今回は、1940年代のアメリカ陸軍ミュゼットバッグを分析します。
いわゆる「雑のう」ですね。
大戦中のアメリカ映画では、重要な脇役だったりしています。
使用感がありますが、程度は良い方ですよ!
目次
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1 アメリカ陸軍ミュゼットバッグ(アメリカ製)とは?
このブログでも度々話題にしている1940年代のアメリカ映画「頭上の敵機」
指揮官とはこうあるべきだ…というのを取り上げた、素晴らしい映画でしたね。
(航空自衛隊では一時期、幹部候補生教育の一環で紹介していましたよ。)
主演はグレゴリーペック!
第二次大戦中のアメリカ陸軍航空隊のお話でした。
映画の詳細は…こちらをご覧ください。⬇︎
軍装品マニアとしては、B–17爆撃機の実機を使用した撮影や、パイロット、クルー、地上勤務員が着用しているジャケットや装備が、大戦当時のものということに大感激しましたね。
(戦後間もなく、しかも朝鮮戦争前の映画なので当然ですが…。)
この映画の中で、興味深いシーンがいくつかありました。
中でも私が意外に思ったのは、冒頭約39分くらいのシーンです。
新しい司令官として赴任したペックが、部隊の部屋で自分の雑嚢からチョコレート(またはクッキー?)を出して食べていました。
問題(?)のシーン
(映画「頭上の敵機」より引用後加工)
特徴あるサイドの小ポケットに注意!
その雑嚢は、一般の歩兵にも支給されているもので、普通「准将」が使うかな?…とも思いましたが、もしかしたら全将兵に支給されていたのかもしれませんね。
今回のモデルは、そのバッグになります。
「ミュゼットバッグ」と呼ばれていて、第一次大戦期から使用されているアメリカ陸軍伝統の装備ですね。
(ミュゼットとはフランス語で肩紐のついた小さいカバンのことです。)
見た目より容量が大きく、当時の兵士に愛用されました。
(映画「プライベートライアン」でも強面軍曹が、ノルマンディの砂を詰めた缶を無造作に入れてました。あのバックです!)
さてさて、それはどんなバッグなのでしょうか?
今回は、第二次大戦中のアメリカ陸軍装備マニアのみならず、映画ファンのあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 全体及び細部写真です!
前面
背面
左側面
右側面
小ポケットあり。
金属製ボタンで開閉
底面
底面左右にはDリングあり。
上面
2本のストラップ
ストラップはバックルで長さを調整駅ます。
背面側には大きなポケット。
金属製ボタンで開閉。
背面ストラップのフック
前面のストラップとバックル。
バックルはストラップを2回通すタイプ。
バッグの中は4つのコンパートメントに分かれています。
背面内側に用途不明のループがありますね。
上蓋表面のスタンプ
上蓋裏側のスタンプ
オプションパーツのショルダーストラップ
途中にバックルで長さを調整できます。
左右端にDリングがありバッグ背面のストラップに連結できます。
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3 その特徴とは?
バッグ本体は、カーキに染められたキャンバス製で、厚くしっかりした生地です。
使用されている生地には数種類あって、中にはとても硬いものやゴムがコーティングされたものもありましたよ。
ポケットは、外側に大小2個、内側に3個、バッグ本体も含めると、合計6個ものコンパートメントに分かれています。
上蓋は2本のストラップで開閉。
でも、バッグについているバックルは、ストラップを2回通さなければならない少々面倒なものですね。
面白いのは、本体に2本の金属製フック付きストラップがあって、オプションのショルダーストラップを取り付けたり、当時のM36サスペンダーに連結することができるところです。
そのため、バッグ本体では単体の使用が難しいですね。
(ストラップ同士を繋げれば、ハンドバックとしては使用可能ですが、フックで手を痛めるかも?)
全体的な縫製は、少々雑ですが、強度は必要十分ですよ。
余談ですが、このミュゼットバッグには、アメリカ製とイギリス製がありました。
全体形は似ていますが、イギリス製は、生地や金具にイギリス軍のものが使用されているので一眼でわかります。
また、生地のカラーも少々違っていましたよ。
4 製造とサイズのデータです!
製造・契約年度 1942年
製造場所 アメリカ
契約会社 アメリカ
製造会社 〃
材 質 コットン
各部のサイズ 縦 約29cm
横 約30cm
底部のマチ 約15cm
状 態 中古良品
官民区分 官給品?
入手場所 名古屋の雑貨屋
入手難易度 3(困難)
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5 まとめ
今回のモデルは、じつは少々迷っているところがあります。
もしかしたら、モデル品かもしれません。
全体的な汚れがあり、かつ各金属部品は官給品とよく似ていますが、 生地が比較的柔らかいのが気になるところです。
(オプションのストラップは官給品です。)
今後も識別できるよう、サンプルを入手するなど調査を「ケイゾク」します。
それはともかく、このバッグのデザインは後に各国のボーイスカウト用バッグだとか、フランス軍、中共人民解放軍、そして自衛隊でも参考にして同じ用途のバッグが開発・採用されました。
勿論、容量やショルダーストラップなど、大きくデザインを変えたモデルもありますが、原型はこのミュゼットバッグなのでは?…と思っています。
多くの兵士に愛用されたように、意外に大きい容量、多数のポケットなど、使い勝手は抜群ですね。
ただし、ショルダーストラップを別に購入しなければならないのは少々不便かもしれません。
(モデル品の中には、通常のショルダーストラップモデルもあり!)
でも大戦中のアメリカ軍の再現には、必要不可欠なアイテムですよね。
2021年現在、当時の官給品は品薄で高価です。
実用やヒストリカルゲームでは、各種モデル品を使用するのが良いようですね。
官給品、モデル品に関わらず、購入する場合は必ず状態を確認して汚れや破損に注意しましょう。
また、海外のモデル品(傑作が多い!)を購入する場合は、送料に気をつけましょう。
(場合によっては、バッグ本体の3〜4倍も吹っかけられることも…。)
私は、イギリス製のミュゼットバッグと、当時のアメリカ製デッドストックを探してみたいと思います。
今回は、大戦中のアメリカ軍兵士愛されたミュゼットバッグを分析しました。
いやー軍装品って、本当に素晴らしいですね!
それでは、また次回をお楽しみに!
(20230915更新)
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参考:今回のミュゼットバッグと同時期のアメリカ陸軍装備に関する記事はこちらです。⬇︎
✳︎ ✳︎ ✳︎
読んでいただき、ありがとうございました。
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