今回は、1980年代のアメリカ軍迷彩ユニフォームを分析します。
以前、同じ迷彩の一般用ジャケットを分析しました。
今回は、軽量な生地を用いた熱帯用ですね。
一部の生地に変色があり、上下で契約年度が違っていますが、デッドストックですよ!
目次
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1 アメリカ軍迷彩ユニフォーム(ウッドランドパターン・リップストップ)とは?
第二次大戦中から現代までのアメリカ軍をじっくり観察すると、あらためて凄い軍隊だということがわかります。
比較的大きな戦力を投入したという観点から見ると、北アフリカ、ヨーロッパ、太平洋の島々、朝鮮半島、ベトナム、中東…など殆どの地域で戦闘を経験していますね。
その戦闘で得た教訓・戦訓は、すぐさま兵器や装備に反映される所がまた素晴らしいです。
個人装備としては、砂漠、熱帯雨林、極寒地という過酷な環境下でも戦力を維持できるよう、過去の戦争では工夫を重ねた衣類を開発・支給してきました。
今回のモデルは、そんなアメリカ軍が熱帯のベトナム戦争で得た経験を基に開発・発達した迷彩ユニフォームです。
一時期はアメリカ全軍(陸・海・空・海兵隊)で支給されましたね。
主に熱帯や気温の高い場所で使用されていました。
その迷彩パターンとデザインは、洋の東西を問わず世界中でコピーされていますよ!
さてさて、それはどんな迷彩ユニフォームなのでしょうか?
今回は、アメリカ軍装備マニアのみならず、迷彩服をファッションに取り入れたいあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 全体及び細部写真です!
ジャケット
前面
背面
前面裏側
左半身主体に生地が変色していますね。
これは製造前からのようです。
背面裏側
襟周りレイアウト(開襟)
前合わせはボタンのみ。
タグ①
タグ②
1985年度契約品です。
胸ポケット
腰ポケット
袖
立体裁断ですね。
袖口はボタンで開閉・調整
袖の補強生地
ウエストのサイズ調整タブ
後のモデルでは、廃止されましたね。
ボタン
トラウザーズ
前面
背面
前面裏側
各ポケット内側の生地は、少々色調が替わっていますね。
前合わせのフラップに注意!
背面裏側
前合わせ裏側にはフラップが!
ボタンで開閉
前合わせともどもボタンで開閉
タグ①
タグ②
トラウザーズは1990年度契約品です。
裏地の各種スタンプ
右側面レイアウト
ウエストのサイズ調整ストラップ
艶消しブラックの金属製バックルにコットン製ストラップ
腰スラントポケット
ヒップポケット
ボタンで開閉
膝カーゴポケット
大容量です。
プリーツ付きでポケットフラップ前縁は縫い付けられていますね。
ボタンで開閉
膝補強生地
裾はほとんどストレート
ベルトループ背面中央は左にオフセットされていますね。
臀部の補強生地
裾のドローコード
内側から取り出していますね。
ナイロン製です。
裾背面で縫い付けられています。
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3 その特徴とは?
迷彩は、ベトナム戦争時に開発されたERDL(俗にリーフパターンと呼ばれています。)迷彩の拡大、色調変更版ですね。
(詳しくは M65フィールドジャケットにみるリーフパターン迷彩とウッドランド迷彩の違いを参照願います。)
ミントグリーン、またはグレイグリーンの生地に、タン、ダークグリーン、ブラウン、ブラックで雲や葉のような模様をプリントしていますよ。
この起源は大戦中のドイツ軍が開発した「ライバーマスター」迷彩ですね。
写実的な物体や背景ではなく、複数の色彩を用いた抽象的な模様で構成された迷彩パターンが特徴です。
生地は、熱帯用の薄いコットン製でリップストップ(解れ防止)加工済。
これはベトナム戦争中に導入されたもので、生地に穴が開いてもそこから大きくならないような独特の織り方になっています。
(表面が格子状になっているのが特徴です。)
デザインは、直前のいわゆるLCリーフ迷彩ユニフォームの一部を改造・簡略化したもので、4ポケットのジャケットタイプ、膝の大容量カーゴポケットが特徴です。
構成は、ジャケットが胸ポケット×2、腰ポケット×2、全てボタンで開閉。
トラウザーズは、腰スラントポケット×2、ヒップポケット×2、膝ポケット×2で、こちらも全てボタンで開閉します。
面白いのは、前合わせの裏に専用のフラップがあるところですね。
熱帯用なので防寒目的ではなく、おそらく害虫の侵入防止だと思われます。
全体的な縫製は、やや雑ですが強度は十分な、アメリカ軍スタンダードです。
…でも今回のモデルは、生地が変色していたり、ベルトループに縫製ミスがありました。
(もしかしたら検査落ちの製品だったのかも?)
4 製造とサイズのデータです!
製造・契約年度 1985年、90年
製造場所 アメリカ
契約会社 アメリカ
製造会社 〃
材 質 コットン
ナイロン
表記サイズ M–S
(日本人のL)
各部のサイズ(平置)
ジャケット
着丈 約76cm
肩幅 約45cm
身幅 約59cm
袖丈 約63cm
トラウザーズ
ウエスト 約cm
着丈 約cm
股上 約cm
股下 約cm
裾幅 約cm
状 態 デッドストック
官民区分 官給品
入手場所 愛知の専門店
入手難易度 2(やや困難)
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5 まとめ
以前、一般用のウッドランドパターン迷彩ジャケットを分析しましたが、生地がやや厚いモデルでしたね。
それに比べると、今回のモデルは本当に軽量で、いかにも熱帯用という印象です。
(生地はベトナム戦争中に開発された通称「ジャングルファーティーグ」そのものですからね。)
迷彩も目に慣れている(?)からでしょうか?
現在の各種デジタル迷彩やマルチカムより、フィールドや都市でも効果が高い気がしますね。
(私見)
あなたはどう思いますか?
ところで、今回のモデルは中古品なら数も多く、各種程度のものが普通に入手できます。
しかしデッドストックは、だんだん数が減ってきていますね。
マニアのあなたは、状態の良いものやデッドストック、フルパッチ(ワッペン)付きの個体は早めに購入しておきましょう!
また、これから迷彩服をファッションに取り入れようとしている初心者のあなたにピッタリなアイテムですね。
お安い中古品から始めるのが良いと思いますが、極上品を探してみるのも楽しいかもしれませんね。
どうしても未使用新品が欲しいあなたは、忠実なモデル品も販売されているので安心です。
いずれも大手通販サイトで取り扱われているので、いつでも誰でも入手可能ですよ!
私は、同じメーカーの同じ納入年度の上下デッドストックを探してみようと思います。
今回は、有名なウッドランド迷彩ながら軽量な生地で製造されたアメリカ軍熱帯用迷彩ユニフォームを分析しました。
いやー軍装品って、本当に素晴らしいですね!
それではまた、次回をお楽しみに!
(20240219更新)
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参考:他のアメリカ軍ウッドランド迷彩装備に関する記事はこちらです。⬇︎
他のアメリカ軍装備に関する記事はこちらです。⬇︎
他国軍の迷彩服に関する記事はこちらです。⬇︎
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読んでいただき、ありがとうございました。
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