今回は、1970年代の旧南ベトナム陸軍の迷彩ジャケットを分析します。
マニアの間では、超有名な迷彩ですね。
残念ながらモデル品ですが、雰囲気は良好です。
中古品ですが、程度は良好ですよ!
目次
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1 旧南ベトナム陸軍迷彩シャツ(タイガーストライプその1)とは?
ベトナム戦争中、アメリカ兵の主に特殊部隊で、大流行した迷彩服がありました。
それは旧南ベトナム軍が使用していた、グリーンを基調にして、ブラックとブラウンを刷毛塗ったようなパターンを描き、明るいグリーン又はタンでブラックやブラウンの縁を細い線で描いたものでした。
この迷彩は、その虎縞に似たパターンから「タイガーストライプ」と呼ばれていますね。
一説には、インドシナ戦争で使用した、フランス軍のリザード迷彩が原型とされています。
インドシナ戦争当時のフランス軍リザード迷彩服の記事はこちらです。⬇︎
中でも、当時まだ日本に返還されていなかった沖縄で製造された一部のタイガーストライプは、染料の関係からグリーン(というか薄いオリーブ)とブラウンが日射で退色してカーキに近付き、ブラックはバイオレットに変わっていって、独特の色調になったものがありました。
これは特に「ゴールド(ゴールデン)タイガー」と呼ばれていますね。
今回のモデルは、その「ゴールドタイガー」を再現した国産のモデル品になります。
この迷彩がベトナムのジャングルの中でどんな効果があったのかは不明ですが、世界的に大人気の迷彩ですね。
さてさて、それはどんな迷彩ジャケットなのでしょうか?
今回は、ベトナム戦争装備マニアのみならず、タイガーストライプファンのあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 全体及び細部写真です!
前面
前オーナーがモデル品を新品で購入後、洗濯と日射による乾燥を繰り返して生地を退職させていますね。
背面
迷彩は、日本で特に人気のある「アドバイザリー」 パターンですね。
前面裏側
背面裏側
前合わせはボタンのみです。
サイズ表記
アジア人(当時のベトナム人)のXLサイズという意
前オーナーがよくできたパッチ(ワッペン)を付けていました。
当時の一部隊を再現しているんですね。
今すぐコスプレに使えそうです。
胸ポケット
2個のボタンで開閉 マチが付いています
右肩のパッチ
左胸のパッチ
ローカル(現地生産)パッチがアクセントになっています。
左肩のパッチと袖ポケット
同じモデル品の新品と今回のモデルとの迷彩比較
今回のモデルは、キレイにそして自然に褪色させていますね。
左:新品 右:退色後(今回のモデル)
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3 その特徴とは?
迷彩は、当初の配色はオリーブ、ブラウン、ブルーブラック、タンですが、退色してくると、オリーブはカーキに、ブラウンはライトブラウンに、ブルーブラックはバイオレットグレイに変色していきます。
でも、現代の染料なので今ひとつ退色の度合いが少ない気がしますね。
生地は、日本産で多かった厚手のコットン製をよく再現しています。
でも、ベトナムでこの生地ではかなり蒸しそうですね。
(因みに、日本製のタイガーストライプは、その品質の良さから、南ベトナム兵やアメリカ兵に大人気でした。)
デザインも当時の標準的なシャツタイプをよく再現しています。
ただボタンはこれで良かったのか、少し疑問ですね。
アメリカ軍のODボタンがしっくりくるような気がするのは、私だけでしょうか?
4 製造とサイズのデータです!
製造・契約年度 1980年代
製造場所 日本
契約会社 日本
製造会社 〃
材 質 コットン
表記サイズ AS–XL
(日本人のL)
各部のサイズ(平置)
着丈 約69cm
肩幅 約50cm
身幅 約55cm
袖丈 約57cm
状 態 中古良品
官民区分 民生品
入手場所 ヤフオク
入手難易度 3(困難)
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5 まとめ
アメリカ兵に人気だったタイガーストライプですが、着用したい兵士は工夫が必要でした。
この迷彩服は、アメリカ軍正式採用品ではなかったため、まず調達が困難でした。
また、せっかく入手しても、当時のベトナム人用だったことから、サイズはアメリカのS〜XSが主体で、すぐに着用できることは稀でした。
複数入手し現地のテーラーに注文して一着仕立てるとか、入手したらそれをサンプルに、アジアの国に発注するとかして、やっと着用できたのです。
(マメですねえ。)
しかし、後々これが、タイガーストライプ研究に混乱をきたします。
今なお、この魅力的な迷彩服を正しく系統的に説明できる学者先生(?)は皆無です。
(洋書で専門誌が出ておりますので、詳しくはそちらをご参考ください。)
じつは、2000年くらいまで、沖縄には当時の生地を使用した小物(ハット、短パン等)がまだ販売されていました。今でもあるのでしょうか?
いつか確認したいですね。
さて人気のタイガーストライプですが、モデル品も洋の東西で沢山作られてきました。
今回のモデルに限らず、国産のモデル品は比較的安価で、しかもよくできていますよ。
モデル品なので、ガンガン使用できるところが良いですね。
タイガーストライプは、その昔日本でも制作されていました。
考え方を変えると、国産のモデル品は当時の子孫と言えるかもしれませんね。
ただ今回のモデルは既に絶版です。
でも国内のオークションでは、稀に出品される場合があります。
(勿論、トラウザーズやアイロットスーツも!)
探しているあなたは、チェックしてみましょう!
今回は、モデル品ながらベトナム戦争中の伝説の迷彩ジャケットを分析しました。
いやー軍装品って、モデル品も素晴らしいですね!
それでは、また次回をお楽しみに!
(20231108更新)
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その他のタイガーストライプはこちらです。⬇︎
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読んでいただき、ありがとうございました。
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