今回は、1980年代のイギリス軍一般兵科用迷彩スモックを分析します。
P85(パターン1985)と呼ばれているモデルですが、今回は最初期型になります。
一部前作P63スモックの小物が使用されたりしていました!
今回は、使用感の少ない極上品ですよ!
目次
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1 イギリス陸軍一般兵科用迷彩スモック(DPM・P85最初期型)とは?
フォークランド戦争(1982年)の戦訓を取り入れ、P68スモックのデザインを大幅に変更し採用されたP85スモック。
(数字は採用年度を示しています。)
「戦闘服のロールスロイス」と称えられたP68より、汎用性が高く、使用できる温度帯も幅広くなりましたね。
このブログでも何種類かP85スモックを取り上げて記事にしました。
今回のモデルは、同じくP85スモックなのですが、これまでのモデルより少々違っている所がありましたよ。
元々、迷彩生地などはP68の余剰品などを用いて製造されたP85もあって、やはりある程度のバリエーションがあるのが特徴でした。
しかし今回のモデルは、その細部から最も初期に生産されたものではないかと思われます。
さてさて、それはどんなP85スモックなのでしょうか?
今回は、イギリス軍マニア、中でもDPMマニアのあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 全体及び細部写真
前面
背面
前面裏側
白色の生地に迷彩色がプリントされていますね。
背面裏側
ライニングは一部にしかない「ハーフライン」です。
前合わせはジッパーとボタンです。
裾下部までボタンあり。
タグ
NSNすら記載されていないシンプルなタグですね。
襟周りレイアウト
襟はボタンで立てることができます。
エポレット
殆どテーパーのないラウンド型です。
胸ポケット
折り返しはなく、マチがありボタンで開閉
腰ポケット
こちらも胸ポケットと同様です。
袖
僅かにテーパーが付いています。
袖口はタブとマジックテープで開閉
左袖ポケット
2つのコンパートメントに分かれています。
ボタンで開閉
背面は一枚生地ではなく、ウエストの部分で裁断されています。
ジッパー
刻印は「OPTI」
ジッパー下端は縫い付けられていません。
背面上部のライニングは完全に縫い付けられていません。
(通気性の確保ですね。)
ウエストのドローコードは左右にあります。
背面裾裏側の大型ポケット
地図などを入れておくもののようです。
裾前部裏側のドローコード
前身頃裏側にある内ポケット
オープンタイプで左右にあります。
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3 その特徴とは?
迷彩は、ホワイトの生地にダークイエロー、グリーン、ダークブラウン、ブラックを用いて、刷毛で小さく丸く塗ったようなパターンをプリントしています。
これが有名なDPMですね。
迷彩色調とパターンは、P68スモック末期型と同じで、ダークブラウンとブラックの色調差があまりなく、ダークイエローとグリーンの面積が大きいのが特徴です。
迷彩比較
今回のモデル
P68末期型
一般的なP85
生地は、やや厚く…でも柔らかいコットン製でサテンに似た織り方がされていますよ。
(いわゆる防風(ウインドプルーフ)織ですね。)
デザインは標準的なP85と同じで、コートタイプですね。
構成は、エポレット付き、胸ポケット×2、腰ポケット×2、左袖ポケット、内ポケット×2、背面裾裏側大型ポケット。
ライニングは一部にしか設けられていない「ハーフライン」です。
今回のモデルは、それまでにない簡素なタグが付いていました。
(平均的なP68よりもあっさりしていますね。)
また、使用されている各ボタンは、グリーンというよりは、ブルーグレイとも言えるもので、一部のP68スモックに似たものが使用されています。
全体的な縫製は、とても丁寧かつ正確で、強度も十分です。
4 製造とサイズのデータ
製造・契約年度 1980年代
製造場所 イギリス
契約会社 イギリス
製造会社 〃
材 質 コットン
表記サイズ 170/104
(日本人のL〜XL)
各部のサイズ(平置)
着丈 約78cm
肩幅 約49cm
身幅 約60cm
袖丈 約58cm
状 態 中古極上品
官民区分 官給品
入手場所 名古屋の専門店
入手難易度 3(困難)
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5 まとめ
標準的なP85スモックのタグには、契約番号や場合によっては洗濯方法まで記載されていますが、今回のタグは必要最小限の表記でしたね。
以前分析したP68迷彩のP85のタグにも似ていますが、今回はNSN(国際物品番号)すら記載されていませんでした。
ボタンの種類、タグの記載内容、迷彩生地などを見ると、やはり試作型〜最初期生産型のP85と判断すべきもののようです。
…とはいえ、官給品といえど製造誤差が多いイギリス軍の迷彩(DPM)スモック。
今回のモデルも単なる誤差の可能性もありますね。
今後もサンプルを集めて検討したいと思います。
さて今回のP85ですが、P68ほど重くなく、迷彩(DPM)もメリハリが効いていて、日本のフィールドでも実力を十二分に発揮してくれそうですね。
サバイバルゲームは言うに及ばず、狩猟、野鳥観測、キャンプ、登山そして秋から冬のファッションにも使えますよ。
単体での防寒性能はP68スモックよりやや劣りますが、各種ライナーを併用することで、防寒性能も飛躍的にアップします。
本当に汎用性の高いスモックと言えるのではないでしょうか?
幸いにも、P85スモックはP68ほどの人気がありません。
(何故でしょう?)
そのため最初期型にこだわらなければ、比較的容易に、そして安価に入手できるのも助かりますね。
あなたも今年の秋から冬に、P85スモックを試してみませんか?
今回は、一般兵科用P85迷彩スモックの最初期型と思われるモデルを分析しました。
いやー軍装品って、本当に面白いですね!
それでは、また次回をお楽しみに!
(20240624更新)
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参考:他のイギリス軍DPMスモックに関する記事はこちらです。⬇︎
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読んでいただき、ありがとうございました。
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