今回は、1960年代のアメリカ軍フライトジャケットMA-1(モデル品)を分析します。
官給品MA-1には存在しないカラーですが、ある理由で自衛隊でも使用している隊員がいましたね。
今回のモデルは、アメリカの官給品納入会社が、社の名誉にかけて復刻した限定品でした。
勿論デッドストックですよ!
目次
スポンサーリンク
スポンサーリンク
1 アメリカ空軍フライトジャケットMA-1(8279D・1968年度版復刻モデル品)とは?
1980年代に映画「トップガン」の影響で、何故か日本でも大人気になったMA–1。
約40年経った現在も人気のジャケットですね。
現在でもファッションブランドの高級品から量販店の廉価モデルまで、ありとあらゆるMA-1が製造されています。
もはや国民的フライトジャケットと言っても過言ではないですね。
その中でも初期のMA-1に憧れて、1stモデルを復刻した日本のメーカーの製品は、国内外で高い評価を得たのは記憶に新しいところです。
そんな日本の動きを見ていた本家アメリカの「アルファ」というメーカーは、日本のメーカーに対抗心を燃やし、1990年代に古いモデルの復刻品を製造して販売しました。
それが今回のモデルです。
実際にアルファ社は、1960年代から1980年代までMA-1製造し軍に納入していた官給品メーカーでした。
そんな「本家本元がMA-1を復刻した!」ということで、当時は話題になりましたね。
さてさて、それはどんなMA-1だったのでしょうか?
今回は、フライトジャケットマニアのみならず、航空自衛隊装備マニアのあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 全体及び細部写真です!
前面
ほぼ全面に厚いインナーライニング(中綿))があるので、モコモコです。
シルエットが丸いですね。
背面
前面裏側
ライニングはインディアンオレンジですが、完全リバーシブルではありません。
背面裏側
内ポケット
ダットファスナーで開閉
内側の生地はコットンの生成り。
前合わせはジッパーのみですが、ストームフラップがあります。
襟付近のレイアウト
襟はニットです。
ポケット
ダットファスナーで開閉
ポケット内側は起毛した生地です。
(モデルによっては毛布でしたね。)
腰ニット
袖のシガレットポケット
袖
袖口にはニットが。
背中にはいつものステッチが。
袖ポケットのジッパー
刻印は「SCOVILL」『GRIPPER」
メインのジッパーもscovillです。
左ポケット内にあるタグ
位置、記載内容とも当時のタグを再現してあります。
(勿論、内容の一部は意図的に変更してありますよ。)
スポンサーリンク
スポンサーリンク
3 その特徴とは?
シェルはエアフォースブルーのナイロンツイル製で、ライニングはインディアンオレンジです。
このモデルのインナーライニング(中綿)は、後のモデルのように軽いポリエステル綿ではなく、コットンとウール混紡の毛布みたいな生地でできています。
そのため重量があり、モコモコしているのが特徴ですね。
(でも風も通しませんし、保温能力も高いですよ!)
デザインは、MA-1でいうところの中期型です。
構成は、エポレットなし、胸ポケット×2、内ポケット×2、袖ポケットで、胸ポケットにフラップがないのが特徴です。
襟、袖、裾にはニットを配置、冷気の侵入をある程度阻んでいますが、首筋はどうしても隙間ができますね。
全体的な縫製は、当時の官給品より正確ですが、強度はやや劣っているようです。
何より、官給品特有の雑さがなくなっているのが少々残念なところですね。
4 製造とサイズのデータです!
製造・契約年度 1990年代
製造場所 アメリカ
契約会社 アメリカ
製造会社 〃
材 質 ナイロン
ウール
表記サイズ M
(日本人のL)
各部のサイズ(平置)
着丈 約62cm
肩幅 約48cm
身幅 約63cm
袖丈 約62cm
状 態 デッドストック
官民区分 民生品
入手場所 東京の専門店
入手難易度 2(やや困難)
スポンサーリンク
【中古】ALPHA 68年復刻 USA製 SCOVILLジップ MA-1 フライトジャケット サイズM アルファ[91]
スポンサーリンク
5 まとめ
あまり知られていませんが、航空自衛隊では、かつて幹部自衛官(パイロットを除く)に防寒装備ともいえるジャンパー(作業用外被)は支給されませんでした。
そのため、各幹部は私費を投じてBX(基地内売店)や厚生班で販売されている製品を購入しなければなりませんでしたね。
(部内幹部の中には要領の良い隊員がいて、空曹の頃に使用していた官給品の各種ジャンパーを入手して着用したりしていましたよ。)
しかし、どうせ自腹で購入するなら、少しでも品質の良いもの(カッコ良くて暖かいもの)を着用しようと考えるのは世の常。
そこで今回のモデルを含む、標準的なMA–1(色はエアフォースブルーとかネイビーブルー)を購入して着用している隊員もいましたね。
(ちゃんと階級章やネイムタグを服装規則の位置に付けると規則的にも無問題でした。)
じつは私もその一人でした。😆
(真冬の基地朝礼や早朝の列線では、特に重宝しましたね。)
現在はデジタル迷彩作業服とセットで迷彩防寒外被が幹部自衛官にも支給されていますね。
良い時代になりました。
(これで寒い日も安心です。カッコ良いかどうかは別問題ですが…。)
さて今回のモデルですが、防寒着としてみた場合かなり使えるジャケットですね。
着易くて性能は必要十分です。
(カラーもブルーなので、コーディネートし易いですね。)
ただし着丈が短いので、完璧な防寒着を目指すならボトムに工夫が必要です。
(防寒オーバーオールやオーバーパンツを使用するとか…。)
普段着にベストですが、バイクなどでも使えそうですね。
(少々地味なので、パッチ(ワッペン)などでカスタム化するのも面白いかも。)
ただ襟の形状から、襟元から寒気がバンバン侵入してきます。
ただし冬にバイクで使用する場合は、ネックウォーマーを着用するとか、タートルネックのセーターを着用するなどの工夫が必要ですね。)
同じシリーズで、B–15(MOD)やMA–1でも官給品と同じセージグリーンのモデルもありましたよ。
ところで、本家本元のアルファ社が復刻した今回のモデルですが、営業的にはあまり成功したとは言えませんでした。
何故ならMA–1としては、あまり人気がないモデルを復刻してしまったからです。
そのため、SHOPによっては大幅に値引きされて販売されていたり、ネットオークションでは信じられないくらい安価で出品されていましたね。
もう製造は終わっているという情報もあり、現在見掛けるのは中古品が主体のようです。
でも、程度の良いものが比較的多いですよ。
(ショップによっては、新品の状態で売れ残っている製品があるかもです!)
あなたも諦めず探してみましょう!
今回は、暖かい復刻フライトジャケットであるアルファ社のMA–1を分析しました。
いやー軍装品って、モデル品も本当に素晴らしいですね!
それでは、また次回をお楽しみに!
(20240116更新)
スポンサーリンク
スポンサーリンク
参考:セージグリーンのモデルに関する記事はこちらです。⬇︎
他のアメリカ空軍装備品に関する記事はこちらです。⬇︎
✳︎ ✳︎ ✳︎
読んでいただき、ありがとうございました。
スポンサーリンク
スポンサーリンク