今回は、1980年代のカナダ軍CVC(戦闘車両乗組員)ジャケットを分析します。
戦車や装甲車などの搭乗員用ジャケットですね。
とても面白いデザインですが、ある意味イギリス連邦の伝統的なデザインとも言えるのでは?
勿論、このデザインを「カッコ良いと思うか思わないか」は、あなた次第です!
今回は中古品ですが、程度は極上ですよ!
目次
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1 カナダ陸軍防寒CVCジャケットとは?
古今東西の戦車兵用装備は、他の兵科と違う独特の装備が支給される場合が多いですね。
戦場を駆け巡る歩兵や、パラシュート降下する空挺部隊など比較的広い空間を使用できる兵士と違って、装甲板で囲まれた狭い車内で主砲や機銃の操作を行う戦車兵には、全く違うコンセプトの装備が必要なのでしょう…。
(ある意味パイロットにも通じるところがあるかもしれません。)
そのため良心ある国は、戦車兵用に創意工夫を凝らした装備を開発しています。
また時代によっては、迷彩などを無視してエリート意識を高揚させたデザインを採用した時期もありましたね。
(第二次大戦中のドイツ戦車兵のスーツは上下ブラックでした!)
でも現在では、より動きやすく、各部に引っかからないような実用的なものが多く見受けられますね。
今回のモデルは、そんな戦車兵などの「戦闘車両乗組員:CVC」のためにカナダ軍が開発・支給したジャケットになります。
カナダは長らくイギリス連邦の国として、イギリス軍に酷似した被服を装備していましたが、さすがに近年は独自のデザインを追求しているようですね。
さてさて、それはどんなCVCジャケットなのでしょうか?
今回は、戦車兵用装備マニアのみならず、丈の短い防寒着をお探しのあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 全体及び細部写真です!
前面
表立ったポケットは前身頃のみですね。
着丈が短いのは、車内での操作性や居住性を高めるためと、おそらく専用のオーバーオールがあるためです。
背面
フードの下に、レスキュー(救助)用のハンドルが縫い付けられています。
前面裏側
前身頃のダブル(重ね合わせ)の部分が大きいですね。
これで風対策も万全?
背面裏側
インナーライニング(中綿:ウール)があるので、モコモコです。
前合わせはジッパーのみです。
タグ①
1988年契約品です。
タグ②
タグ③
ラグランスリーブながらエポレットがあります。
テーパー付きのクサビ型です。
エポレットの下にも小さなエポレットが!
用途は?
前身頃の垂直ジッパーポケットとペンポケット
最初からフードが付いているのが独特ですね。
フードの前縁にはワイヤー(銅線です。)が内蔵されています。
袖口はシンプルですが、ニットを内蔵しています。
前身頃内側には、左右に内ポケットがあります。
こうして見ると、シェルとライニングの生地の違いが顕著ですね。
背面裾には、ゴムとボタンホーのあるタブがあります。
ここにオーバーオールの一部を取り付けるようです。
では黒いゴムの用途はなんでしょう?
袖は丁度肘の辺りに縫い目があって、ここにはインナーライニング(中綿)が入っていません。
そのため、腕が曲げやすいですね。
フードはシンプルなデザインです。
シェルと違う生地が使用されていますね。
何処かに格納できるデザインではありません。
フード側面
イギリス軍の極地用スモックのようなデザインですね。
フード前縁にワイヤー(太めの銅線)を内蔵しているので、横にしてもフードの形を維持します。
サブデュード(低視認性)の国籍マーク
手の込んだ刺繍ですね。
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3 その特徴とは?
生地は、シェル(外皮)がOG(オリーブグリーン)コットン、ナイロン 混紡の防風織で、艶がなく独特のザラっとした肌触りです。
(記載はありませんが年代を考えると、もしかしたらノーメックス混じりなのかもしれませんね。)
少々硬い生地でもあります。
逆にライニングは、ナイロンの薄い生地でとても柔らかいですよ。
デザインは、最初からフードが取り付けられていて、襟がありません。
フードは格納する場所がなく、フード前縁にはワイヤーが内蔵されているので、折り畳んで背中に入れることもできなさそうです。
でも大きそうなので、戦車兵用ヘルメットを被ったままでも使えそうですね。
面白いのは、表面のポケットが前身頃に垂直ジッパーで開閉する一個のみで、後は内ポケットが左右にあるのみというところです。
また、前合わせは大きく生地が重なる、スーツで言うところのダブルになっていますよ。
大戦中のドイツ軍の戦車兵用ジャケットに似ていますね。
ウールのインターライニング入りなのでモコモコです。
そして少々重いジャケットです。
全体的な縫製は、材質の割に正確かつ丁寧で、カナダの高い技術を確認することができます。
4 製造とサイズのデータです!
製造・契約年度 1988年
製造場所 カナダ
契約会社 カナダ
製造会社 〃
材 質 コットン
ナイロン
ウール
表記サイズ M–L
(日本人のL)
各部のサイズ(平置)
着丈 約65cm
肩幅 約52cm
身幅 約59cm
袖丈 約64cm
状 態 中古極上品
官民区分 官給品
入手場所 ヤフオク
入手難易度 1(容易)
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5 まとめ
実際にこのジャケットを着用してみると、なんか鎧を着ている感じがしました。
分厚くてある程度重量もあって、「これ着てたら大抵のことは大丈夫!」と思えるジャケットですね。
また冬にバイクで使用してみましたが、特に問題はなかったです。
(でも専用のオーバーオールが欲しいと思いました。)
丈が短いのが良いですね。
少々フードが邪魔でしたが、ヘルメットを脱いだ時の雨や雪は防いでくれますよ。
ただし、ジャケットに撥水性や防水性はありません。
またナイロン100パーセントではないので、火にはやや強いと思いますが、過信は禁物のようです。
以前分析した「カナダ軍AFVスーツ」とコーディネートするのも良いですが、ファッションに自信のある方はボトムやインナーに工夫すると面白いかもしれませんね。
ひと頃全く見かけませんでしたが、最近はネットショップでも普通に見かけるようになりました。
しかも安価に入手できる場合が多いようです。
カナダ本国では、すでにデジタル迷彩のモデルに変更されているようですね。
(だからOG単色モデルは日本でも入手可能になったのでしょうか?)
このジャケットは、サイズも各種あって女性にもおすすめですよ!
私はペアで使用する、専用のオーバーオールを探してみたいと思います!
今回は、カナダ陸軍のCVC(先頭車両搭乗員)用防寒ジャケットを分析しました。
いやー軍装品って、本当に素晴らしいですね!
それでは、また次回をお楽しみに!
(20230930更新)
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参考:他のカナダ軍戦闘車両用装備品に関する記事はこちらです。⬇︎
その他のカナダ軍装備に関する記事はこちらです。⬇︎
各国の戦闘車両用装備に関する記事はこちらです。⬇︎
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読んでいただき、ありがとうございました。
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