今回は、1990年代に自衛隊の売店で販売されていた陸上自衛隊迷彩パイロットスーツを分析します。
陸上自衛隊装備には珍しいカバーオール形式なのが特徴ですね。
でもじつは、官給品に存在しないデザインなのです。
保管上の汚れはありますがデッドストックです！
目次
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１ 陸上自衛隊迷彩パイロットスーツ（カバーオール・PX品）とは？
以前、陸上自衛隊の61式航空服を分析しました。
以降の陸上自衛隊飛行服も、上下セパレートのモデルが採用されているようですね。
ところがPXには、一風変わった飛行服（パイロットスーツ）が販売されていました。
まるでアメリカ軍や他自衛隊パイロットスーツのように上下一体のつなぎ服（カバーオール）のモデルでしたね。
しかも生地は、いわゆる２型迷彩でした。
今回のモデルは、そのカバーオール形式のモデルで、何故か航空自衛隊岐阜基地で販売されていたBX品になります。
取り敢えず入手しましたが、これが陸上自衛隊用なのか、それとも航空自衛隊用（メディック）用なのか不明です。
（取り敢えず購入してみるのはヤメテ！…と奥（神）様から抗議が！いえいえ、独身時代に入手したのです。多分…😅）
でも、もしかしたらどこかの陸上自衛隊飛行部隊で使用されてたのかもしれませんね。
さてさて、それはどんなパイロットスーツなのでしょうか？
今回は、陸上自衛隊および航空自衛隊のパイロット装備マニアのあなたたと一緒に、確認していきましょう！
２ 全体及び細部写真です！
全体前面
やはり航空自衛隊や海上自衛隊のパイロットスーツに似ていますね。
前面上半身
前面下半身
残念ながら左膝のクリップは再現されていません。
全体背面
背面上半身
背面下半身
前面上半身裏側
前面下半身裏側
背面上半身裏側
背面下半身裏側
襟周りレイアウト
タグ
表と裏
官給品の戦闘服とは材質が違っていますね。
胸ポケット
ジッパーで開閉。
袖ポケット以外のジッパーはプラスティックです。
ウエストのサイズ調整タブ
ダットファスナーで開閉・調整
右膝ポケット
水平のジッパーで開閉
左膝ポケット
ほぼ垂直のジッパーで開閉
脚ポケット
ジッパーで開閉。
マチ付きです。
表面にペンポケット付き（4本用）
ジッパー
刻印は「YKK」
動きはとてもスムーズです。
足首付近のジッパー
こちらはマチ付きです。
袖
ややテーパー付き。
袖口はダットファスナーで開閉・調整
袖ポケット
ブラスジッパーで開閉。
マチ付きでペンポケットはありません。
左右にある腰スリット
あくまで中に着ている衣類のポケットを使用するためのものですね。
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３ その特徴とは？
迷彩はいわゆる「２型迷彩」ですね。
配色は、ライトカーキの生地に、グリーン、ブラウン、ブラックで大小様々な斑点をプリントしてあります。
パターンは官給品の２型迷彩（夏用）を概ね踏襲しています。
でも少々プリントが甘く、変に重なったり所々滲んだりしていますね。
（中国共産党のコピーPX品よりは、かなり整っていますが…😅）
生地は官給品の戦闘服とは違って、一般的なコットン／ポリエステルの混紡ツイルで、各種機能は付加されていません。
（でも実用十分ですね。）
デザインは、かつての航空自衛隊パイロットスーツが原型のようです。
デザイン比較
今回のモデル
前面
航空自衛隊の古いモデル
前面
今回のモデル
背面
航空自衛隊の古いモデル
背面
今回のモデル
袖ポケット
航空自衛隊の古いモデル
袖やウエストのダットファスナー、袖ポケットは殆ど同じデザインですね。
構成は、エポレットなし、胸ポケット×2、膝ポケット×2、脚ポケット×2、袖ポケット、腰スリット×2で、袖口はダットファスナーで開閉します。
全体的な縫製は、丁寧かつ正確ですね。
高い技術で製造されていますよ。
気になったのはサイズで、LLとしながらも日本人男性のLサイズくらいに相当することです。
（購入時は要注意！）
製造業社には、旧サイズの型紙しかないのでしょうか？🤔
４ 製造とサイズのデータ
製造・契約年度 1990年代
製造場所 日本
契約会社 日本
製造会社 〃
材 質 コットン
ポリエステル
表記サイズ LL
（日本人のL）
各部のサイズ（平置）
着丈 約157cm
肩幅 約44cm
身幅 約58cm
袖丈 約61cm
ウエスト 約48cm
股下 約77cm
裾幅 約20cm
状 態 デッドストック
官民区分 民生品
入手場所 岐阜基地売店
入手難易度 3（やや困難）
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５ まとめ
現役時代から現在においても、今回のモデルを実際に陸上自衛隊パイロットが着用しているのを見たことがありません。
でも粗悪な中共製戦闘服２型を普通に着用していた一般隊員もいたくらいなので、あるいはこのスーツもパイロット…はともかく、空中勤務員の中には使用していた隊員がいるかもしれませんね。
それはともかく、一種のパロディ商品の類いに入る今回のモデルですが、航空自衛隊パイロットスーツとしての再現度は、素晴らしいものがあります。
ただ以前分析した現用航空自衛隊パイロットスーツ（モデル品）では、各部にマジックテープが使用されていましたが、今回のモデルはダットファスナーを使用しており、やはりパイロットスーツとしての使い勝手は少々悪いようです。
でも実任務はともかく、一般的な使用にはなんら問題となるところはありません。
むしろモデル品なので、ガンガン使用できるのが嬉しいですね。
トイレは少々不便ですが、サバイバルゲーム、野鳥観測、狩猟、キャンプ、バイクなどには普通に使用できそうですよ。
注意したいのはそのサイズで、表記は「LL」となっていますが、日本人男性の「L」相当になります。
（サイズ的にも一時代前の型紙で製造されているのかも？🤔）
勿論、ファッションにも使用できますが、くれぐれも演習や災害派遣で活動中の陸上自衛隊員周辺での使用は控えましょう！
そうそう、このパイロットスーツも現在では品薄です。
でもオークションでは時折見かけることがあります。
探しているあなたは、オークションサイトにキーワードを登録して待ってみましょう！
（自衛隊の売店ではまだ売れ残っている可能性も？）
私は官給品の迷彩パイロットスーツ（セパレート）を探してみたいと思います。
今回は官給品には存在しない陸上自衛隊迷彩パイロットスーツ（カバーオール・モデル品）を分析しました。
いやー自衛隊装備品って、モデル品も本当に素晴らしいですね！
それではまた、次回をお楽しみに！
（20231005更新）
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参考：陸上自衛隊官給品パイロットスーツに関する記事はこちらです。⬇︎
今回のモデルの原型と思われる航空自衛隊パイロットスーツに関する記事はこちらです。⬇︎
他の自衛隊パイロット装備関連記事はこちらです。⬇︎
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読んでいただき、ありがとうございました。
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