今回は、1980年代の旧西ドイツ軍戦車兵用カバーオール(OD単色モデル)を分析します。
ライナー装着の有無で、オールシーズン着られるモデルです。
ドイツ軍らしいリッチな作りが魅力ですね。
今回のアイテムもデッドストックですよ!
目次
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1 ドイツ陸軍戦車兵用オールシーズンカバーオール(OD単色モデル)とは?
あまり知られていませんが、戦車を初めて開発したのは、第一次大戦中(1915年)のイギリスの海軍でした。
膠着した塹壕(兵士が射撃したり身を隠したりするために地面に掘った溝)や鉄条網を波に例え、そこを苦もなく進んでいく「陸上軍艦」が必要だ…と考えたのが始まりです。
いやはや、全く凄い発想ですね。
(当時、どの国もそんなことは考えませんでした。)
でも当時の戦車は大きくて遅く、お世辞にも洗練されたものとはいえませんでしたよ。
(魅力的ではありましたが…。)
世界初の戦車(イギリス軍Mk–1)
通称「菱形戦車」
車体の後ろに、大八車みたいなドーリーがついているのが特徴です。
Twitterより引用
しかし、この新兵器は戦場に登場するや否や(〜as soon as)数年のうちに陸戦兵器の主役となったのでした。
因みに、戦車を英語で「タンク:Tank」と言いますが、これは1916年、初めて戦車が実戦投入された時にスパイを欺くため、「これは戦場に水を運ぶタンクだよ。」と嘯いて回ったのが始まりとされています。
しかし、この戦車の登場で、最も影響を受けたのは、開発したイギリスではなく、戦車に攻められたドイツでした。
第一次大戦後、戦車の開発を禁じられたドイツは、当時のソ連と条約を結び、密かに戦車の開発や運用方法についての検討を始めます。
その結果は、次の第二次大戦で遺憾なく発揮されるのですが…その話はまた後日。
ところで、戦車が実戦投入された時から、乗組員(戦車兵)には独特の装備が支給されました。
やはり、そこは専門職。一般兵科とは違う装備が必要だったのですね。
例:当時の戦車兵用フェイスガード
忍者が着ていた鎖帷子(くさりかたびら)のようですね。
Twitterより引用
今回のモデルは、戦後旧西ドイツが自国の戦車兵のために開発・支給した専用のカバーオールになります。
戦車兵のみならず、装甲車などの乗組員にも支給されましたよ。
地域特性もあるかもしれませんが、ここまでやるか?…感が満載の、ある意味世界最強の防寒カバーオールかも…。
さてさて、それはどんなカバーオールなのでしょうか?
今回は、現用ドイツ戦車マニアのみならず、真冬にキャンプを予定しているあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 全体及び細部写真です!
全体前面
前面上半身
前面下半身
全体背面
他国の戦車兵装備のように、レスキューハーネスが装備されていませんね。
背面上半身
背面下半身
前面上半身裏側
前面下半身裏側
タグ表
タグ裏
襟周りレイアウト
襟はジッパーで立てることができます。
エポレット
テーパーなしのラウンドタイプ。
マジックテープで開閉
右胸ポケット
左胸ポケット
左胸ポケット内にはペンポケットが。
ジッパーは上下から開くダブルジッパーです。
刻印は「YKK」
腰ポケット
左右にあります。
ジッパーで開閉
脇下の通気孔
合計8個
ふくらはぎポケットと足首ジッパー
ふくらはぎポケットの中にもペンポケットが。
足首にはマジックテープもあります。
袖
ややテーパーがついています。
袖口はジッパーとマジックテープで開閉
股間の通気孔
刺繍で6個あります。
左胸ポケットの裏側
ペンポケットのステッチがあります。
フロント裏側にはライナー用のボタンあり。
ウエストのドローコード
ロック付き
足首には裏側に別生地でライナー用ボタンホールが。
袖の付け根はしっかり補強されています。
ウエストのドローコードガイド
ヘリンボーンツイル(杉綾織)の丈夫な生地。
ライナー
(キルティングタイプ)
全体前面
前面上半身
前面下半身
全体背面
背面上半身
背面下半身
前面上半身裏側
前面下半身裏側
背面上半身裏側
背面下半身裏側
ライナータグ
サイズは一致していますね。
襟はジッパーをあげて折り畳み、タートルネックにすることができます。
前面にはライナー用のマジックテープがあります。
脇の通気孔
ライナーのジッパーも上下から開くダブルジッパーです。
これにより、ライナー単体でも着用可能ですね。
股間の通気孔
足首にはライナー用のボタンが。
ボタンは補強された後期型です。
(算盤型)
袖にもライナー用のボタンあり。
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3 その特徴とは?
