後期型を最後に、支給は停止されたようですね。
理由は不明ですが、各種セーター類が充実してきたこと、化学繊維の防寒素材(アクリルやポリエステルのフリースなど)が台頭してきたからでしょうか?
(実際にこのシャツを見ればわかりますが、とても重厚かつ贅沢な造りで、製造は手間が掛かりそうですよ。)
さて、実際にこのシャツを着用してみると、肌触りが良くてとても暖かいです。
トレーナーなどの上に羽織ると、さらに暖かいですよ。
何よりファーストコンタクトがコットンのように冷やっとしないのが良いですね。
また、フィールドジャケットをこのシャツの上に着用すると、真冬でもなんとかなりそうですよ。
サバイバルゲーム、野鳥観測では迷彩服の下に、バイカーの皆さんはA-2やG-1の下に着用してみてはいかがでしょうか?
(勿論、秋春は単体でもおすすめです。)
ところで今回取り上げた初期型は、一時数が減ってきていましたが、大手通販で取り上げられるようになって、また増えてきましたね。
勿論デッドストックも入手可能ですよ!
サイズも各種あって、小さいサイズも入手可能です。
そうそう、このシャツは朝鮮戦争中に現地を慰問したマリリン・モンローが着用していたことで有名です。
(着用例参照)
彼女はこのシャツについてどんな印象を持ったのか、いつかお話できたら聞いてみたいですね。
今回は、アメリカ軍の暖かい防寒ウールシャツを分析しました。
いやー軍装品って、本当に素晴らしいですね!
それではまた次回をお楽しみに!
(20241206更新)
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参考:朝鮮戦争時代のアメリカ陸軍装備に関する記事はこちらです。⬇︎
他のアメリカ軍装備に関する記事はこちらです。⬇︎
各国軍の防寒装備に関する記事はこちらです。⬇︎
各国軍の単色衣類に関する記事はこちらです。⬇︎
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読んでいただき、ありがとうございました。
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