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【アメリカの軍服】海軍パイロットスーツ(ナイロン・ライトウエイト・OD)とは? 0441 🇺🇸ミリタリー

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今回は、1950年代のアメリカ海軍ナイロン製パイロットスーツを分析します。

国内の有名な専門誌でも、取り上げられることが殆どないアイテムですね。

いくつか問題もあったスーツのようです。

残念ポイントもありますが、程度は良好ですよ!

   目次

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1  アメリカ海軍パイロットスーツ(ナイロン・ライトウエイト・OD)とは?

第二次大戦前に、絹に変わる女性用ストッキングの代用素材としてアメリカで開発されたナイロン。

 

軽く、引っ張り強度があり(一説には鉄以上とか?)、繊維があまり水分を含まないことから、航空衣料の分野にも用いられるようになりました。

 

勿論フライトジャケットや今回のモデルのようにパイロットジャケットもありましたよ。

 

特にアメリカは、繊維開発国でもあり、航空衣料の分野でも進んでいたことから、数多くの製品を開発しましたね。

 

今回のモデルは、大戦後間もなくにアメリカ海軍が一番最初に採用した(であろうと思われる)パイロットスーツになります。

 

でも、不審な点が多く、現時点では正体不明です。

 

何故なら、通常あるべきものがなかったからです。

 

さてさて、それはどんなパイロットスーツなんでしょうか?

 

今回は、アメリカ海軍パイロット装備マニアのあなたと一緒に、確認していきましょう!

 

なお今回のパイロットスーツは、約70年前に製造された敏感なアイテムなので、破損を考慮しアイロンを当てずに撮影しました。

 

そのためシワが多くお見苦しい点があると思いますが、予めご了承ください。

2  アメリカ海軍パイロットスーツの全体及び細部写真

全体前面

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前面上半身
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前面下半身
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全体背面
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背面上半身
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背面下半身
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前面上半身裏側

襟の裏が明るい生地になっていますね。
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前面下半身裏側

よく見ると、ふくらはぎポケット内側生地が違っていますね。
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背面上半身裏側
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背面下半身裏側
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タグ

普通記載されるべき、モデルの形式番号や契約年度を示す記号等がありません。

厳格なアメリカ海軍モデルでは異例です。
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胸ポケット

ボタンで開閉
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脇の処理は、G–1などに似ていますね。
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腰のスリット

こちらもボタンで開閉
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膝には平行四辺形の補強生地あり。
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スネのポケット

ボタンで開閉

中にベージュの生地が!
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この時代には珍しく、立体裁断です。
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左袖のペンポケット
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背中のアクションプリーツ
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ウエストのサイズ調整タブ

ボタンはライトブラウンのプラスティック製
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臀部の部分は綻びを手縫いで修理してありました。

このモデルは、ここが弱いですね。
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ふくらはぎ(後部)のポケット

ジッパーで開閉

ここにポケットがあっても、使い辛いですね。
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生地は薄く天井の蛍光灯が透かして見えました。
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ジッパー

刻印は「TALON」

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3  その特徴とは?

生地はOD(オリーブドラブ)の薄いナイロン製で、とても軽量です。

 

蛍光灯にかざすと、向こう側が透けて見えるくらい薄いですよ。

 

勿論通気性も抜群です。

 

ただし、とても弱いです。

 

現存しているこのスーツは、どこか破れたり裂けたりしているものが多いですね。

(初期のナイロンなので、或いは生地が劣化しているのかも知れませんが…。)

 

今回のモデルも臀部中央の縫い目が破れていて、のちに手縫いで補修されていますよ。

 

デザインは、丸襟、胸ポケット×2、スネポケット×2、ふくらはぎポケット×2、左右腰スリットです。

 

これは、第二次大戦中に採用されたコットン製のパイロットスーツのデザインを踏襲しているようですね。

(足のポケットは、「紅の豚」のフィヨが着ていた飛行服に、なんとなく似ていますね。)

 

でも、ウエストの調整タブや腰のスリットなど、現代にも通じるものもありますよ。 

4  製造とサイズのデータ

・製造又は契約年度 1950年代

・製造場所     アメリカ

・契約会社     アメリカ

・製造会社      〃

・材  質     ナイロン

・表記サイズ    38M

         (日本人のL)

・各部のサイズ(平置)

          着丈 約152センチ

          肩幅 約45センチ

          身幅 約55センチ

          袖丈 約56センチ

        ウエスト 約49センチ

          股下 約69センチ

          裾幅 約25センチ

・状  態     中古並品

・官民区分     官給品

・入手場所     愛知県の専門店

・入手難易度    3(困難)

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5  まとめ

実は同時期にアメリカ空軍でもナイロン製の軽量なパイロットスーツが開発されていました。

 

生地の織り方も似ていましたが、この種のさらっとした生地のパイロットスーツは廃れていきました。

 

何故でしょう?

 

それは実際に着用して、汗をかけばわかります。

 

生地が殆ど汗を吸わないので、ずっと汗が残っているイメージです。

(ベトベトしてきてやや不快になります。)

 

地上で草刈りするだけでもそうなので、パイロットが着用して空戦とかすると、もっと身体に影響があるかもしれませんね。

 

現代のCWU–27Pなどは、織り方を工夫して、表面積を増やし速乾性を追求しているようですが、今回のモデルはそこまで考えられていないようです。

 

今回のモデルは、実用よりコレクション向きだと思いますね。

 

ところで生産数が少なかったのか、このパイロットスーツもあまり見かけません。

 

入手は困難品と言えます。

 

でも、アメリカ海軍マニアには必須アイテムです。

 

ぜひ探し出してコレクションしてください。

 

購入の際には、必ず破損を確認しましょう。

 

あと、表記サイズより僅かに小さいようです。

 

1サイズ大きいものを購入するのが良いかもしれません。

(生地に注意して試着してみましょう。)

 

今回は、アメリカ海軍の珍しいフライトジャケットを分析しました。

次回は、梅雨時に相応しい、アメリカの熱帯用ジャケットを分析します。

お楽しみに!

(20211024更新)

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参考:他のアメリカ海軍パイロットスーツに関する記事はこちらです。⬇︎

www.military-spec-an.com

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 その他のアメリカ軍パイロットスーツに関する記事はこちらです。⬇︎

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読んでいただき、ありがとうございました。

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