生地はシェルがODのサテンに似たもので、厚みがありますが柔らかいです。
当時のドイツ陸軍装備全般に使用されていた生地と同じですね。
(少々茶色っぽいのが特徴です。)
ライナーはナイロン製で中綿はポリエステルです。
デザインは、一見パイロットスーツに似ていますね。
構成は、エポレット付き、胸ポケット×2、腰ポケット×2、ふくらはぎポケット×2でシンプルですが、手首、足首は着脱し易いようジッパーがついていますよ。
専用のライナーはキルトで単体でも着用できるように、ジッパーがついていますね。
ジッパーは珍しく全てYKK製で、今回のモデルのシリーズとしては、末期の製品のようです。
全体的な縫製は、正確かつ強固で、さすがドイツ製といったところですね。
この仕立てでこの価格なら、コスパは最高ですよ!
(特にライナーは素晴らしいです。)
4 製造とサイズのデータです!
製造・契約年度 1988年
製造場所 ドイツ
契約会社 ドイツ
製造会社 〃
材 質 コットン
ポリエステル
ナイロン
表記サイズ 175-185/95
(日本人のL〜XL)
各部のサイズ(平置)
着丈 約160cm
肩幅 約49cm
身幅 約57cm
袖丈 約62cm
ウエスト 約52cm
股下 約74cm
裾幅 約24cm
状 態 デッドストック
官民区分 官給品
入手場所 大阪の専門店
入手難易度 1(容易)
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5 まとめ
じつは、今回のモデル(数着保有しているうち、中古品の一着)をスキーウェアとして使用したことがあります。
1月の岐阜県舟山スキー場でしたが、全く寒さは感じなかったですね。
かなり暖かいカバーオールと言えます。
ただしバイクでは、ライナーの下に防寒下着やジャケットを着た方が良さそうですよ。
(元々車両内での活動を想定した衣類ですので、パイロット用ほど風には強くないようです。)
勿論作業にも使えますし、迷彩スモックなどと合わせて冬のサバイバルゲーム、狩猟、野鳥観測にも使えますよ。
シェルはコットンですが、ナイロンのように燃え上がることがないので、真冬のキャンプにもおすすめですね。
使えるカバーオールと言えるのではないでしょうか?
ところで今回のモデルは1990年代に廃止され、フレック迷彩のモデルにチェンジされました。
そのため今後このOD単色モデルは減ってゆく一方ですね。
でも2020年現在、さすがにデッドストックは減ってきましたが、中古品ならまだまだ入手可能です。
今のうちに入手しておきましょう。
またよく似たデザインで、メカニック(整備兵)用のカバーオールもあります。
購入時には間違えることのないようにしましょう!
今回は、とてもリッチな作りのドイツ軍戦車兵用カバーオールを分析しました。
いやー軍装品って、本当に素晴らしいですね!
それでは、また次回をお楽しみに!
(20231008更新)
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参考:他国の戦車兵装備に関する記事はこちらです。⬇︎
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今朝のウォーキングは寝坊して歩き始めが0500でした。😞
でも、ブク君(仮名)に会えましたよ!
元気そうでした。💕
(気のせいか顔が幼くなっているような、若返っているような…ブク君、エステ通ってる?)
朝早く出発する飼い主さんを見送ってましたよ。😍
ブク君、やはりできるニャンコかも!
読んでいただき、ありがとうございました。
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