今回は、1960年代のアメリカ空軍のナイロン製フライトジャケットL-2Bを分析します。
大阪にある有名なSHOP製のモデル品ですね。
現代も続く有名フライトジャケット復刻ブーム初期の製品です。
少々傷んでいますが、着用は可能ですよ!
目次
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1 アメリカ空軍フライトジャケットL-2B(ナイロン製・初期型・モデル品)とは?
アメリカ軍のフライトジャケットは、その使用区分が概ね決められています。
そのうち「ライトゾーン」とは、気温が+10℃〜+30℃の範囲のことを指します。
この温度帯で着用するフライトジャケットが、有名なA-2やCWU-36Pでしたね。
L-2Bもこの温度帯で使用するフライトジャケットになります。
ライニング(内張)はありますが、インナーライニング(中綿)はなくて保温力としてはMA-1やG-1には劣りますが、逆に軽量なため秋や春には重宝するジャケットと言えます。
今回のモデルは、大阪の老舗が製造したL-2Bのモデル品なのですが、なんでも一部のパーツには実際に当時の官給品L-2Bに使用されていたものをわざわざ探し出して取り付けてあるとか?
モデル品と官給品の「ハイブリット」とも言える製品ですね。
さてさて、それはどんなフライトジャケットL-2Bなのでしょうか?
今回は、アメリカ空軍フライトジャケットマニアのみならず、肌寒い秋に使用できる軽快なジャケットをお探しのあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 全体及び細部写真です!
前面
背面
前面裏側
背面裏側
襟周りレイアウト
前合わせはジッパーとダットファスナーです。
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ちゃんとメーカー名を入れているのが良心的ですね。
ライニングの空軍マークも再現
エポレットはテーパー付きのクサビ型
胸ポケット
ダットファスナーで開閉。
ポケットフラップは幅が狭いタイプ。
ポケット内側の生地はシェルと同じです。
胸の酸素マスク用タブ
L–2Bは頑丈なナイロン製
前見頃下端の三角タブ
初期から中期L–2系の特徴ですね。
袖
テーパー付きで立体裁断?
袖ポケット
ジッパーは「CROWN」
メインジッパーのプルタブ
袖ポケットのジッパーと同じメーカー
袖ニット
裾ニット
背面肩のステッチ
左袖のアメリカ空軍マーク
(下の文字はほぼ消失)
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3 その特徴とは?
シェルは、セージグリーンのナイロン製ですが、カラーはややくすんでいて洗濯を繰り返したような淡い色調です。
一方ライニングは、光沢のあるウールとレーヨン混紡ですが、カラーはやや黄色みが強いセージグリーンですね。
デザインは、エポレット付き、胸ポケット×2、袖ポケットで、襟、袖、裾にはニットを配しています。
今回のモデルは、L-2Bの中でも初期の片式になります。
識別点は、前見頃の酸素マスク用タブですね。
ところで、このモデルが発売された当時の広告によりますと、
- ライニング
- ダットファスナー
- 各ジッパー
が官給品と同じものが使用されていると記載されていますね。
驚いたのはメインのジッパーで、動きがとても滑らかだったことです。
(まるでYKK製のようですよ。)
ただし、とても繊細なジッパーなので、アメリカ人がよくやるジッパー半開きで着用すると、場合によっては破損するかもしれません。
(ジャケット自体の重量を抑えるために、このジッパーが採用されていたと思われます。)
取り扱い注意ですね。
(ゆっくり動かすようにしましょう!)
全体的な縫製は、丁寧かつ正確で日本の高い技術で仕立てられていますよ。
因みに同時期の同社製品には、L-2A、B-15D(MOD)、MA-1があったような記憶があります。
(うろ覚えです。)
4 製造とサイズのデータです!
製造・契約年度 1980年代
製造場所 日本
契約会社 日本
製造会社 〃
材 質 ナイロン
レーヨン
ウール
表記サイズ L
(日本人のL)
各部のサイズ(平置)
着丈 約59cm
肩幅 約48cm
身幅 約62cm
袖丈 約58cm
状 態 中古並品
(破損あり)
官民区分 民生品
入手場所 大阪の専門店
入手難易度 2(困難)
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5 まとめ
現在でこそ、数多のL-2B初期型のモデル品がありますが、今回のモデルが販売された当時は少数派でしたね。
当時は、やはりMA-1が圧倒的な人気でした。
そんな時にわざわざこのモデルを販売するというのは、とても勇気が必要だったのでは?
(尤も、それが正解だったことは、現在の状況が証明していますね。)
そもそもインターミディエイトゾーン(–10℃から+10℃)を担当するMA-1は、たとえば本日現在(10月21日)着用すると少々暑苦しいですね。
(中綿が入っているから当然ですよね。)
また、公共交通機関や私有車が発達した現在では、ややオーバースペックかもしれません。
その点L-2B(を含めたL-2系)ならより気温に適していて、かつ軽快な着用感がられますよ。
(このモデルも春秋向けのジャケットですね。でも着込めば冬でも着用できます。)
シェルがナイロンなので火気には弱いですが、汎用性の高いジャケットということに変わりありません。
惜しむらくは、今回のモデルは既に販売が終了していることですね。
その代わりとしては、後発のメーカーから各種グレードのモデル品が販売されているますよ。
どうしても今回のモデルが欲しいあなたは、国内のオークションをのぞいてみましょう。
不定期ながら出品されていますよ!
今回は、モデル品ながらよく出来たアメリカ空軍フライトジャケットL–2Bを分析しました。
いやー軍装品って、モデル品も本当に素晴らしいですね!
それでは次回をお楽しみに!
(20240227更新)
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参考:他のアメリカ空軍フライトジャケットに関する記事はこちらです。⬇︎
各国軍のフライトジャケットに関する記事はこちらです。⬇︎
他のアメリカ軍装備に関する記事はこちらです。⬇︎
ベトナム戦争における関係国装備に関する記事はこちらです。⬇︎
各国軍の単色衣類に関する記事はこちらです。⬇︎
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読んでいただき、ありがとうございました。
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