今回は、1980年代のアメリカ軍防寒デッキジャケットPX品(基地内の売店などで販売されている官給類似品)を分析します。
軍へ官給品を納入しているメーカー製で、基地内の売店などで販売されているモデルになります。
知ってか知らずか、日本では官給品として販売している場合がありますね。
紛らわしいので、これを機会に識別眼を養いましょう!
今回のアイテムは、私が20年以上愛用している中古品ですよ!
目次
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1 アメリカ海軍A-2防寒デッキジャケット(PX品)とは?
世の軍隊で支給される衣類には、一人当たりの定数があって無制限に貸与される訳ではありません。
そして支給された衣類が破損すると、新品に交換…という場合もありますが、多くは修理に出します。
(官給品:国民の税金で調達した物品なので、大切に長く使うのは当然のことですよね!)
例えば、ユーティリティユニフォームやBDU(バトルドレスユニフォーム:戦闘服)などは、兵士一人に二着くらい貸与されるので、一着を修理に出しても問題は少ないです。
でも防寒着は、基本一人一着なので修理に出してしまうと、もう代替衣料品がありません。
また修理ならずとも、クリーニングに出したりしたら、もう防寒着は着られませんよね。
(無精な兵士は汚れてもずっと使い続けているため、各国軍の防寒着の中には、極端に程度の悪いものがあるのも特徴ですね。)
そこで兵士によっては、予備品として私費で各種衣類を購入する場合があるようです。
今回のモデルも、そんな海軍水兵のために製造されたモデルになります。
勿論、官給品と機能や性能は変わりませんね。
(価格は数千円という情報もあります。予め政府が補助しているのでしょうか?)
でも、やはり官給品とは違う箇所がありましたよ!
さてさて、どこが官給品と違うのでしょうか?
今回は、アメリカ海軍マニアのみならず、気軽に使用できる防寒ジャケットをお探しのあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 全体及び細部写真です!
前面
襟、肩、袖が薄茶色に変色しているのは、汚れではなく生地のナイロンが紫外線で変色した所です
(アメリカ製ナイロンは、こんな変色が多いですね。)
背面
前面裏側
ほぼ全面にボアのライニングがあります。
背面裏側
タグ
何か重要な記載事項が抜けていますね。
襟周りレイアウト
襟の変色が顕著ですね。
前合わせはジッパーとボタンです。
胸ポケット
ダットファスナーで開閉
腰ポケット
オープンタイプですが深くて、内容物を落とすことは殆どなかったですね。
上下の補強も完璧です。
ポケット内の生地はシェルと同じです。
裾のサイズ調整ストラップ
金属製のバックル
バックルはブルーイング(黒染め)です。
(初期型はOGに塗装されていました。)
脇のデザイン
お馴染みのステッチ
袖はテーパーが付いています。
袖口は二重で、内側はニットです。
ボタン
ODの肉厚プラスティック製
ジッパー
古いタイプの「YKK」製
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3 その特徴とは?
生地はコットンとナイロン混紡のサテンです。
緻密に織られていて風を通しませんね。
また、ボアのライニングがほぼ前面にあって、保温力に一役買っていますよ。
デザインは、官給品A–2ジャケットの後期型そのものです。
構成は、エポレットなし、胸ポケット、腰ポケット×2で、袖は二重袖、裾にはサイズ調整ストラップがあります。
全体的な縫製は、官給品と同様で少々雑ですが強度がある「アメリカンスタンダード」ともいえる仕立てですね。
官給品との識別点①
ボタンの違い
上:今回のモデル(PX品)
下:官給品
PX品は、ジャングルファーティーグや現代のBDUと同じボタンですが、官給品はかつての陸軍ユーティリティユニフォームのボタンに近いですね。
官給品との識別点②
タグの記載内容
上:今回のモデル
下:官給品
NSN(ナショナルストックナンバー:国際物品番号)は一致しています。
しかしPX品には、大切な契約番号が記載されていません(⬜︎参照)でした。
(契約番号冒頭の「DLA」は時代によって「DSA」「SPO」などと変更されています。)
4 製造とサイズのデータです!
製造・契約年度 1980年代
製造場所 アメリカ
契約会社 アメリカ
製造会社 〃
材 質 コットン
ナイロン
表記サイズ L
(日本人のL)
各部のサイズ(平置)
着丈 約72cm
肩幅 約50cm
身幅 約64cm
袖丈 約64cm
状 態 中古並品
官民区分 民生品
入手場所 大阪の古着屋
入手難易度 2(やや困難)
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5 まとめ
今回の識別点は、最も判り易い点を挙げてみました。
ただし、製造時期によってはタグの大きさや記載内容が僅かに違っている場合もあります。
また、ボタンも全て付け替えている恐れ(そんな手間を掛けてもコスパ悪いのですが。)もありますし、タグが外されている場合もありますよ。
(基本、タグのないものはコレクションとして購入しない方が良いかも。)
気になるジャケットを発見したら、総合的・俯瞰的に観察してみることが大切ですね。😃
(まず自分の知識を高め、お店や出品者の主張を鵜呑みにしない…そんなことがコレクションを充実させるコツのようです。)
さて今回のジャケットは、(コレクター界隈では)PX品なので本来は官給品よりやや価値が下がるとされています。
しかし今回のモデルを官給品として高価格で販売しているSHOPが少なからずありますね。
マニアは勿論、官給品にこだわりのないあなたもしっかり識別して、その価格が本当にその商品に適切なものか判断することができればベストですね。
ただし、今回のモデルも一着の防寒着としてみた場合、かなり優れた性能を持っているジャケットです。
実用には申し分ないため、実用目的で敢えてPX品を入手するというのも一手かもしれませんね。
(普通は少し安価ですし…。)
これからの季節におすすめのジャケット…というのは変わっていません。
勿論、PX品と言えどもデッドストックはもう殆どありません。
ですが中古品に抵抗のあるあなたには、忠実なモデル品がありますので、こちらをおすすめします!
今回は、PX品のアメリカ軍A-2デッキジャケットを分析しました。
いやー軍装品って、本当に素晴らしいですね!
それでは、また次回をお楽しみに!
(20240228更新)
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参考:他のA-2系防寒デッキジャケットに関する記事はこちらです。⬇︎
他のアメリカ海軍デッキジャケットに関する記事はこちらです。⬇︎
その他のアメリカ海軍防寒衣料はこちらです。⬇︎
他のアメリカ軍装備に関する記事はこちらです。⬇︎
各国軍の防寒装備に関する記事はこちらです。⬇︎
各国軍の単色衣類に関する記事はこちらです。⬇︎
✳︎ ✳︎ ✳︎
Twitterで、アメリカ海軍の変なレザージャケットを見つけました!
アメリカ海軍 水上艦艇の士官にレザージャケットを支給 https://t.co/ZyrxWX86Ci
— 酒樽 蔵之介 (@KulasanM) 2020年1月10日
一見G–1ですが、なんと襟のボアがありません!
詳細は不明ですが、早く観てみたいものです。
(早急に入手して分析したいですね。)
海上自衛隊もこの動きに追随するのでしょうか?
面白くなってきましたね!
読んでいただき、ありがとうございました。
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